１月発売のブルーVerに引き続き、キャストは同じでキャラクターのタイプは全く別、という大人の恋愛模様を描いたオムニバス形式のシチュエーションCD。ブルーが面白かったので、今回も楽しみにしていました。

今回のこま彼は二人ともオーバーサーティで、弁護士と証券アナリストという設定。
ブルーの彼氏が肉体派なのに対して、ホワイトの彼氏は頭脳派。真面目で上品な物腰の青年と、チャラく口の上手い青年と性格は真逆ですが、社会的地位が高く高収入、仕事の出来る男性というところが共通しています。

四ツ谷サイダーさん演じる弁護士の守村と彼女はお見合いパーティーで知り合い、順調にデートを重ねていき、いざベッドへという流れ。
章タイトルで大体想像はしていましたが、ここで守村のこまったが発動し、ヒロインは守村との付き合いを考えます。
昔から、特に結婚を考える女性が問題視するポイントなのですが、自覚のない守村はフォローするどころか、感覚を疑われるようなことを言い出し、彼女に冷たくされます。

仲直りディスクでは、何とか彼女の気持ちを取り戻したくて、彼女の職場で待ち伏せして自宅で平謝り。
謝られた方が困ってしまうぐらいの低姿勢で、彼女に必死になってお願いするのですが、そこで守村の更なるこまったが。
あれよあれよと妙な方向へ。ストレートな流れだった本編ディスクと異なり、こうなっちゃうんだという衝撃的な展開へ。
爆笑してしまいましたが、聞き終わった後考えてみると、守村のこまったは最初二重構造かと思っていたのですが、根はひとつの気がします。
彼は振り回すよりも振り回されたいタイプのようで、真面目で優しいがゆえのダメさで、彼の人間性に根差しているため反省したからといって変わる特性ではないと思います。
公式でのこまった度は次の金元の方が上になっていますが、変わりそうにないことを思うと守村の方が度合いが高い気も。
大事にはしてくれると思うので、周りにいる人が彼の特性を理解した上で折り合っていくしかないかなと。

河村眞人さん演じる証券アナリストの金元の話は、講演会に参加していた若い銀行員の女性に声を掛けるところからはじまります。
３７歳という設定なのですが、あれ声高い？と感じました。チャラく、ブルーで演じた男らしいキャラとの対比ということなのかもしれませんが、年齢を考えるともう少し低くてもいい気がしました。
積極的で押して引くのバランスが絶妙なキャラクターで、経験豊富そうな金元に最初彼女は警戒しますが、行く先々で金元と出会い、その都度お店に連れて行ってもらったりと徐々に距離が縮まっていき、金元のマンションにお呼ばれしてベッドへ。
行為の後、ふとしたことで彼女に怪しまれ金元はこまったを暴露。
ここに至るまで一体どんなこまったが、と思いながら聞いていたのですが私も想像がつかず衝撃を受けました。
こまった度が一番高いだけあって、シャレにならない暴露だと思いました。

仲直りしたいかどうかよりも続きが気になって、ディスクを変え、守村編よりも先に金元編を聞いてしまいました。
仲直り編はこちらの予想とは異なり、彼女が金本の言動に目くじらをたてつつ、交際が続いている様子。
彼女は金元が初体験だったので、金元のシャレにならない行動よりも他の女性との浮気を心配していました。
経験がそれなりにあったり、同年代の女性だったら即別れを告げそうなところを惚れた弱みというか、若く純粋な彼女ゆえ許してしまったのかなとも思いました。このへんのこともよく考えて作られてるなと感じました。
金元はこまった部分がなければいい彼氏で、幸せになりそうなカップルだと思いました。

昔から問題視される男性の特性だったり、ニュースやワイドショーで取り上げられるネタが織り込まれていて、前作より今も、これからも起こりうる、より実話に近い話だと思いました。
他作品だと、高い確率でヤンデレルートに突入してしまいそうなところをそっちには行かず、笑える話に着地させるのがこのシリーズならでは。
ヤンデレにならないのはブルーも含め、四人の彼氏が根が優しく、彼女に一途な愛情を捧げてくれるから。だから、彼女にフラれたからといって誰も復讐しようなんて思わない。
他の方が指摘されているように、萌え、ときめきは少ないと感じますが（ブルーを聞いていた分、セリフ一つ一つ真面目に聞いてしまうため、楽しむ方向に行けない自分のせいもあります）、１キャラ４５分程度の限られた時間で個性的な彼氏を描き、しっかりネタを盛り込んで驚かせ、飽きさせない工夫をされた脚本家のかしわさんの手腕に脱帽しました。