背理法と素数の性質1−ユークリッド原論と第5公準
平成25年5月18日に都立西高等学校で行った土曜講座の再現動画です。 数学Ⅰの「集合と命題」の授業で触れられなかった内容を補講 ...
背理法 (数学書房選書)
別のレヴュアーの方が書かれているように、必ずしも「構文」背理法は証明の手段として必要不可欠とはいえないでしょう。
構文背理法とは一般的な用語ではありませんが、Pが真であることを証明する為に、¬P⇒(Q∧¬Q)を示し(結論が矛盾)、排中律による選言三段論法を担保にPが真であることを結論付ける証明法を形を崩さない定型・構文のままで使うなら構文背理法と言っておきましょう。
このように背理法の本質は「排中律」であり、同じことですが「二重否定は肯定」であり、こういった命題の性質からの選言三段論法であります。
この本では初めにこういった説明が簡単にされておりまして、直接・間接といった証明・説明の流儀とは別に背理法や他のいくつかの証明法、或いはそれが適用できる条件の説明がなされております。
私が思いますに、数学の定義というものは時にはある定義の否定(ある集合の補集合)といった方法で定義されることもあり、√2の無理数性などは排中律を説明する格好の題材であると同時に、無理数自体が有理数の否定という定義であることが当たり前すぎて排中律や選言三段論法の有難みがないかもしれません。
また、排中律が成立するように定義されているので、構文・形式上は直接証明であるようでも、排中律の応用であることに変わりはありません。
さらに、ある性質についての証明は例え直接証明であってもその命題が属する系の中の他の対象との意味的・形式的繋がりを論じることは変わりありませんから、(背理法や対偶法の構文による証明のような)間接証明が直接証明より、意味的にわかり辛いと必ずしも結論されるわけでもありません。
深谷先生のところまでざっと目を通したところですが、この本は構文背理法に拘った構成であるとはいえないでしょう。
寧ろ導入の部分で構文背理法に慣れるための準備がなされているように感じました。
堤先生の章の初めの部分でも、構文背理法の¬P⇒(Q∧¬Q)と言う部分で、Qの取り方が複数ありうることも強みであるという旨のことを仰られており、未知の証明に挑むにあたり念頭に置くべき手法であることを強調しておられます。
さて内容ですが、
桂先生がいくつかの証明法の説明をあげて、本書の導入部分を担当されており、初等整数論の話題も少し扱っておられます。
栗原先生が初等幾何。
深谷先生が対角線論法から超越数の紹介。
堤先生が応用数学。
一貫した背理法の教科書と言う形式のものではなく、高校生が興味を持ちそうな(或いは持って欲しい)話題を扱っておられるようです。
深谷先生と堤先生の章は高校生が背伸びをするには踵(かかと)を上げるぐらいでは足りないかもしれませんが、充分な刺激になると思います。
(追記)
最初のレビューからだいぶ時間が経ちましたが、このレビューの内容をより明白に理解するために、【記号論理入門 (日評数学選書) 前原昭二著】や、「数学についてのwebノート」というHPの 「論理」→「命題論理の自然演算」という項目に目を通してください。
基礎の論理学を学んだ方々には当たり前のことしかこのレビューにも書いていないのですが、排中律と選言三段論法(実質的に「矛盾からはあらゆる命題が導かれる」と同じ)の組み合わせであったりの理解も得られるでしょう。
構文背理法とは一般的な用語ではありませんが、Pが真であることを証明する為に、¬P⇒(Q∧¬Q)を示し(結論が矛盾)、排中律による選言三段論法を担保にPが真であることを結論付ける証明法を形を崩さない定型・構文のままで使うなら構文背理法と言っておきましょう。
このように背理法の本質は「排中律」であり、同じことですが「二重否定は肯定」であり、こういった命題の性質からの選言三段論法であります。
この本では初めにこういった説明が簡単にされておりまして、直接・間接といった証明・説明の流儀とは別に背理法や他のいくつかの証明法、或いはそれが適用できる条件の説明がなされております。
私が思いますに、数学の定義というものは時にはある定義の否定(ある集合の補集合)といった方法で定義されることもあり、√2の無理数性などは排中律を説明する格好の題材であると同時に、無理数自体が有理数の否定という定義であることが当たり前すぎて排中律や選言三段論法の有難みがないかもしれません。
また、排中律が成立するように定義されているので、構文・形式上は直接証明であるようでも、排中律の応用であることに変わりはありません。
さらに、ある性質についての証明は例え直接証明であってもその命題が属する系の中の他の対象との意味的・形式的繋がりを論じることは変わりありませんから、(背理法や対偶法の構文による証明のような)間接証明が直接証明より、意味的にわかり辛いと必ずしも結論されるわけでもありません。
深谷先生のところまでざっと目を通したところですが、この本は構文背理法に拘った構成であるとはいえないでしょう。
寧ろ導入の部分で構文背理法に慣れるための準備がなされているように感じました。
堤先生の章の初めの部分でも、構文背理法の¬P⇒(Q∧¬Q)と言う部分で、Qの取り方が複数ありうることも強みであるという旨のことを仰られており、未知の証明に挑むにあたり念頭に置くべき手法であることを強調しておられます。
さて内容ですが、
桂先生がいくつかの証明法の説明をあげて、本書の導入部分を担当されており、初等整数論の話題も少し扱っておられます。
栗原先生が初等幾何。
深谷先生が対角線論法から超越数の紹介。
堤先生が応用数学。
一貫した背理法の教科書と言う形式のものではなく、高校生が興味を持ちそうな(或いは持って欲しい)話題を扱っておられるようです。
深谷先生と堤先生の章は高校生が背伸びをするには踵(かかと)を上げるぐらいでは足りないかもしれませんが、充分な刺激になると思います。
(追記)
最初のレビューからだいぶ時間が経ちましたが、このレビューの内容をより明白に理解するために、【記号論理入門 (日評数学選書) 前原昭二著】や、「数学についてのwebノート」というHPの 「論理」→「命題論理の自然演算」という項目に目を通してください。
基礎の論理学を学んだ方々には当たり前のことしかこのレビューにも書いていないのですが、排中律と選言三段論法(実質的に「矛盾からはあらゆる命題が導かれる」と同じ)の組み合わせであったりの理解も得られるでしょう。
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