ツリメラ - セックスと嘘とビデオテープ
ツリメラ 3rd Live 『108の煩悩のひとつひとつを教えて差し上げましょうか?』 (2013.12.28 @下北沢GARAGE)にて、収録。 監督:塩出 ...
セックスと嘘とビデオテープ スペシャル・エディション [DVD]
内向的な二人が互いをさらけだす過程がこまやかに描かれている作品はそうないと思います。
アンディ・マクダウェルさんの雰囲気がだいすきです。
アンディ・マクダウェルさんの雰囲気がだいすきです。
セックスと嘘とビデオテープ(セ [VHS]
膠着した人間関係が、外からの異分子の参入で変化していくさまを描く、物語としては正統派な作品です。
登場人物の少なさから、個人的にはロマン・ポランスキー初期の傑作(『水の中のナイフ』や『袋小路』)を連想しました。
まず、お互いが真剣に向き合っていないからこそ成り立っている、薄っぺらな三角関係が登場します。
彼ら自身は、自分たちのコミュニケーションの希薄さに無自覚です。夫と、その妻の妹は不倫関係にあり、セックスをカジュアルに楽しむ間柄。
いっぽう妻は漠然としたストレスの正体がつかめずにセラピーに通い、自分では解決できない、世界的な飢餓や環境問題に関心をそらすことで、
自分自身の問題から逃避しています。
そこに、夫のかつての友人が入ってくることで、膠着していた人間関係が動き始めます。
面白いのは、異分子として参入する青年が、過去の苦い経験から、コミュニケーションを拒絶する生き方を選択していることです。
定職につくことや、家の所有といった他者との深い関わりを拒絶し、目立たない黒いシャツを着て、愛用するビデオカメラのように
「見る、でも関わらない」生き方を何年間も続けてきた青年。
「他人のいる前では勃起しない」という症状も、コミュニケーション拒絶のあらわれでしょう。
この青年の「誰も傷つけたくないし、誰からも傷つけられたくない」という感覚は、若い頃ならば、多くの人が抱くものではないでしょうか。
そんな彼が、図らずも人間関係を激変させてしまい、もらす台詞「そういうことがないように、生き方を変えたのに・・・」が印象的です。
人はそこに存在するだけで、他者に影響を及ぼしてしまう。人は島嶼にあらず、ということでしょうか。
そして、彼もまた、他者からの影響にさらされます。この肉体的接触の場面は静かながらも圧巻で、見ているこちらも数年ぶりに
他者からほんとうの意味で「触れられた」かのような感覚に襲われます。鳥肌ものでした。
冒頭にセラピストが登場しますが、この映画全体がセラピーのような感じです。
対話が非常に重要な役割を果たしていて、こういうのは日本では出てきにくい感覚かも、と思いました。
監督のスティーブン・ソダーバーグ自身が脚本を執筆していますが、見事です。
開始後10分ほどで、4人の登場人物のおおよその性格と関係性を、わざとらしさをまったく感じさせずに説明してしまっています。
時間は現在から動かないのに、ちょっとした台詞の端々から、彼らの過去の関係が垣間みられて、
登場人物のひとりひとりが、物語の駒ではない生きた人間として、きちんと立ちあがってきます。
まるで小説のように言葉を重視した映画ですが、でも最後は映像の力がモノをいいます。
コミュニケーションの難しさを前提にしながら、対話を積み重ねて、最後には肉体的接触という形でのコミュニケーションが成立する。
この逆転も見事でした。
クリフ・マルティネス(キャプテン・ビーフハートやレッド・ホット・チリ・ペッパーズの元ドラマー!)によるアンビエントな音楽も、
良い雰囲気をだしています。
『トラフィック』のラストで、ブライアン・イーノの名曲『An Ending』を見事に使ってみせたソダーバーグ監督ですが、
デビュー時点から音楽のセンスも抜群でした。
登場人物の少なさから、個人的にはロマン・ポランスキー初期の傑作(『水の中のナイフ』や『袋小路』)を連想しました。
まず、お互いが真剣に向き合っていないからこそ成り立っている、薄っぺらな三角関係が登場します。
彼ら自身は、自分たちのコミュニケーションの希薄さに無自覚です。夫と、その妻の妹は不倫関係にあり、セックスをカジュアルに楽しむ間柄。
いっぽう妻は漠然としたストレスの正体がつかめずにセラピーに通い、自分では解決できない、世界的な飢餓や環境問題に関心をそらすことで、
自分自身の問題から逃避しています。
そこに、夫のかつての友人が入ってくることで、膠着していた人間関係が動き始めます。
面白いのは、異分子として参入する青年が、過去の苦い経験から、コミュニケーションを拒絶する生き方を選択していることです。
定職につくことや、家の所有といった他者との深い関わりを拒絶し、目立たない黒いシャツを着て、愛用するビデオカメラのように
「見る、でも関わらない」生き方を何年間も続けてきた青年。
「他人のいる前では勃起しない」という症状も、コミュニケーション拒絶のあらわれでしょう。
この青年の「誰も傷つけたくないし、誰からも傷つけられたくない」という感覚は、若い頃ならば、多くの人が抱くものではないでしょうか。
そんな彼が、図らずも人間関係を激変させてしまい、もらす台詞「そういうことがないように、生き方を変えたのに・・・」が印象的です。
人はそこに存在するだけで、他者に影響を及ぼしてしまう。人は島嶼にあらず、ということでしょうか。
そして、彼もまた、他者からの影響にさらされます。この肉体的接触の場面は静かながらも圧巻で、見ているこちらも数年ぶりに
他者からほんとうの意味で「触れられた」かのような感覚に襲われます。鳥肌ものでした。
冒頭にセラピストが登場しますが、この映画全体がセラピーのような感じです。
対話が非常に重要な役割を果たしていて、こういうのは日本では出てきにくい感覚かも、と思いました。
監督のスティーブン・ソダーバーグ自身が脚本を執筆していますが、見事です。
開始後10分ほどで、4人の登場人物のおおよその性格と関係性を、わざとらしさをまったく感じさせずに説明してしまっています。
時間は現在から動かないのに、ちょっとした台詞の端々から、彼らの過去の関係が垣間みられて、
登場人物のひとりひとりが、物語の駒ではない生きた人間として、きちんと立ちあがってきます。
まるで小説のように言葉を重視した映画ですが、でも最後は映像の力がモノをいいます。
コミュニケーションの難しさを前提にしながら、対話を積み重ねて、最後には肉体的接触という形でのコミュニケーションが成立する。
この逆転も見事でした。
クリフ・マルティネス(キャプテン・ビーフハートやレッド・ホット・チリ・ペッパーズの元ドラマー!)によるアンビエントな音楽も、
良い雰囲気をだしています。
『トラフィック』のラストで、ブライアン・イーノの名曲『An Ending』を見事に使ってみせたソダーバーグ監督ですが、
デビュー時点から音楽のセンスも抜群でした。
セックスと嘘とビデオテープ【字幕版】 [VHS]
これは不思議な映画だ。
アメリカ映画にありがちな、紋切り型な筋立てが完全に影を潜めて、
微妙な雰囲気を全編に漂わせている…
ジョンはやり手の弁護士で、確かに夫としては申し分のない相手だろう…
しかし、感性の違い・生きる上で最も大切な事の違いは、
結婚生活を続ける内にアンの心を蝕んでいたに違いない。
自分のパートナーが社会的に申し分ないと理性で判断される時に、
自分の人生に欠けているモノを正しく認識できるほど、多くの女性は強くないはずだ。
しかし、ジョンの浮気が発覚した時に、爆発したアンの怒りの根底には、
そうした、心が歓ぶほどに心と心が通ってはいなかった相手との結婚生活の時間の中で、
心が通わない故に少しずつ少しずつ蓄積されていった憤りも大きくあったに違いない。
この映画から受け取ったテーマの一つは、
セックスの大切さって、やはり、相手と心と心が通い合っている歓びをお互いに感じたとき、初めて成立する行為なんだっていう事…
そういうナイーブな心が求めるセックスと、快楽に溺れるセックスの両方を描くことで、
本作はその対比を浮き彫りにしていると言える。
アメリカ映画にありがちな、紋切り型な筋立てが完全に影を潜めて、
微妙な雰囲気を全編に漂わせている…
ジョンはやり手の弁護士で、確かに夫としては申し分のない相手だろう…
しかし、感性の違い・生きる上で最も大切な事の違いは、
結婚生活を続ける内にアンの心を蝕んでいたに違いない。
自分のパートナーが社会的に申し分ないと理性で判断される時に、
自分の人生に欠けているモノを正しく認識できるほど、多くの女性は強くないはずだ。
しかし、ジョンの浮気が発覚した時に、爆発したアンの怒りの根底には、
そうした、心が歓ぶほどに心と心が通ってはいなかった相手との結婚生活の時間の中で、
心が通わない故に少しずつ少しずつ蓄積されていった憤りも大きくあったに違いない。
この映画から受け取ったテーマの一つは、
セックスの大切さって、やはり、相手と心と心が通い合っている歓びをお互いに感じたとき、初めて成立する行為なんだっていう事…
そういうナイーブな心が求めるセックスと、快楽に溺れるセックスの両方を描くことで、
本作はその対比を浮き彫りにしていると言える。
セックスと嘘とビデオテープ ウェブ
[動画|ゲーム|ヤフオク]
[便利|辞書|交通]
[ランキング|天気|メル友]
[占い|住まい|ギャンブル]