この本は面白い！（P14:単純化する。"面白い所もそうでない所もある"などと正直に言わない。P20:断定する。面白い"と思います"とは言わない）これを読めば発言の攻撃力がガンガン増します（P63:擬態語を使う）確実に５割増し！（P35:短文で体言止めにする）これで誰とのかけひきにも勝てます（P61:極端な言い方をする）機関銃を手にしたようなものです（P27:たとえ話を交える）買ってかけひきに強くなるのと買わずにダメ人間で終わるのとどちらにしますか？（P54:実は二者択一の状況にはないのに二者択一を迫る）とにかく１冊買って下さいどうかどうかお願いしまーす（P58:感情に訴えて泣き落とす）１冊でも，２冊でも，３冊でも買って下さい（P108:たたみかける）買わないヤツはバカか・・・と言いたくなります（P80:言い過ぎたら「と言いたくなります」と付け加える）これを読まないと人生で大損しますよ，１冊買ってそれを回避しましょう（P96:見せかけの利益を与える）ガンガン売れてベストセラーです（P101:あたかも事実であるかのように言う）みんな買っています（P104:「みんな」と言う）そんな販売データーがあるかと言われても・・・要するに大切なのは内容が良いかどうかです（P145:答えに窮したら大義名分でしのぐ）この本を批判するレビュアーは，じゃあ自分で本が書けるんですか？書けるわけないでしょ！（P155,170:実践を強調すれば批判を封じることができる）そういう連中は批判するだけの役立たず！（P10:文末で追い打ちをかける）この本を買わないなら，他にどの本を買えと言うのですか（P151:反対者には具体案を要求する）。

たしかにこの本は，一政治家の話法の表面的解説で，その思想には踏み込みません。それで何が悪いんですか？だからこそ，どの立場の人にも読みやすいのです（P128:「そうですよ，でもだからこそ」で弱みを逆手にとる）。つまり本書の価値は，政治的立場にとらわれず公平な立場で判断していただきたい（P137:「公平」をキーワードにしてみる）。

あれこれ考えていないで早く１冊買いなさい（P22:命令形で自信を示す）さあ30秒で決断しなさい（P114:相手に考える時間を与えない）。

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というわけで，ビジネス書として見れば，無批判に各技法を採用したときにビジネスパーソンとして信頼されるかは別問題，ということになりますが，雑学書として見れば，演説を聞いて「あ，またあの技法だな，次にこの表現だな」と認知・判別できるようになるので，言葉の表面的技法に惑わされない有権者としての素養を涵養する助けにはなります。