自分にとっては、山本弘氏は『神は沈黙せず』以降のSF小説の作家というイメージだが、それ以前にも、トンデモ本の「と学会」会長であったり、ゲームのノベライズの作家だったりと多彩な面を持つ人だが、彼の初めてのエッセイ集というこの本も、そういった彼の多方面での活躍を示すかのように、ゲームやライトノベル、特撮ものまで、非常に幅広い内容になっている。

小説は読んでいたけど、深く彼のことを知らなかった自分にとっては、彼のいろんな遍歴や奥さんや娘さんのことまで触れてあるこの本は、とても興味深く読めた。

日本のSF作家の中でも、とても合理的な思想を持ち、また説得力のある文章を書く人だと思っていたが、このエッセイでもそういった一面がうかがわれる。特撮モノやトンデモ本、ロリコンの話なんて、特に面白い。