一曲一曲のクオリティは高い。特に「沸騰する宇宙」
「阿呆陀羅経」「悪魔と接吻」「地底への逃亡」「愚者の楽園」などは
ヘヴィかつソリッドで、格好いい。
一方で、和嶋氏が朗々と歌い上げるタイプの「春の匂は涅槃の薫り」
「胡蝶蘭」などは今ひとつ入り込めなかった。どちらも10分近くの大作だがちょっと間延びしてしまう。
このあたりも含めてどうもアルバムとして通しで聴かせるまとまりには若干欠けるように思われた。
一つの流れとしての統一感に欠けると言うか・・・。
この点がちょっと引っかかったので星4つ。曲ごとに見ていくと十分星5つなんだけど。

そして人間椅子のアルバムは毎回ラスト曲が名曲だが
今回のラスト曲「今昔聖」も大変良い。
一聴するとあっさり終わってしまう曲のように感じるが
リフが妙に頭に残り、聴くほどに味が出る。
特にラストのギターソロは、これまでも様々な曲で
取られてきた津軽三味線のアプローチだが
ひときわ鬼気迫る。こんなギターソロ、他の誰にもできないよ！

それにしても、最近の活発な活動はファンとしても張り合いがあるし、素直に嬉しい。
次のアルバムを手にしてまたあれこれと聴きこみ、理屈をこねるのが今から楽しみである。