ジム・ボタンの機関車大旅行 (岩波少年文庫)
立て!アクション!ファイト!ジムボタンのように―
勇ましい主題歌がいつまでも記憶に残っていて、
この本のタイトルを見た途端、ぱあっと小学生のころに見たアニメを思い出した。
でも1枚目のさし絵を見てびっくり。アニメで見たジムボタンと全然イメージが違う。
読み進めたら、さらに違いは歴然に。
ジムボタンは黒人の男の子で、ジムのズボンが何回縫っても同じ所に穴があくので大きなボタンを縫いつけたのが名前の由来だって。
ボタンパンチのボタンじゃないんだ(笑い)
でも、そんな違いなんかすぐ忘れるほど、ストーリーに入り込んでしまった。
最大の理由は、ジムや機関士ルーカスといった登場人物が、すごくいいやつだってこと。
ジムは、冒険に行くと決心したとき、ワクワク感だけでなく、残していく育ての親のおばさんのことを思って悲しくなるし、
ルーカスはジムに黙って故郷を去ろうとしたのを偶然ジムに気付かれ、最初は言い逃れようとしてたのを
ジムの顔に固い決心と不満の色を見て心が動き、それからはジムを本当の友達として認め一緒に行動するし、
また、ふとっちょで年寄りの機関車エマも、しゃべれないけど、いい場面で汽笛を鳴らして人の気持にこたえてくれる。
それと、エピソードの豊富さも、大きく引き込まれた理由だ。
私にとってのベストは、機関車エマが力を使い果たし動けなくなり、ボイラーの内側からネジを抜かなきゃいけなくなった話。
ルーカスはジムを友人と認めて、誰かが内側からネジを抜く以外に方法がないと正直に告白する。
それを聞いたジムはすべてを理解し「ぼくが入る」って即答する。
しかし、水が入ったタンクにジムは潜ったものの、中は真っ暗で何も見えないし、
ルーカスも、水の中からなかなか戻ってこないジムに、いても立ってもいられずタンクに向かってジムの名前を叫び続ける…
このあとどうなったかは読んでのお楽しみだけど、
ジムとルーカスのかわす会話が本当に胸にグッとくる。物語作者エンデの本領発揮ってとこじゃないかな。
冒険物語といえば、多くの人がONE PIECEを想像するだろう。
たしかにそっちもエピソード満載だし、キャラも多彩で、上質な作品なのはまちがいない。
でも、あたり前だけど、ゴムみたいな体とか特殊な力なんて普通の人は持ってない。
自分たちと同じ能力しか持たないジムやルーカスが、友情を高め、その力で困難を乗り越えていくから、
私はONE PIECEよりこの作品にシンパシーを感じる。
勇ましい主題歌がいつまでも記憶に残っていて、
この本のタイトルを見た途端、ぱあっと小学生のころに見たアニメを思い出した。
でも1枚目のさし絵を見てびっくり。アニメで見たジムボタンと全然イメージが違う。
読み進めたら、さらに違いは歴然に。
ジムボタンは黒人の男の子で、ジムのズボンが何回縫っても同じ所に穴があくので大きなボタンを縫いつけたのが名前の由来だって。
ボタンパンチのボタンじゃないんだ(笑い)
でも、そんな違いなんかすぐ忘れるほど、ストーリーに入り込んでしまった。
最大の理由は、ジムや機関士ルーカスといった登場人物が、すごくいいやつだってこと。
ジムは、冒険に行くと決心したとき、ワクワク感だけでなく、残していく育ての親のおばさんのことを思って悲しくなるし、
ルーカスはジムに黙って故郷を去ろうとしたのを偶然ジムに気付かれ、最初は言い逃れようとしてたのを
ジムの顔に固い決心と不満の色を見て心が動き、それからはジムを本当の友達として認め一緒に行動するし、
また、ふとっちょで年寄りの機関車エマも、しゃべれないけど、いい場面で汽笛を鳴らして人の気持にこたえてくれる。
それと、エピソードの豊富さも、大きく引き込まれた理由だ。
私にとってのベストは、機関車エマが力を使い果たし動けなくなり、ボイラーの内側からネジを抜かなきゃいけなくなった話。
ルーカスはジムを友人と認めて、誰かが内側からネジを抜く以外に方法がないと正直に告白する。
それを聞いたジムはすべてを理解し「ぼくが入る」って即答する。
しかし、水が入ったタンクにジムは潜ったものの、中は真っ暗で何も見えないし、
ルーカスも、水の中からなかなか戻ってこないジムに、いても立ってもいられずタンクに向かってジムの名前を叫び続ける…
このあとどうなったかは読んでのお楽しみだけど、
ジムとルーカスのかわす会話が本当に胸にグッとくる。物語作者エンデの本領発揮ってとこじゃないかな。
冒険物語といえば、多くの人がONE PIECEを想像するだろう。
たしかにそっちもエピソード満載だし、キャラも多彩で、上質な作品なのはまちがいない。
でも、あたり前だけど、ゴムみたいな体とか特殊な力なんて普通の人は持ってない。
自分たちと同じ能力しか持たないジムやルーカスが、友情を高め、その力で困難を乗り越えていくから、
私はONE PIECEよりこの作品にシンパシーを感じる。
ジム・ボタンと13人の海賊 (ジム・ボタンの冒険 (2))
エンデの作品は「はてしない物語」を学生時代に読んだだけで、たまたま子どもに
夜寝る前の読み聞かせをするのにこの本を選びました。
ジムの出生のひみつがとうとう明らかになります。ジムとルーカスは年も離れて
いるけれどお互いに信頼し合っている親友同士。そして、度重なる困難を二人で
乗り越えていくところがとっても好きです。
不思議なキャラクターと設定もなぜだか違和感なく読めてしまうのはジムとルーカスが
とても魅力的だからだと思います。
こんな二人がほんとにどこかにいるような気がしてなりません。うちの子たちが二人
とも男の子なので冒険物語はどれも好きなのですがこの本も冒険物語の良作だと
思います。
夜寝る前の読み聞かせをするのにこの本を選びました。
ジムの出生のひみつがとうとう明らかになります。ジムとルーカスは年も離れて
いるけれどお互いに信頼し合っている親友同士。そして、度重なる困難を二人で
乗り越えていくところがとっても好きです。
不思議なキャラクターと設定もなぜだか違和感なく読めてしまうのはジムとルーカスが
とても魅力的だからだと思います。
こんな二人がほんとにどこかにいるような気がしてなりません。うちの子たちが二人
とも男の子なので冒険物語はどれも好きなのですがこの本も冒険物語の良作だと
思います。
ジム・ボタンの機関車大旅行 (ジム・ボタンの冒険 (1))
私がこの本を読んだのは、10代後半だったと思う。「モモ」も「果てしない物語」も読んだ後だったが、とても面白くワクワクしながら読んだ記憶がある。
安易に魔法で解決しようとしない点にハラハラさせられ、描写がとても巧みであたかも目の前に風景が浮かび上がるかの様な感覚を覚えたものでした。
どの人物も(竜も)どこか愛らしく感じるのはエンデの人間性なんでしょうね。
母となり、あらためて読んでみた。彼の全ての命を思う気持ちが伝わってきた。
今はとてもバーチャルな時代。CGによって本物と見違うモノが当たり前にテレビに映し出される時代。
だからこそ活字からしか生み出されない感性を本当に大切にしたいと思う。
未来のある、少年少女にお勧めしたい本です。
安易に魔法で解決しようとしない点にハラハラさせられ、描写がとても巧みであたかも目の前に風景が浮かび上がるかの様な感覚を覚えたものでした。
どの人物も(竜も)どこか愛らしく感じるのはエンデの人間性なんでしょうね。
母となり、あらためて読んでみた。彼の全ての命を思う気持ちが伝わってきた。
今はとてもバーチャルな時代。CGによって本物と見違うモノが当たり前にテレビに映し出される時代。
だからこそ活字からしか生み出されない感性を本当に大切にしたいと思う。
未来のある、少年少女にお勧めしたい本です。