天平の甍 (新潮文庫)
この本を読むのは2回目である。
1回目は、30年以上も前だつたろうか。
その時の感動が忘れられず、読み返したのだったが、前回以上に感動を覚えた。
整い尽くした構文、清々たる文章の流れ、人生への強い肯定的視点。
10年後に、もう一度読み返したい。
作者は、高校の先輩である。
1回目は、30年以上も前だつたろうか。
その時の感動が忘れられず、読み返したのだったが、前回以上に感動を覚えた。
整い尽くした構文、清々たる文章の流れ、人生への強い肯定的視点。
10年後に、もう一度読み返したい。
作者は、高校の先輩である。
しろばんば (新潮文庫)
『しろばんば』って文部省推薦だったような気がします。子どもの頃読み逃していて、白髪の婆で、しろばんばかと勘違いしていました。虫のことだったんですね〜。わたしの母の時代が多分作家の世代だと思うので、幼い頃沼津にいたことがあったりするわたしには懐かしくもあり、毎晩眠る前に読んでいたらその語り口調のやさしさや、登場人物のやさしさにふれて、不眠症が治ってしまいました。どんな精神分析医にかかるより、この本を読むことをお勧めします。子どもの頃よむのもよいのでしょうが、年老いて読むとよりおぬい婆さんに親近感を感じられると想います。素敵な小説ですね。
あすなろ物語 (新潮文庫)
主人公である鮎太は、さまざまな人びととの出会いと別れを通して、一本の木に育てられて行きます。作品は6つの物語に分けられており、それぞれの物語で、鮎太の感性を育てた大切な人びとが登場します。
『あすなろ物語』を読み、私はふと、私という木を育ててくれている身近な人たちのことに気づき、思いを深めるきっかけとなりました。とても良い作品だと思います。
『あすなろ物語』を読み、私はふと、私という木を育ててくれている身近な人たちのことに気づき、思いを深めるきっかけとなりました。とても良い作品だと思います。
主役は「中村嘉葎雄」で、「中村錦之助」の弟。派手な作品の多い兄に対して、この人は地味な作品が多い。
「鑑真和上」役の「田村高廣」もほぼ想定内の演技。
これも又、上映2時間半、中国ロケの大作であるが、「敦煌」ほどの迫力はない。
見覚えのある風景があちこち出てくるので、撮影は蘇州や北京がメインで行われたものと思われる。
数晩かけて読んだ原作の記憶はどこかに行ってしまったが、
唐の文化を学ぶために唐に渡った若き僧侶が、最初のうちは仏典の翻訳などをしていたが、余りにも膨大な原典の数に、途中からは書写に切り替えてしまう。そして、数十年をかけて書写した写本を日本に持ち帰ろうとするのだが、途中、船は難破して、写本は海の藻屑となって行く。たゆたう海藻と、その中に沈みゆく仏典の数々…。
という記憶だけは鮮明に残っている。
今回見た映画は、若き留学僧達が「鑑真和上」を日本に招聘しようと苦闘する物語だった。原作もそうだったんだろうか?
「平城遷都1300年記念事業」で「復元朱雀門」の見える位置に「遣唐使船」が復原展示されていたが、この映画によれば、あんな船4艘で船団を組み、600人弱の乗員をもって中国大陸を目指したとのこと。4艘まともに行き来できたことはまずないであろう。
画面全体に赤茶けた色のかかった映画。劣化によるものではなく、そうしたタッチ?
井上靖・歴史大ロマンと題した、映画館で見た。
「鑑真和上」役の「田村高廣」もほぼ想定内の演技。
これも又、上映2時間半、中国ロケの大作であるが、「敦煌」ほどの迫力はない。
見覚えのある風景があちこち出てくるので、撮影は蘇州や北京がメインで行われたものと思われる。
数晩かけて読んだ原作の記憶はどこかに行ってしまったが、
唐の文化を学ぶために唐に渡った若き僧侶が、最初のうちは仏典の翻訳などをしていたが、余りにも膨大な原典の数に、途中からは書写に切り替えてしまう。そして、数十年をかけて書写した写本を日本に持ち帰ろうとするのだが、途中、船は難破して、写本は海の藻屑となって行く。たゆたう海藻と、その中に沈みゆく仏典の数々…。
という記憶だけは鮮明に残っている。
今回見た映画は、若き留学僧達が「鑑真和上」を日本に招聘しようと苦闘する物語だった。原作もそうだったんだろうか?
「平城遷都1300年記念事業」で「復元朱雀門」の見える位置に「遣唐使船」が復原展示されていたが、この映画によれば、あんな船4艘で船団を組み、600人弱の乗員をもって中国大陸を目指したとのこと。4艘まともに行き来できたことはまずないであろう。
画面全体に赤茶けた色のかかった映画。劣化によるものではなく、そうしたタッチ?
井上靖・歴史大ロマンと題した、映画館で見た。
天平の甍 [VHS]
あまり題材にされない時代の映画なのでそれだけで少し価値があります。
鑑真を日本に連れてくるまでの苦難の道を描いているが、それ以上に
「唐の地で一体何をやってるんだ?」
という虚脱感をかなり厚めにえがいている。
行きはよいよい帰りは怖い、を地で行っているような映画。
期待していたこの時代をどう描くのかという点に関しては、僧侶という特殊な環境を描いているせいで街並みや民衆の暮らしぶりを描いているシーンが少なかったのは残念。
筋書きは教科書にある通りなのでわかり切っている訳ですが見応えがあるのはなかなかいい映画だと思います。
DVD化されてしかるべき映画だと思います。
鑑真を日本に連れてくるまでの苦難の道を描いているが、それ以上に
「唐の地で一体何をやってるんだ?」
という虚脱感をかなり厚めにえがいている。
行きはよいよい帰りは怖い、を地で行っているような映画。
期待していたこの時代をどう描くのかという点に関しては、僧侶という特殊な環境を描いているせいで街並みや民衆の暮らしぶりを描いているシーンが少なかったのは残念。
筋書きは教科書にある通りなのでわかり切っている訳ですが見応えがあるのはなかなかいい映画だと思います。
DVD化されてしかるべき映画だと思います。