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新版 親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと (PHP新書)
著者の山田太一さん(1934年6/6 東京都生まれ)は、脚本家、作家として著名な方ですが、3人の子育てをされた父親でもあります。
本書は、そんな山田さんが、自身の体験を踏まえ、温かいまなざしで語る子育て論です。
まえがきで山田さんは、以下のように述べておられます。生まれてくるこの性別、容姿、頭のよさ、性別、健康・・・・
あるがままに受け取るしかない。その中で、親の出来ることを探り、何とか一緒に生きてゆく。
いくら教育方針などというものを持って、教育に励んでも、結局、親の器量以上のものを子供に伝えることはできない。
本書の結論はここのあると思いますけど、以下全体は 第1章:一男二女あり 第2章:父のこと、家のこと
第3章:家族は「人間」を知る場所 第4章:親にできることは、少し 終章:二十年経って思うこと に大別されています。
第2章は山田さん自身の自叙伝のような章です。父親のこと、母親のこと、大学はあきらめていたのに、
父親の力で行けるようになったこと、そして、そんな息子が自慢の種だった父親・・・名作「異人たちとの夏」の、
舞台裏を見たような気持になりました・・・・
第3章では、片親でもうまくいっていることもある、育児ノイローゼ について書かれていることが記憶に残っています。
また、教育についても、初めから所定のコースがあるのではない。結局は子どもに従うしかない と結論されています・・当然ですよね!・・ 親の限界を知り、その中でどう生きるかというのが、子どもとの関係の基本です。親の出来るのはほんの少しばかりのことなのです。
口で伝えるようなことは、だまっていても伝わっているのです。昔から、子どもは親の背中を見て育つ というじゃありませんか。
山田さんは、子育ての期間は短い とも言っておられます。私も、気張らず、ゆったりとした気持ちで子育てしたいと思います。
本書は、そんな山田さんが、自身の体験を踏まえ、温かいまなざしで語る子育て論です。
まえがきで山田さんは、以下のように述べておられます。生まれてくるこの性別、容姿、頭のよさ、性別、健康・・・・
あるがままに受け取るしかない。その中で、親の出来ることを探り、何とか一緒に生きてゆく。
いくら教育方針などというものを持って、教育に励んでも、結局、親の器量以上のものを子供に伝えることはできない。
本書の結論はここのあると思いますけど、以下全体は 第1章:一男二女あり 第2章:父のこと、家のこと
第3章:家族は「人間」を知る場所 第4章:親にできることは、少し 終章:二十年経って思うこと に大別されています。
第2章は山田さん自身の自叙伝のような章です。父親のこと、母親のこと、大学はあきらめていたのに、
父親の力で行けるようになったこと、そして、そんな息子が自慢の種だった父親・・・名作「異人たちとの夏」の、
舞台裏を見たような気持になりました・・・・
第3章では、片親でもうまくいっていることもある、育児ノイローゼ について書かれていることが記憶に残っています。
また、教育についても、初めから所定のコースがあるのではない。結局は子どもに従うしかない と結論されています・・当然ですよね!・・ 親の限界を知り、その中でどう生きるかというのが、子どもとの関係の基本です。親の出来るのはほんの少しばかりのことなのです。
口で伝えるようなことは、だまっていても伝わっているのです。昔から、子どもは親の背中を見て育つ というじゃありませんか。
山田さんは、子育ての期間は短い とも言っておられます。私も、気張らず、ゆったりとした気持ちで子育てしたいと思います。
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作・山田太一 主演・笠智衆 『ながらえば』
笠さんと宇野さんの対峙場面の凄さ。
ラストにおける笠さんの背中の演技。
これはテレビドラマである。
以前はこうした良質のドラマが普通にあった。
昨今のテレビや映画には本物の俳優は不要のようだ。
よって、私はテレビを所有する必要もない。
また、映画館へも足を運ばない。
ラストにおける笠さんの背中の演技。
これはテレビドラマである。
以前はこうした良質のドラマが普通にあった。
昨今のテレビや映画には本物の俳優は不要のようだ。
よって、私はテレビを所有する必要もない。
また、映画館へも足を運ばない。
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作・山田太一 主演・笠智衆 『冬構え』
先ず、尺が長い。途中だらけが生じる。
明治生まれの笠さんが涙する…映画「晩春」でも断固として
泣くことを拒否したのに。
ついでに言うと、死を決意して旅する程の確かな理由が明確
に示されず、抽象的なのがいけない。
岸本さんは少々弾け過ぎの感あり。演出なのだろうが、度々
だと妙に気に障る。
ラストに救われるが、どうもピンと来ない作品だった。
明治生まれの笠さんが涙する…映画「晩春」でも断固として
泣くことを拒否したのに。
ついでに言うと、死を決意して旅する程の確かな理由が明確
に示されず、抽象的なのがいけない。
岸本さんは少々弾け過ぎの感あり。演出なのだろうが、度々
だと妙に気に障る。
ラストに救われるが、どうもピンと来ない作品だった。
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月日の残像
本書は、数々の名作を生み出してきたTVドラマ脚本家山田太一氏の若かりし頃の思い出を綴ったエッセイです。
少年時代の親や兄弟の想い出、戦争で疎開した頃のこと、映画の助監督時代のことなど相当に昔の話が多いのですが、その時代の空気感を感じさせ、著者のさまざまな想いが印象的な、味わい深い話が並んでいます。
この本は、昔を振り返りながらも、「昔は良かった」というような甘っちょろいテイストの本ではなく、むしろアンビバレントなほろ苦い感じがする話が多い感じがします。私は、ゆっくりと味わいながら本書を読ませていただきました。
ていねいに紡がれた、すばらしい本と思います。
少年時代の親や兄弟の想い出、戦争で疎開した頃のこと、映画の助監督時代のことなど相当に昔の話が多いのですが、その時代の空気感を感じさせ、著者のさまざまな想いが印象的な、味わい深い話が並んでいます。
この本は、昔を振り返りながらも、「昔は良かった」というような甘っちょろいテイストの本ではなく、むしろアンビバレントなほろ苦い感じがする話が多い感じがします。私は、ゆっくりと味わいながら本書を読ませていただきました。
ていねいに紡がれた、すばらしい本と思います。
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作・山田太一 主演・笠智衆 『今朝の秋』
80代の父が、余命の無い息子に「いずれは皆死ぬんだ、遅いか早いかのちがい。特別の事では無い」の台詞が、初めて見た時に強烈に胸に刺さりました。今回見直して、自分が年を取った分余計に身に染みた作品でした。出演されていた俳優の大方の方が亡くなられ、改めて素晴らしい役者の間合いを堪能させられました。それにしても笠智衆という役者は何なのだろう!!48歳であの「東京物語」の父を演じたその雰囲気のまま、実年齢の80歳の日常を淡々と演じている(呼吸をしている)。笠さんの所作のすべてが、日本のかつてあった男(大人の男)のすべてを表出しています。昨今の何かと若い者ぶる風潮の中、父と息子がきちんと会話のできる成熟した大人はいったいどこに行ってしまったのだろうか。お互いにヒステリーになりながら、誰にでもくる死をどんな顔で迎えるのでしょうか。折にふれて味わい直したい山田太一の作品中、私の大好きなベスト作品です。