ルパン [DVD]
ルパン生誕100周年記念超娯楽大作、ベースは「カリオストロ伯爵夫人」、とのことで大いに期待して観る。
まずは闇に光る豪華な宝石という正統的なタイトルバックにそそられる。クラリスや母の設定など映画らしく
大胆に端折ってあるが、比較的原作どおりに、しかもテンポよく進む。(ただし根幹の部分に、この映画なら
ではの、原作からの大きな逸脱あり。)これはいったいどういうことじゃいという(原作ファンであってもな
くても)ツッこみどころも満載なのだが(怪我とかね。ラストとかね。)飽きさせない2時間余りといえるだろう。
列車のシーンなど上手い。原作のネタがあれこれ見えるのは、ファンにはお楽しみ。
役者はいずれもよい。クラリス役のエヴァ・グリーン、旬の美しさ。ジョゼフィーヌは原作に比し見るからに
悪女らしさを出しているが、まあわかりやすいと言ってよい。肝心のLUPINはといえば、若くて野心も冒険心に
も満ちあふれている駆け出し、という感じを出していてこれも好演。(脇のマチュー・カリエール容姿端麗)。
ちょっと「レイダース」みたいなところもあるが、「奇巌城」にはもともとそういうところもある。(それに
してもROMAIN DURISの最新作『タイピスト(邦題)』も「パリを舞台にした往年のアメリカ映画」のようだったが、
よくもわるくも映画の国境がなくなってきているような昨今。話もどこかしら「スター・ウォーズ」、LUPINの
変装もどこかアニメーション映画。)
LUPINが繰り返し見る夢はなかなか映画的な処理と言える。絢爛豪華な舞踏会シーンで、彼が女性たちから
首飾りや耳飾りを盗ったりつけたりというシーン、それをまた実に楽しげにやっているのも映画的でなかなかよ
ろしい。
まずは闇に光る豪華な宝石という正統的なタイトルバックにそそられる。クラリスや母の設定など映画らしく
大胆に端折ってあるが、比較的原作どおりに、しかもテンポよく進む。(ただし根幹の部分に、この映画なら
ではの、原作からの大きな逸脱あり。)これはいったいどういうことじゃいという(原作ファンであってもな
くても)ツッこみどころも満載なのだが(怪我とかね。ラストとかね。)飽きさせない2時間余りといえるだろう。
列車のシーンなど上手い。原作のネタがあれこれ見えるのは、ファンにはお楽しみ。
役者はいずれもよい。クラリス役のエヴァ・グリーン、旬の美しさ。ジョゼフィーヌは原作に比し見るからに
悪女らしさを出しているが、まあわかりやすいと言ってよい。肝心のLUPINはといえば、若くて野心も冒険心に
も満ちあふれている駆け出し、という感じを出していてこれも好演。(脇のマチュー・カリエール容姿端麗)。
ちょっと「レイダース」みたいなところもあるが、「奇巌城」にはもともとそういうところもある。(それに
してもROMAIN DURISの最新作『タイピスト(邦題)』も「パリを舞台にした往年のアメリカ映画」のようだったが、
よくもわるくも映画の国境がなくなってきているような昨今。話もどこかしら「スター・ウォーズ」、LUPINの
変装もどこかアニメーション映画。)
LUPINが繰り返し見る夢はなかなか映画的な処理と言える。絢爛豪華な舞踏会シーンで、彼が女性たちから
首飾りや耳飾りを盗ったりつけたりというシーン、それをまた実に楽しげにやっているのも映画的でなかなかよ
ろしい。
サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」
パタネ指揮、ミュンヘン放送管弦楽団・バイエルン放送合唱団。1973年収録。
キャスト:サムソン/キング(T)、デリラ/ルートヴィヒ(MS)、ダゴンの大祭司/ヴァイクル(Br)、アビメレク/マルタ(Bs)、老ヘブライ人/コーゲル(Bs)。
宗教曲のように荘厳な合唱や、美しい管弦楽が挿入されたこのオペラは、聴くだけでも、充分に楽しめます。「オペラ名盤選」の一つとして出たCDですが、音も良く、美しい演奏です。キングの歌うサムソンは、力強く、充実した量感と輝かしさを併せ持つ、まさに、ヘルデンテノールで、爽快感があります。ルートヴィヒのデリラは、繊細な表現が上手く、表情の豊かさで聴かせてくれます。パタネも、エキゾチックなこのオペラ独特の雰囲気をよく伝えていて、歌手、オケともに水準の高い演奏だと思います。対訳はパソコン用データとしてディスクに収録。
キャスト:サムソン/キング(T)、デリラ/ルートヴィヒ(MS)、ダゴンの大祭司/ヴァイクル(Br)、アビメレク/マルタ(Bs)、老ヘブライ人/コーゲル(Bs)。
宗教曲のように荘厳な合唱や、美しい管弦楽が挿入されたこのオペラは、聴くだけでも、充分に楽しめます。「オペラ名盤選」の一つとして出たCDですが、音も良く、美しい演奏です。キングの歌うサムソンは、力強く、充実した量感と輝かしさを併せ持つ、まさに、ヘルデンテノールで、爽快感があります。ルートヴィヒのデリラは、繊細な表現が上手く、表情の豊かさで聴かせてくれます。パタネも、エキゾチックなこのオペラ独特の雰囲気をよく伝えていて、歌手、オケともに水準の高い演奏だと思います。対訳はパソコン用データとしてディスクに収録。
芸術家の家―作品の生まれる場所
「作品の生まれる場所」という副題は、ちょっと大げさですね。
有名になってから購入された場合も多く、必ずしも、若かりし頃や、代表作が生み出された家というわけではありません。
図面はなく、整えられた部分だけが写されて、家の全体像はわかりませんし、<ギュスターヴ・モロー>の家を筆頭として、“生活感”の乏しい家もあります。
<アンドレ・ドラン>や、<ローザ・ボヌール>については、ほぼアトリエのみです。
過大な期待はせず、「“展示物”として整えられた、芸術家の元住居」という認識でいた方が良さそうです。
とはいえ、芸術家の“人となり”は、確実に反映されているはずで、作品を重層的に眺めることを可能にしてくれる、好著であることは疑いありません。
例えば、今後、本書で得た知識を抜きに、マグリットの絵を見ることは、私には難しいです。
モローやモネやアンソールの場合も、この家で傑作が生まれたことは間違いない。
写真もステキで、穏やかな空気感が伝わってきます。
テキストは、芸術家の生涯のダイジェストが中心ですが、モリスやミュッシャの記述は、けっこう詳細です。
なるべく紹介している家と、からめようとしている感じです。
<モネ>のジヴェルニーの家は、内装は月並みな感じですが、外の自然から心地よい風がフワっと入ってくるような、スッキリとした静寂な環境に見えます。
グルメだったようで、鍋の写真もあります。
壁に掛かった大量の浮世絵は、歌麿や写楽の一級品だけでなく、明治時代の錦絵っぽいのもある印象。
ただ、展示の仕方に“場違い”感があり、実際にこのように飾っていたとは、ちょっと思えませんが。
<アンソール>のオステンドの家を見ることができるのは、とても素晴らしい。
1階には土産物屋があり、客間には「キリストのブリュッセル入城」のレプリカが、どーんと飾ってあります。
絵によく出てくるような、“仮面”や“骸骨”も写っています。
音楽好きのアンソールが使った、リードオルガンもあります。
(陶器の壺の後ろの鏡に、カメラマンが映っているのは、ご愛敬でしょう。)
<ウイリアム・モリス>では、ロセッティと共同でケルムスコットに借りた、カントリーハウスが紹介されます。
モリスの妻ジェーンをめぐる、奇妙な三角関係の舞台のようです。
壁紙、カーテン、椅子の布地などは、すべてモリスのデザインでしょう。
色あせていますが、豪華なタペストリーが、何枚も掛けられています。
<ミュッシャ>のプラハに復元された家の内部は、美しくもゴタゴタした感じ。
アンティークのショップのような印象です。
<デ・キリコ>の後半生の家は、ローマのスペイン広場に面しており、“ゴキブリだらけ”のアパルトマンを、立派に改装しています。
<マグリット>が、パリからブリュッセルに戻って、24年住んだ家はとても面白い。
狭くて、殺風景で、平凡・・・。絵は、食堂で描いていたそうです。
いわく、「マグリットは物質的には本当にわずかなもので満足していた。」
生活がシュールだったのではなく、頭の中がシュールだったのですね。
その他、<ガブリエーレ・ミュンター>が、カンディンスキーと共に暮らした、ムルナウの“「青騎士」の聖地”の家などがあります。
有名になってから購入された場合も多く、必ずしも、若かりし頃や、代表作が生み出された家というわけではありません。
図面はなく、整えられた部分だけが写されて、家の全体像はわかりませんし、<ギュスターヴ・モロー>の家を筆頭として、“生活感”の乏しい家もあります。
<アンドレ・ドラン>や、<ローザ・ボヌール>については、ほぼアトリエのみです。
過大な期待はせず、「“展示物”として整えられた、芸術家の元住居」という認識でいた方が良さそうです。
とはいえ、芸術家の“人となり”は、確実に反映されているはずで、作品を重層的に眺めることを可能にしてくれる、好著であることは疑いありません。
例えば、今後、本書で得た知識を抜きに、マグリットの絵を見ることは、私には難しいです。
モローやモネやアンソールの場合も、この家で傑作が生まれたことは間違いない。
写真もステキで、穏やかな空気感が伝わってきます。
テキストは、芸術家の生涯のダイジェストが中心ですが、モリスやミュッシャの記述は、けっこう詳細です。
なるべく紹介している家と、からめようとしている感じです。
<モネ>のジヴェルニーの家は、内装は月並みな感じですが、外の自然から心地よい風がフワっと入ってくるような、スッキリとした静寂な環境に見えます。
グルメだったようで、鍋の写真もあります。
壁に掛かった大量の浮世絵は、歌麿や写楽の一級品だけでなく、明治時代の錦絵っぽいのもある印象。
ただ、展示の仕方に“場違い”感があり、実際にこのように飾っていたとは、ちょっと思えませんが。
<アンソール>のオステンドの家を見ることができるのは、とても素晴らしい。
1階には土産物屋があり、客間には「キリストのブリュッセル入城」のレプリカが、どーんと飾ってあります。
絵によく出てくるような、“仮面”や“骸骨”も写っています。
音楽好きのアンソールが使った、リードオルガンもあります。
(陶器の壺の後ろの鏡に、カメラマンが映っているのは、ご愛敬でしょう。)
<ウイリアム・モリス>では、ロセッティと共同でケルムスコットに借りた、カントリーハウスが紹介されます。
モリスの妻ジェーンをめぐる、奇妙な三角関係の舞台のようです。
壁紙、カーテン、椅子の布地などは、すべてモリスのデザインでしょう。
色あせていますが、豪華なタペストリーが、何枚も掛けられています。
<ミュッシャ>のプラハに復元された家の内部は、美しくもゴタゴタした感じ。
アンティークのショップのような印象です。
<デ・キリコ>の後半生の家は、ローマのスペイン広場に面しており、“ゴキブリだらけ”のアパルトマンを、立派に改装しています。
<マグリット>が、パリからブリュッセルに戻って、24年住んだ家はとても面白い。
狭くて、殺風景で、平凡・・・。絵は、食堂で描いていたそうです。
いわく、「マグリットは物質的には本当にわずかなもので満足していた。」
生活がシュールだったのではなく、頭の中がシュールだったのですね。
その他、<ガブリエーレ・ミュンター>が、カンディンスキーと共に暮らした、ムルナウの“「青騎士」の聖地”の家などがあります。
ランバン ルメール2 ローズ オーデパルファム 4.5ml【HTRC3】
気分や季節によって香水は普段から使い分けてますが、この香水はもっともお気に入りのうちの一つです。
確かめなかった私も悪いんですが、届いた香水は思ってたより小さくてサンプルみたいで割高感がありました。
でもミニサイズがカワイイので★4つです。たとえ旅行でもお気に入りの香りを持っていかないと、何か忘れ物したような気分になりますから。
確かめなかった私も悪いんですが、届いた香水は思ってたより小さくてサンプルみたいで割高感がありました。
でもミニサイズがカワイイので★4つです。たとえ旅行でもお気に入りの香りを持っていかないと、何か忘れ物したような気分になりますから。
空想の音楽会(28)
このCDには、現在のベルギーで作曲された、バロックから古典派までの作品から4作が収められている。
ファン・ヘルモントとドゥ・クルースはバロック・スタイルの協奏曲(特にファン・ヘルモントはヴィヴァルディの作風によく似ている)、ファン・マルデレはマンハイム楽派の影響を受けた前古典派の交響曲である。グレトリはフランスのオペラ・コミックの大家だが、同時代人ということでここに入っている。
どれも傑作だと思う。他の有名作曲家の曲に比べてもまったく遜色ないほど。
演奏者も十分に高水準だ。
ファン・ヘルモントとドゥ・クルースはバロック・スタイルの協奏曲(特にファン・ヘルモントはヴィヴァルディの作風によく似ている)、ファン・マルデレはマンハイム楽派の影響を受けた前古典派の交響曲である。グレトリはフランスのオペラ・コミックの大家だが、同時代人ということでここに入っている。
どれも傑作だと思う。他の有名作曲家の曲に比べてもまったく遜色ないほど。
演奏者も十分に高水準だ。