海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)
「誰にも言ってはいけないよ」
そのプレッシャーが、知ってしまった人の心に
どんなに重くのしかかることか。
それが生死にかかわることなら、なおのこと。
鎌倉という舞台で、
すずちゃんを中心にとても密接な人間関係が交差している。
登場人物同士が、5巻に入って、またぐっと近づきあっている。
近いのに。近いから。
言いたくても、言えない。
言えたら、どんなに楽だろう。
一方で、言いたいことを言えよ。
言ってくれよ。
という思いに答えて、言えたことで、
またぐっと近づくゆうやとふうたの友達関係。
事情が変わってふうたに話せるようになったすずの、安心した笑顔に、
読んでいるこちらも気持ちがほっとしてしまう。
また、すずちゃんを産んだお母さんの気持ち。
自分は大切に思ってもらえていたんだ、
ということがわかった時の、つるーっと流れる涙と笑顔にも
読んでいて胸がきゅっとさせられてしまう。
苦しさ。切なさ。やるせなさ。ありがとうの気持ち。
忘れないよ、という思い。
きらきらと海の風に光りを浴びて輝く、細く、ゆれるような感情の糸を、
吉田秋生はなんと上手に表現することでしょう。
この人、すごい。
満足する読後感です。
そのプレッシャーが、知ってしまった人の心に
どんなに重くのしかかることか。
それが生死にかかわることなら、なおのこと。
鎌倉という舞台で、
すずちゃんを中心にとても密接な人間関係が交差している。
登場人物同士が、5巻に入って、またぐっと近づきあっている。
近いのに。近いから。
言いたくても、言えない。
言えたら、どんなに楽だろう。
一方で、言いたいことを言えよ。
言ってくれよ。
という思いに答えて、言えたことで、
またぐっと近づくゆうやとふうたの友達関係。
事情が変わってふうたに話せるようになったすずの、安心した笑顔に、
読んでいるこちらも気持ちがほっとしてしまう。
また、すずちゃんを産んだお母さんの気持ち。
自分は大切に思ってもらえていたんだ、
ということがわかった時の、つるーっと流れる涙と笑顔にも
読んでいて胸がきゅっとさせられてしまう。
苦しさ。切なさ。やるせなさ。ありがとうの気持ち。
忘れないよ、という思い。
きらきらと海の風に光りを浴びて輝く、細く、ゆれるような感情の糸を、
吉田秋生はなんと上手に表現することでしょう。
この人、すごい。
満足する読後感です。
ハンチョウ~警視庁安積班~ シリーズ5 DVD-BOX
作品最初は戸惑った、キャストの変更も、これはこれでありです。
ハンチョウに違いはないのだから。
ヒロインが、黒谷友香から比嘉愛未に変わったのも、個人的には嬉しい。
比嘉さんのが、ハンチョウを上手く使いこなしているし、懐に入り込むのが早かった。
安積班長さんも念願の再婚もありかな… 娘さんも、しっかり成長しているし、次は自分の幸せも考えないとね。
また、ストーリー的にも広がるんじゃないだろうか。。
ハンチョウに違いはないのだから。
ヒロインが、黒谷友香から比嘉愛未に変わったのも、個人的には嬉しい。
比嘉さんのが、ハンチョウを上手く使いこなしているし、懐に入り込むのが早かった。
安積班長さんも念願の再婚もありかな… 娘さんも、しっかり成長しているし、次は自分の幸せも考えないとね。
また、ストーリー的にも広がるんじゃないだろうか。。
海街diary(うみまちダイアリー)6 四月になれば彼女は (フラワーコミックス)
素晴らしかった。
特にこの巻のタイトルでもある「四月になれば彼女は」は秀逸。
人との繋がり。選択ができるという恵まれた環境。
子どものときに当たり前のように教育を受けられた。暖かいご飯が出てくる幸せ。
時間があって余裕があるときには選択ができる。それは皆に与えられたものではない。
それは大人でも子どもでも同じこと。
毎巻毎巻人間関係の成長や、人物の成長、感情が丁寧に書かれていて読み終わるのが勿体ないと思ってしまう愛おしい一冊。
34歳の私ですが今読むからこそ、登場人物の台詞が響くのだろう。
この本は大人に是非読んでもらいたい。
特にこの巻のタイトルでもある「四月になれば彼女は」は秀逸。
人との繋がり。選択ができるという恵まれた環境。
子どものときに当たり前のように教育を受けられた。暖かいご飯が出てくる幸せ。
時間があって余裕があるときには選択ができる。それは皆に与えられたものではない。
それは大人でも子どもでも同じこと。
毎巻毎巻人間関係の成長や、人物の成長、感情が丁寧に書かれていて読み終わるのが勿体ないと思ってしまう愛おしい一冊。
34歳の私ですが今読むからこそ、登場人物の台詞が響くのだろう。
この本は大人に是非読んでもらいたい。
櫻の園 [VHS]
今後どれだけ名作映画が作られようと、必ず自分の中のベスト3に止めておきた
い作品。青春映画の金字塔だ。4話構成だった吉田秋生の原作を、うまく一つにまとめ上げ、
原作を越える深さを作り出している。
この映画の中で重要なのは、起きている事件の顛末ではなく、演劇部を構成する
少女達の動き。高校生の頃、誰もが感じただろう将来への期待や不安、現在の自
分との葛藤、それぞれの少女達の姿を通して、誰もが持つ「記憶の匂い」を呼び
覚ましてくれる。
ただ一つ惜しいのは、冒頭部において、2年生部員城丸と、その彼氏らしきしょぼい男の
演技が最低なこと。その直後に登場する、部長役の中島ひろ子の神業的な演技と、
その他の少女達の自然な演技により映画は復活するので、冒頭だけを見て見切りをつけ
るようなことが無いようにしていただきたい。
(仕切屋っぽい生意気な女子高生役の役作りも少しクドいが、まあ許せる範囲)
い作品。青春映画の金字塔だ。4話構成だった吉田秋生の原作を、うまく一つにまとめ上げ、
原作を越える深さを作り出している。
この映画の中で重要なのは、起きている事件の顛末ではなく、演劇部を構成する
少女達の動き。高校生の頃、誰もが感じただろう将来への期待や不安、現在の自
分との葛藤、それぞれの少女達の姿を通して、誰もが持つ「記憶の匂い」を呼び
覚ましてくれる。
ただ一つ惜しいのは、冒頭部において、2年生部員城丸と、その彼氏らしきしょぼい男の
演技が最低なこと。その直後に登場する、部長役の中島ひろ子の神業的な演技と、
その他の少女達の自然な演技により映画は復活するので、冒頭だけを見て見切りをつけ
るようなことが無いようにしていただきたい。
(仕切屋っぽい生意気な女子高生役の役作りも少しクドいが、まあ許せる範囲)
海街diary 6 四月になれば彼女は (flowers コミックス)
映画化も決まった「海街」の6巻目。実写になりそうな作品とは思ってましたが、こんなに早くとは思っていませんでした。
作品の内容は、他の方々が詳しく書いてらっししゃるので、自分が読んでいて感じる事を書きます。
この話を読んでいると、いつも「高慢と偏見」や「分別と多感」を書いた女流作家、オースティンの「田舎が舞台で3、4の家庭があれば小説は書ける」という名言を思い出します。(鎌倉が田舎と言っているわけではありません、念のため)
ですが、これはとても難しい事です。大事件が起こるわけではないわけですから。
淡々とした日常を描いて、それを「読ませる」には、鋭い人間観察と、巧みな心理描写がなければ、とても退屈なものになってしまいます。
「海街」は、静かに、淡々と、それでいてキャラクターをゆっくりと深く掘り下げて描いています。この作品を読むと鎌倉に住みたくなります。吉田秋生先生、すごいな、といつも脱帽しています。
メインの4姉妹だけでなく、サブキャラクターも魅力的。というか、この作品の男性キャラはいぶし銀のような渋い魅力があります。中学生の風太も含めて(笑)今は、坂下課長の過去が気になります。「ハゲタカ」の主人公のような辛い過去があるんじゃないか、と気になっています。最初に登場した時は、お人好しなノー天気キャラだと思っていたのに…。佳乃じゃないけど「こんなはずじゃなかった」です。
次の巻が出るのは一年以上先だと思いますが、楽しみに待っています。自分が想像している以上にクオリティの高い話を読ませてくれる、と思えるからです。
作品の内容は、他の方々が詳しく書いてらっししゃるので、自分が読んでいて感じる事を書きます。
この話を読んでいると、いつも「高慢と偏見」や「分別と多感」を書いた女流作家、オースティンの「田舎が舞台で3、4の家庭があれば小説は書ける」という名言を思い出します。(鎌倉が田舎と言っているわけではありません、念のため)
ですが、これはとても難しい事です。大事件が起こるわけではないわけですから。
淡々とした日常を描いて、それを「読ませる」には、鋭い人間観察と、巧みな心理描写がなければ、とても退屈なものになってしまいます。
「海街」は、静かに、淡々と、それでいてキャラクターをゆっくりと深く掘り下げて描いています。この作品を読むと鎌倉に住みたくなります。吉田秋生先生、すごいな、といつも脱帽しています。
メインの4姉妹だけでなく、サブキャラクターも魅力的。というか、この作品の男性キャラはいぶし銀のような渋い魅力があります。中学生の風太も含めて(笑)今は、坂下課長の過去が気になります。「ハゲタカ」の主人公のような辛い過去があるんじゃないか、と気になっています。最初に登場した時は、お人好しなノー天気キャラだと思っていたのに…。佳乃じゃないけど「こんなはずじゃなかった」です。
次の巻が出るのは一年以上先だと思いますが、楽しみに待っています。自分が想像している以上にクオリティの高い話を読ませてくれる、と思えるからです。