黒澤 明 ドラマスペシャル 天国と地獄 [DVD]
この映画の中に印象的な科白(せりふ)が有る。それは、主人公(三船敏郎)が、当初は利用する積もりに過ぎなかった公団総裁の娘(香川京子)に愛情を抱いてしまった際、同志(加藤武)の前で口にするこの科白である。−−「悪を憎むと言ふのは、大変な事だ。・・・」
この映画は、公開当時、批評家からは高い評価を受けなかった様である。黒澤明監督の賛美者である佐藤忠男氏なども、この映画には少々批判的である。(佐藤忠男『黒沢明の世界』三一書房・1969年参照)そんな中で、異色の映画評論家として知られた小川徹(1914〜1989)は、この映画を高く評価した。小川徹によれば、この作品は、悪に対して抵抗を試みる抵抗者と、悪との戦ひなどしようとしない平和愛好的な大衆が、いかに共存するか?と言ふテーマを描いて居ると言ふのである。(小川徹『日本映画作家論』三一書房・1965年参照)悪に戦いを挑む抵抗者と、悪を恐れ、戦ふ事を躊躇する大衆の対立と言ふ図式は、『七人の侍』にも見られる構図であるが、黒沢作品に流れるこうしたテーマ−−抵抗者と大衆はいかに対立し、共存するか?−−に着目した小川徹の視点は、実に秀逸であった。
ところで、私の知人で、政界に詳しい人が、こんな事を言った事が有る。−−「政界って、本当に人が死ぬからね。『悪い奴ほどよく眠る』みたいな事が本当に有るからね。」−−恐ろしい話である。映画の最後に掛かって来るあの電話は、何処から掛かって来たのだろうか?・・・・・
(西岡昌紀・内科医)
この映画は、公開当時、批評家からは高い評価を受けなかった様である。黒澤明監督の賛美者である佐藤忠男氏なども、この映画には少々批判的である。(佐藤忠男『黒沢明の世界』三一書房・1969年参照)そんな中で、異色の映画評論家として知られた小川徹(1914〜1989)は、この映画を高く評価した。小川徹によれば、この作品は、悪に対して抵抗を試みる抵抗者と、悪との戦ひなどしようとしない平和愛好的な大衆が、いかに共存するか?と言ふテーマを描いて居ると言ふのである。(小川徹『日本映画作家論』三一書房・1965年参照)悪に戦いを挑む抵抗者と、悪を恐れ、戦ふ事を躊躇する大衆の対立と言ふ図式は、『七人の侍』にも見られる構図であるが、黒沢作品に流れるこうしたテーマ−−抵抗者と大衆はいかに対立し、共存するか?−−に着目した小川徹の視点は、実に秀逸であった。
ところで、私の知人で、政界に詳しい人が、こんな事を言った事が有る。−−「政界って、本当に人が死ぬからね。『悪い奴ほどよく眠る』みたいな事が本当に有るからね。」−−恐ろしい話である。映画の最後に掛かって来るあの電話は、何処から掛かって来たのだろうか?・・・・・
(西岡昌紀・内科医)
恋人よ [DVD]
個人的には鈴木保奈美さんの代表作といっても過言ではないと思っています。一番美しかったときの保奈美さんが最高の涙を見せてくれます。
ストーリーは到底ありえないようなシチュエーションですが、野沢さんの脚本のおかげでどんどん引き込まれていきます。風景、音楽、配役すべてがドラマにマッチして見ごたえありますよ。
DVD化を心待ちにしていました!
ストーリーは到底ありえないようなシチュエーションですが、野沢さんの脚本のおかげでどんどん引き込まれていきます。風景、音楽、配役すべてがドラマにマッチして見ごたえありますよ。
DVD化を心待ちにしていました!
LEADERS リーダーズ [DVD]
破壊ではなく創生で勝て!軍事ではなく技術や経済で勝て!
という熱気が伝わってくる作品。
そして、そのテーマを(脚色した一面があったとしても)綺麗ごとで済まさずに描いてくれました。
誰もが戦争で苦い体験を負い、戦後復興の中で新しい時代に向けて立ち上がろう足掻く。
そんな人々の間でも生き残りをかけたせめぎ合いが起こる。作品カラーは違うものの、
主演である佐藤浩市氏の父・三国廉太郎氏が出演した「飢餓海峡」を思い出してしまいました。
佐藤氏の他にも「半沢」とは異なる銀行員(それでいて単なるイイ人ではない)を演じた香川氏や
総裁役の中村氏など実力派俳優達が当時の人々の情熱が乗り移ったような熱演を発揮しており見ごたえがありました。
という熱気が伝わってくる作品。
そして、そのテーマを(脚色した一面があったとしても)綺麗ごとで済まさずに描いてくれました。
誰もが戦争で苦い体験を負い、戦後復興の中で新しい時代に向けて立ち上がろう足掻く。
そんな人々の間でも生き残りをかけたせめぎ合いが起こる。作品カラーは違うものの、
主演である佐藤浩市氏の父・三国廉太郎氏が出演した「飢餓海峡」を思い出してしまいました。
佐藤氏の他にも「半沢」とは異なる銀行員(それでいて単なるイイ人ではない)を演じた香川氏や
総裁役の中村氏など実力派俳優達が当時の人々の情熱が乗り移ったような熱演を発揮しており見ごたえがありました。