第二期の「横溝正史シリーズ」になると原作が枯渇したのか戦前の由利麟太郎物から二編（本作と「仮面劇場」)を金田一物に脚色して映像化している。

原作は「本陣殺人事件」に始まる本格探偵小説よりも、戦前正史が得意としていた草双紙的な怪奇趣味が勝った内容であり、本作の映像もそれに合わせた耽美的なものとなっている。

今となればやや荒唐無稽なトリックも丁寧な時代描写や雰囲気つくりで、気にならないどころか、再見しても慄然たる怪奇を味わうことができるのは、当時の製作スタッフの情熱の賜物だろう。
茶木みやこによる主題歌「アザミのごとく棘あれば」は阿久悠の詞も素晴らしい名曲。

いまやドラゴンアッシュの降矢くんのお父さんとしても有名な一行さんだけど、若いころは「ドリンカーズ」というバンドをやっていたとか。バラードは中々聴かせます。
地味な俳優さんからブレイクした頃の絶頂期のファーストアルバムがヒットして、以後のアルバムとのベスト編集かなという選曲だけど、ファーストアルバムのタイトルだった、「いい忘れたさよなら」を「入れ忘れてる」のが残念。

かつてずいぶんお世話になった「地球の歩き方」にこんなシリーズができたんだなぁ、と思いながら読んでみました。

ナスカの地上絵だけで一冊なのだから、情報はもちろん充実。
もっとも、大きなカラー写真を見せるといったページが多く、旅行情報というより、「行かずに楽しむ」という要素のほうが強い気がする。
そういう意味では読みやすく、ビジュアルも効果的で、良書だと思います。

ああ、ナスカに行きたい・・・という旅情を掻き立てる一冊です。