駅弁は雑誌やテレビで手を変え品を変え何度も紹介されているので、今更書籍で出されても発見などないと思っていた。しかし、この本はすべてが発見だった。まず、筆者のイラストで描かれる
駅弁は、写真や映像にはない魅力がある。写真や映像だと頭の中の認知機能が働き「ああ、あれね」と妙に悟った気分になりそれでおしまいなのだが、このイラストは「あれ、これってどんなんだっけ?」と想像力を刺激され、実物をゲットしたくなっている自分に気づくのである。そして、イラストに添えられた短い文章。実際に筆者が堪能したことが伝わる内容で、これがまたそそられる。「
駅弁女子のいあわせ旅行」の項は、旅ガイドとしても秀逸。付録のようについている「
駅弁容器再利用術」は「女子」ならではのおすすめだろうが、それぞれに独特のセンスがあってうれしい。復古だるま弁当の容器を使った「蚊取りだるま」はこの夏にぜひ試したいと思った。とにかく、いろいろと行動に駆り立てられる1冊である。