Best of Anita Baker
2002年にリリースされた、Anitaにとって初のベストアルバム。
一部収録曲が違うUS盤とEurope盤が存在しており、前者は年代順に、後者はそれに関係なく曲が収録されている(ちなみに日本盤はEurope仕様)。9のみWinansの作品に客演した時のもので(ゴルペル感覚あふれる優れた1曲)、それ以外は過去5枚のアルバムからバランスよく選択されている。
Chapter 8時代の名唱やHoward Hewettと歌った曲などが入ってないのは減点だが、それを差し引いても余りある充実したベストだと思う。音質面に関してもRhinoの仕事だけにまったく問題ない。
コンテンポラリーなR&Bが好きな人にはおすすめな一枚だ。
一部収録曲が違うUS盤とEurope盤が存在しており、前者は年代順に、後者はそれに関係なく曲が収録されている(ちなみに日本盤はEurope仕様)。9のみWinansの作品に客演した時のもので(ゴルペル感覚あふれる優れた1曲)、それ以外は過去5枚のアルバムからバランスよく選択されている。
Chapter 8時代の名唱やHoward Hewettと歌った曲などが入ってないのは減点だが、それを差し引いても余りある充実したベストだと思う。音質面に関してもRhinoの仕事だけにまったく問題ない。
コンテンポラリーなR&Bが好きな人にはおすすめな一枚だ。
Giving You the Best I Got
1980年代に突如彗星の如く現れ,『ラプチュアー』,『ギヴィング・ユー・ザ・ベスト』,『コンポジションズ』の三枚で一時代を築いた人物。それがアニタ・ベイカー女史である。
艶めかしく《しな》を作るクセの強い歌い回しで,ヴォーカリストとしてはややB級グルメ的な傾向が強かった彼女は,クセのないホイットニー嬢のように,アイドル然とした売れ方はしなかった。しかし,自らペンを執って凝ったオリジナルを書き,ジャズ屋を贅沢に配して丁寧に作品を創り込むトータルな才能は,歌の上手なアイドル(偶像)に過ぎなかったホイットニーを遙かに上回るものであった。一聴それと分かる名匠パウエルの見事なサウンド・プロダクションと,本人の周到な作曲センスが幸福に噛み合ったアダルトな音は,のちに《クワイエット・ストーム》なるサブカテゴリを確立するほど,透徹した独自の世界を誇るものだった。
本盤は「ラプチュアー」の成功を受けて発表されたメジャー第三作。数百万枚を売り,アルバムとしても捨て曲無く大変良くできている。ここでも,他人の提供曲でヒットもしたはずの《Just because》を,他の楽曲と比べてみて欲しい。サビの旋律が隠しようもなく上滑りしていることに,どなたもお気づきになるはずである。
艶めかしく《しな》を作るクセの強い歌い回しで,ヴォーカリストとしてはややB級グルメ的な傾向が強かった彼女は,クセのないホイットニー嬢のように,アイドル然とした売れ方はしなかった。しかし,自らペンを執って凝ったオリジナルを書き,ジャズ屋を贅沢に配して丁寧に作品を創り込むトータルな才能は,歌の上手なアイドル(偶像)に過ぎなかったホイットニーを遙かに上回るものであった。一聴それと分かる名匠パウエルの見事なサウンド・プロダクションと,本人の周到な作曲センスが幸福に噛み合ったアダルトな音は,のちに《クワイエット・ストーム》なるサブカテゴリを確立するほど,透徹した独自の世界を誇るものだった。
本盤は「ラプチュアー」の成功を受けて発表されたメジャー第三作。数百万枚を売り,アルバムとしても捨て曲無く大変良くできている。ここでも,他人の提供曲でヒットもしたはずの《Just because》を,他の楽曲と比べてみて欲しい。サビの旋律が隠しようもなく上滑りしていることに,どなたもお気づきになるはずである。