良質なドラマCDを探しているなら、これを聞かない手はありませんよ。
シリーズ物だし原作アニメ見ていないし、、、と、躊躇する必要はありません。
ミンキーモモとの出会いがこのCDだったとしても、全然おかしくはないはずです。
原作は、ご存知大人気アニメ(だった)「ミンキーモモ 夢を抱きしめて」ですが、
原作の話は基本は一話完結型なので作品を全く見たことない人でも、
主人公(モモ)が魔法で大人に変身する物語なんだと理解しておけば、
老若男女どんな人でも楽しめると思います。
このCDは、モモと盲目の画家 ミシェルの恋】を描いた
とても優しくて切ないオリジナルドラマCDです。
(ストーリー・ネタバレ有)
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モモは魔法で大人に変身し、近場で開かれる若手気鋭・盲目の画家ミシェルの個展に参加する。
そこで偶然、画家ミシェルと出会う。
それまで、人の居ない寂しい絵をずっと書き続けてきたミシェルだが
モモと出会う事によって感化され人の居る絵を書きたいと願うようになる。
そして、モモに「モデルになって欲しいんだ」と、お願いをする。
「始めて書きたいと思った人の絵を、君の絵を書きたいんだ」と。
そして、完成した絵を見せたいから絵が完成するまでは見ないでくれ。と約束を交わす。
その後、モモはモデルとしてミシェルのアパートに通うようになる。
口数は少なく少しの会話と、筆をキャンパスに走らせる音だけが響く。
その時間が心地良く、モモもミシェルに心を惹かれていく。
そして、ようやくミシェルの描いた絵が完成する。
(ネタバレ続く)
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ミシェルは、モモに完成した絵を見て欲しい。と、お願いするが、
モモは自分の中のある葛藤に気付いてしまう。
ミシェルの描いてくれた絵は今のモモ?
それとも魔法で変身した大人のモモ?
(見たいけど、見たくない。。。見るのが、こわい。)
絵を見たあと、2人の関係はどうなってしまうのか?
モモは絵を見ることを拒み。
間も無く二人は離ればなれになってしまう。
暫くして、モモを描いたその絵が認められ、ミシェルは人気画家となっていく。
人気画家となったミシェルは、
そのお金で、盲目の目を治したい。
そして見えるようになった目で、もう一度モモを描きたいと熱望し、
モモを探しているという。
新聞に載る程の人気になり、
近くでミシェルの個展が開催する事を知ったモモは
やっぱりミシェルが書いてくれた、あの絵が見たいと個展に忍びこむが、、、
はたしてミシェルの書いたモモの姿とは、、、?
ミシェルはモモに気付くのか、、、?
・・・続きは、ドラマCDでお楽しみ下さい!笑
もちろん、登場人物はモモとミシェル以外にも、
パパ、ママ、マリンナーサ(モモの産まれた魔法の国)の国王と妃、
仲間のクックブック(
犬)ルピピ(鳥)チャーモ(猿)も登場し場面を盛り上げます。
暴露した内容を見てもらえば解るように、特別、楽しい物語でもなく、
むしろ静か過ぎるぐらい静かで、切ないストーリーです。
ビジュアル(絵)が無い分、声優の凄さがより際立ちます。
声の掛け合いで魅せるシーンは少なくどちらかというと、ソロパートの応酬、といった感じで魅せてくれます。
だからこそ一人一人の声優の表現というものが、より浮き彫りになっています。
林原めぐみの声の使い分け(12才のモモ、18才のモモ)は
あいかわらず流石でアニメより、若干ナイーブで恋に揺れる女心を上手く表現出来ていると思います。
●今回突筆すべき点は、今回の作品のゲスト声優でもある、
ミシェル役の松本保典さん。
あまり声優に興味を持てなかった僕に、興味を与えてくれた人になりました。
彼のYouTube(サンプルページ)にて、多彩な声の表現を聞けますが
このミシェル役に近い声を演じたものは見つかりませんでした。残念。
僕は彼が出すこの声が1番、爽やかで清潔感があり素敵に感じます。
僕も、あんな優しく素敵な声になりたい〜。と思わずにいられません。笑
ドラマの合間あいまに挿入される、林原めぐみさんや、岡崎律子さんの歌も
少し切なく優しい歌で、物語を盛り上げるのに成功しています。
この作品が僕が聞いた始めての本格派?ドラマCDであり、このジャンルの作品の楽しさ、可能性、
声のやり取りだけでも楽しませる事が出来るという事実を教えてくれた記念すべき大切な一枚になりました。
・・・それは、もう10年以上前のことです。
それでもまだ、この作品が伝えてくれた「想い」を今も覚えているし、
それを伝えたくて今更ながら、レビューを執筆しました。
こんなに素敵なドラマCDがあるのなら、何年かかってでも見つけ出したい。
そう思えるドラマCDでした。
ドラマCDが好き、または
素敵なドラマCDを探しているという人には、僕が自信を持って激しくお勧めします。
また、あなたのお勧めなどもあれば、こっそりと教えて下さい。(笑)
誰も取り上げないけど、
取り上げない、イコール、良い作品じゃない。
という思い込みを壊せる作品だと言えるでしょう。
この作品を埋もれたままにしておくのは少しばかりもったいない。
という気がしてなりません。
モモ好きな人へ、
53話:「走れ夢
列車」も凄く素敵なストーリーで、僕の中では1番の
タイトル(内容)でしたが、
(※ この
タイトルは、実在の人物をモチーフに、追悼の意を込められて作成された回だったらしいです。)
【知らない人への簡単なストーリーの解説:
自分が作りかけのアニメを完結させる事、それを夢見て果たせぬまま亡くなった、アニメーターの話。
内容はアニメーターが作りたいと夢見た作品の主人公、少女ルーが、モモそっくりだった事から始まる。
死期の近づいたアニメーターは、作りたかったアニメの夢を見る。モモはその主人公ルーになりきろうとする。
だが、その夢の中に、本当の主人公のルーが現れて、、、という展開です。】
挿入歌の小森まなみ「魔法のシグナル」も最高の歌でした。(><)
♪〜Dear Friend 忘れないでいてね、あなたは手のひらに 未来を持っているの〜♪たまに口ずさみます。笑
このストーリー(ドラマCD)も、それに劣らず本当に秀逸です。
普段、明るい話ばかりの中に、たまにこんな重厚な話が時折あるのが
ミンキーモモという作品においてのアクセントになっているし、コンセプトの良さでもありますよね。
モモが好きでこのCDを聞いてないのは、絶対損ですよ。
あまり、表立って取り上げられる事の無い作品だから是非この機会に聞いてみて下さい。
あなたも、きっとクオリティーの高さに驚くはずです。