ワースト (1)
最初に読んだのは、はっきり何時かも分からないくらい昔々の事。
断片的な幾つかのシーンくらいしか憶えていませんでしたが、それでも妙に緊迫感のあるストーリーだったことは記憶にありました。
今回、改めて読み直してみての感想は・・・こんなにも予想を裏切る展開だったのか!という驚きでした。
主役級の人物が次々に交代し、さらには世代を超えて続いていく物語。
いよいよ最終的な決着へ向かうかと思われたときに、予想もしない運命が訪れる・・・。
ワーストマンの襲撃に備える為にビルに立てこもるシーンは、ゾンビものの映画を髣髴とさせるような描写ですが、緊迫感や迫力では遥かに上回っています。
何しろ死んだワーストマンからも、あんなものが・・・!
今となっては、ワーストマンについての設定に詳細さが欠ける感じはしますが、何しろ時代が時代ですから、それは仕様がないでしょう。
手塚治虫が開いた「少年SF漫画」という王道を真っ直ぐに歩んだ、隠れた傑作です。
断片的な幾つかのシーンくらいしか憶えていませんでしたが、それでも妙に緊迫感のあるストーリーだったことは記憶にありました。
今回、改めて読み直してみての感想は・・・こんなにも予想を裏切る展開だったのか!という驚きでした。
主役級の人物が次々に交代し、さらには世代を超えて続いていく物語。
いよいよ最終的な決着へ向かうかと思われたときに、予想もしない運命が訪れる・・・。
ワーストマンの襲撃に備える為にビルに立てこもるシーンは、ゾンビものの映画を髣髴とさせるような描写ですが、緊迫感や迫力では遥かに上回っています。
何しろ死んだワーストマンからも、あんなものが・・・!
今となっては、ワーストマンについての設定に詳細さが欠ける感じはしますが、何しろ時代が時代ですから、それは仕様がないでしょう。
手塚治虫が開いた「少年SF漫画」という王道を真っ直ぐに歩んだ、隠れた傑作です。
命(MIKOTO) (ジャンプスーパーコミックス)
終末SFの傑作『ワースト』で知られる小室氏が1978年に少年ジャンプ誌上に発表したオカルト・アクションです。
絵は師匠手塚治虫氏にそっくりですが、実は微妙な表情の描き分けで若干固い所が有り(特に命の母親の眼が死んでいる)、1978年当時でも斬新なオカルト作品の絵としては古臭く感じられ、表紙に描かれた1992年当時のキャラクターデザインで読んでみたかったと思います。
上記絵画上の惜しい点を除けば奇抜なイメージが実に豊富に観られる作品です。
冒頭エピソードで善の化身、主人公「命(MIKOTO)」の誕生を予見した悪側「ヨーロッパ神秘学研究学会」がヘロデ王の如く、新生児を殺しまくるシーンは可愛い丸い絵に似合わぬ残酷さで、さらに放火された病院でただ一人命が生き延びる驚愕の方法も必見です。
善と悪の対決シーンは、特に前半部は単純な肉弾戦では無く、ビジュアル的にも悪は西洋魔術、善は日本密教を基調に解りやすく設定されており、両者の秘術を尽くした呪術戦は見応えが有りました。
悪の結社・第一の刺客が操る分身「ゾロスター」もシンプルかつ不気味な好デザインです。
このゾロスターの襲撃と、第二の刺客「神秘学会支部長」と乳児「命」の守護僧「知念」の呪術合戦が描かれる中盤までがピークで、その後は成長した「命」と悪の王子「哮(たける)」の対決に至るクライマックスまで僅か71頁で終わってしまい、非常に残念でした。
あとがきにて小室氏も機会が有れば同テーマの新作を描きたいと仰っています。
是非21世紀風にリニューアルした内容で、氏の未単行本化のデストピア・レジスタンス物『アウターレック』共々読みたい作品です。
JUMP SUPER ACE版には、氏のSFデビュー読み切り「トワイライトゾーン」31Pが収録されています。
オカルト・アクション漫画の歴史的作品です。同分野がお好きな方にはお薦めです。
絵は師匠手塚治虫氏にそっくりですが、実は微妙な表情の描き分けで若干固い所が有り(特に命の母親の眼が死んでいる)、1978年当時でも斬新なオカルト作品の絵としては古臭く感じられ、表紙に描かれた1992年当時のキャラクターデザインで読んでみたかったと思います。
上記絵画上の惜しい点を除けば奇抜なイメージが実に豊富に観られる作品です。
冒頭エピソードで善の化身、主人公「命(MIKOTO)」の誕生を予見した悪側「ヨーロッパ神秘学研究学会」がヘロデ王の如く、新生児を殺しまくるシーンは可愛い丸い絵に似合わぬ残酷さで、さらに放火された病院でただ一人命が生き延びる驚愕の方法も必見です。
善と悪の対決シーンは、特に前半部は単純な肉弾戦では無く、ビジュアル的にも悪は西洋魔術、善は日本密教を基調に解りやすく設定されており、両者の秘術を尽くした呪術戦は見応えが有りました。
悪の結社・第一の刺客が操る分身「ゾロスター」もシンプルかつ不気味な好デザインです。
このゾロスターの襲撃と、第二の刺客「神秘学会支部長」と乳児「命」の守護僧「知念」の呪術合戦が描かれる中盤までがピークで、その後は成長した「命」と悪の王子「哮(たける)」の対決に至るクライマックスまで僅か71頁で終わってしまい、非常に残念でした。
あとがきにて小室氏も機会が有れば同テーマの新作を描きたいと仰っています。
是非21世紀風にリニューアルした内容で、氏の未単行本化のデストピア・レジスタンス物『アウターレック』共々読みたい作品です。
JUMP SUPER ACE版には、氏のSFデビュー読み切り「トワイライトゾーン」31Pが収録されています。
オカルト・アクション漫画の歴史的作品です。同分野がお好きな方にはお薦めです。