ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典 知っておきたい邪神・禁書・お約束110 (NEXT CREATOR)
これ、解説いるのかな?はい、某ショゴスメイドさんの作者さんの本です。
まあ、好きだから買っちゃったし、評価も高いのですが・・。
内容的にはコンビニなんかにおいてるクトゥルー解説本の発展版てとこでしょうか。
実際過去に本人が萌え系クルゥルー本だしてるし、(まあ、そっちみると蜷川区についての解説なんかもあってそちらも面白かったり)
うん、完全に趣味の本なので好きな人はお買い上げください。ってとこかな?
まあ、好きだから買っちゃったし、評価も高いのですが・・。
内容的にはコンビニなんかにおいてるクトゥルー解説本の発展版てとこでしょうか。
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ワイヤレス リアルアーケードPro.V3 隼 (PS3用)
I love Hori arcade sticker. the wireless function is Awesome !
It works great. Hori makes the best sticker product
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(ロバート シム)ROBERT SIM ボーダーニットキャップ
私は頭囲58~59センチぐらいあり、サイズが心配だったけれど、
とくにきゅうくつに感じることもなく、問題なく着用できます。
薄手で柔らかい素材感のニットキャップです。
品質の良さはさすがニットの本場スコットランド製です。
安く購入出来てお得でした。
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アート オブ ロバート・マッギニス:THE ART OF ROBERT McGINNIS
いま書店で売れに売れているこの画集(筆者は平積みで最後から2冊目だった)。
まさかロバート・マッギニスの画集が日本で発売される日が来るとは(狂喜)!!
多くの方は、「ロバート・マッギニスWHO?」と首を傾げるかもしれない。しかし・・・映画好きを自称する方ならば、何度となくこの画家の絵を目にしているはずなのである。例えば、初期の007シリーズのポスターアート『サンダーボール作戦』『ダイヤモンドは永遠に』『二度死ぬ』や番外編『カジノロワイヤル』etc,etc・・・をはじめ、『ティファニーで朝食を』でヘップバーンが猫ちゃんを肩に乗せている伝説的イラストも、『バーバレラ』も、ビリー・ワイルダーの『シャーロック・ホームズの冒険』も、『夕陽のギャングたち』も、マニアックなところでは最高にCOOLな『ロールスロイスに銀の銃』も(笑)・・・きっと多くの方が「あのポスターの絵、好きだったんだ!」と心の片隅に置き忘れていた甘酸っぱい想いを思い出させてくれる・・・名は知られていなくても、その絵はあまりに有名な美女絵師がロバート・マッギニスなのだ。
‘26年にオハイオ州で生まれたマッギニスは、若き頃ディズニーの実習生としてアニメを学んだが、第二次大戦の勃発でディズニーがプロパガンダ映画に制作転換したため、その道を断念する。やがて広告業界で仕事をするようになり、そこからペーパーバックや映画のポスターアートと活動範囲を広げて行った。マッギニスが最も旺盛に仕事をしていたのは’60~’70年代で、特に映画のポスターでは、彼と人気を二分したボブ・ピーク(『キャメロット』、『マイ・フェア・レディ』、『スタートレック』シリーズ、『ローラーボール』、『エクスカリバー』、『ダーティーファイター』、『ザ・ヤクザ』、『007・私を愛したスパイ』、『電撃フリント』シリーズなど・・・しつこくてスミマセン・笑)と共に大活躍したアーティストなのである。
ピークの方は、’90年代初頭には亡くなってしまったが、マッギニスはいまだ健在&現役(画業70年!)という、ものすごいオジイチャンである。彼の仕事を大きく分けると、最も代表的なのがペーパーバックの表紙(これがものすごい仕事量で、優に1000冊を超える)で、「マッギニス・ウーマン」という言葉まで生まれたほど、彼の描く「美女」を中心に据えた装画は一世を風靡した。また、世界的に知られるのは上記の通り映画ポスター、そして雑誌や広告、さらにコマーシャリズムを離れたファイン・アート(風景画など)まで、幅広い。
わが国では、マッギニスを熱心に紹介してきたのは、ハードボイルド小説などの翻訳で知られる小鷹信光氏で、尋常ならざるペーパーバックコレクション探求道が昂じて表紙のアーティスト研究にも没頭し、著書「私のペイパーバック」(熱い!)の中で、フルカラー画像満載でマッギニスを始めとするペーパーバック・アーティスト達を紹介されている。ちなみに、本書でも採択している「マッギニス(McGINNIS)」という日本語表記は、おそらく小鷹氏が使われている表記に準じたと思われる(筆者は長年、ジャパニーズ・イングリッシュ風に「マクギニス」と呼んでいたが、英語の発音により近いのが「マッギニス」だ)。ちょっと脱線すると、あの大手バーガーチェーンMcDonald’sを英語発音に近い表記にすると「マッダノルズ」になる。日本語発音とゼンゼン違うね(笑)。余談ながら「Mc」はアイルランド系の苗字なのです。
・・・と、語りたいことが超たくさんあってどんどん長くなってしまうのが恐縮だが、マッギニスのようなアーティストは商業イラストレーターなので、よほどのマニアックな研究者がいない限りは、その仕事が画集のようにまとめられることはない。しかしインターネットの発達によって、彼らの仕事を熱心に紹介したサイトなどが登場するようになり再評価が進んだのか、21世紀に入った頃から、アメリカで画集が立て続けに刊行されるようになる。筆者も、「The Paperback Covers of Robert McGinnis」(ペーパーバックの仕事に特化した画集。1068冊に及ぶリストなど、データも充実の力作)や、「TAPESTRY : the paintings of ROBERT E. McGINNIS」(超美麗印刷で幅広く網羅した作品集)の2冊を持っている。マッギニス・マニアの方ならご存知かもしれない。
で、本書は上記の「The Paperback Covers of Robert McGinnis」の共著者でもある、マッギニス研究家&コレクターのアート・スコット氏の編集による画集の日本語版である。日本初刊行にふさわしい、多岐に亘るマッギニスの画業を網羅した内容になっていて、一般的に知られているものから、あまり知られていないマニアックなものまで、バランスをうまく取るように務めたという。
嬉しいのは、解説だけではなくマッギニス本人のインタビューなども掲載され、画に賭ける思いや、映画産業の中で仕事をする苦労(『007』のポスター画では、ボンドの胴をスタジオ側に勝手に伸ばされたり、『カムズ・ア・ホースマン』のポスターは画のレイアウトをいじられ、さらにジェイソン・ロバーズの顔を、主演の二人ジェームズ・カーンとジェーン・フォンダより目立たなくするように手を加えられた:修正前と後の両方の画を掲載)なども語っていて、非常に興味深い。
すでにマッギニスの画集を洋書で所有されている方々が一番気になるのは、どれぐらい作品がカブるか・・・という点だと思う。筆者が所有している上記2冊の内容とかなり重なるのも確かだが、見た事のない画も多数収録されているので、少なくとも筆者は損をした気にはならなかった。何よりも日本での初刊行が嬉しくて自分的にはマストバイである。ペーパーバックの表紙は印刷が粗悪で有名だが、本書はほとんどの画を原画から起こし直しているようなので印刷・発色も綺麗でベリーグー。
まず冒頭では、ほとんど見たことがない広告用のイラストや、マッギニスが描いた艶笑コミックなど、貴重な作品が掲載されていて、もうこれだけでもファンとしては買い必至である。続いて、マッギニスの代名詞である、数々のSEXYなペーパーバック美女たちのオンパレード。スコット氏による親切な解説で、マッギニス初心者にも判りやすい非常にフレンドリーな編集、かつマニア心もくすぐる内容になっている。犯罪小説、スパイ小説、ロマンス小説、歴史小説など。中でも有名なジム・トンプスンの「ポップ1280」の’64年初版本(お約束!)の装丁のみならず、不採用となった別バージョンの画も掲載。う~んマニアック!
このペーパーバック篇だけで本書の半分を占めてしまうのだから、マッギニスの仕事の中でいかに重要な要素であるかが伺われる。
続いては映画。『ティファニーで朝食を』、『おかしな二人』、『007』シリーズ、『ビッグトレイル』、『世界殺人公社』などなど。もちろん、映画を大ヒットに導いた伝説のアートワーク『ロールスロイスに銀の銃』も。そしてスタジオ側にリテイク指示をされたり手を加えられたりした『タッチダウン』、『カムズ・ア・ホースマン』は、修正前と後が比較できる。
お次は雑誌用のイラスト。ノーマン・ロックウェルで知られる『サタデー・イブニング・ポスト』誌
をはじめ、メンズマガジン(こちらはヌード多し・笑)などの様々なカラーイラストを掲載。中でも、マッギニスが最も長く仕事をしながらも、ファンにはあまり知られていない『ガイドポスツ』誌に掲載されたイラストは、扇情的な画が多い中、ロックウェル風の日常を切り取ったような心温まる画を見る事ができる。また、変わりどころでは『ナショナル・ジオグラフィック』誌などもある。
そして最後は、いよいよコマーシャリズムから飛び出て、「画家」マッギニスの真髄に迫る。まずは裸婦のポーズ集・・・って、マッギニス先生、やっぱりハダカの女性が好きなんじゃない(笑)!で、鼻にティッシュを詰めつつ次に進むと、今度は西部を描いた作品群。そうなんです、マッギニス先生、実はウェスタンの世界が大好きなようです。で、実はこのシリーズが必見で、雄大な西部の風景の中にぽつんと佇む小さな人間たち・・・その広大な風景の、岩肌や大地の質感が鳥肌が立つほど素晴らしい。ペーパーバック・アートでは見る事ができない、マッギニスの別の顔・・・その手腕がいかんなく発揮されている。
それに続くように数々の風景画で本書は締めくくられるのだが、この辺の画の描き込みの細かさが本当に素晴らしく、鮮やかな色使いが印象的だったペーパーバックやポスターとは打って変わって、渋く淡い枯れたような色合いの画面から、空気の湿度まで伝わって来そうな名画の数々は、アンドリュー・ワイエスの絵に通じる非凡なものを感じる。そう、丁度ワイエスの父・ニューウェルとアンドリューの画の中間ぐらいの味わいのタッチとでも言うべきか・・・ちなみにマッギニスはハワード・パイル(ニューウェル・C・ワイエスと同世代で、イラストレイテッド・マガジン黄金期を代表する画家)のファンでもあったそうだ。
本書は、ロバート・マッギニスの世界が実に的確にまとめられ、しかも広範囲に、親切に紹介されていて、非常に理想的な画集である。この手のものとしては、金額的にもリーズナブルだと思う。筆者も、できることなら最初に買うのはこの画集であってほしかったと思うぐらいに素晴らしい。
マニアの方々は、「もっとたくさん知らない画を掲載してくれ!」と叫ぶかもしれないが、初心者の方には申し分ない・・・いや贅沢なぐらいの内容である、と絶賛しつつ本レビューを締めたいと思う。この画集のレビューが書けて最高に幸せな2015年の幕開けである。
まさかロバート・マッギニスの画集が日本で発売される日が来るとは(狂喜)!!
多くの方は、「ロバート・マッギニスWHO?」と首を傾げるかもしれない。しかし・・・映画好きを自称する方ならば、何度となくこの画家の絵を目にしているはずなのである。例えば、初期の007シリーズのポスターアート『サンダーボール作戦』『ダイヤモンドは永遠に』『二度死ぬ』や番外編『カジノロワイヤル』etc,etc・・・をはじめ、『ティファニーで朝食を』でヘップバーンが猫ちゃんを肩に乗せている伝説的イラストも、『バーバレラ』も、ビリー・ワイルダーの『シャーロック・ホームズの冒険』も、『夕陽のギャングたち』も、マニアックなところでは最高にCOOLな『ロールスロイスに銀の銃』も(笑)・・・きっと多くの方が「あのポスターの絵、好きだったんだ!」と心の片隅に置き忘れていた甘酸っぱい想いを思い出させてくれる・・・名は知られていなくても、その絵はあまりに有名な美女絵師がロバート・マッギニスなのだ。
‘26年にオハイオ州で生まれたマッギニスは、若き頃ディズニーの実習生としてアニメを学んだが、第二次大戦の勃発でディズニーがプロパガンダ映画に制作転換したため、その道を断念する。やがて広告業界で仕事をするようになり、そこからペーパーバックや映画のポスターアートと活動範囲を広げて行った。マッギニスが最も旺盛に仕事をしていたのは’60~’70年代で、特に映画のポスターでは、彼と人気を二分したボブ・ピーク(『キャメロット』、『マイ・フェア・レディ』、『スタートレック』シリーズ、『ローラーボール』、『エクスカリバー』、『ダーティーファイター』、『ザ・ヤクザ』、『007・私を愛したスパイ』、『電撃フリント』シリーズなど・・・しつこくてスミマセン・笑)と共に大活躍したアーティストなのである。
ピークの方は、’90年代初頭には亡くなってしまったが、マッギニスはいまだ健在&現役(画業70年!)という、ものすごいオジイチャンである。彼の仕事を大きく分けると、最も代表的なのがペーパーバックの表紙(これがものすごい仕事量で、優に1000冊を超える)で、「マッギニス・ウーマン」という言葉まで生まれたほど、彼の描く「美女」を中心に据えた装画は一世を風靡した。また、世界的に知られるのは上記の通り映画ポスター、そして雑誌や広告、さらにコマーシャリズムを離れたファイン・アート(風景画など)まで、幅広い。
わが国では、マッギニスを熱心に紹介してきたのは、ハードボイルド小説などの翻訳で知られる小鷹信光氏で、尋常ならざるペーパーバックコレクション探求道が昂じて表紙のアーティスト研究にも没頭し、著書「私のペイパーバック」(熱い!)の中で、フルカラー画像満載でマッギニスを始めとするペーパーバック・アーティスト達を紹介されている。ちなみに、本書でも採択している「マッギニス(McGINNIS)」という日本語表記は、おそらく小鷹氏が使われている表記に準じたと思われる(筆者は長年、ジャパニーズ・イングリッシュ風に「マクギニス」と呼んでいたが、英語の発音により近いのが「マッギニス」だ)。ちょっと脱線すると、あの大手バーガーチェーンMcDonald’sを英語発音に近い表記にすると「マッダノルズ」になる。日本語発音とゼンゼン違うね(笑)。余談ながら「Mc」はアイルランド系の苗字なのです。
・・・と、語りたいことが超たくさんあってどんどん長くなってしまうのが恐縮だが、マッギニスのようなアーティストは商業イラストレーターなので、よほどのマニアックな研究者がいない限りは、その仕事が画集のようにまとめられることはない。しかしインターネットの発達によって、彼らの仕事を熱心に紹介したサイトなどが登場するようになり再評価が進んだのか、21世紀に入った頃から、アメリカで画集が立て続けに刊行されるようになる。筆者も、「The Paperback Covers of Robert McGinnis」(ペーパーバックの仕事に特化した画集。1068冊に及ぶリストなど、データも充実の力作)や、「TAPESTRY : the paintings of ROBERT E. McGINNIS」(超美麗印刷で幅広く網羅した作品集)の2冊を持っている。マッギニス・マニアの方ならご存知かもしれない。
で、本書は上記の「The Paperback Covers of Robert McGinnis」の共著者でもある、マッギニス研究家&コレクターのアート・スコット氏の編集による画集の日本語版である。日本初刊行にふさわしい、多岐に亘るマッギニスの画業を網羅した内容になっていて、一般的に知られているものから、あまり知られていないマニアックなものまで、バランスをうまく取るように務めたという。
嬉しいのは、解説だけではなくマッギニス本人のインタビューなども掲載され、画に賭ける思いや、映画産業の中で仕事をする苦労(『007』のポスター画では、ボンドの胴をスタジオ側に勝手に伸ばされたり、『カムズ・ア・ホースマン』のポスターは画のレイアウトをいじられ、さらにジェイソン・ロバーズの顔を、主演の二人ジェームズ・カーンとジェーン・フォンダより目立たなくするように手を加えられた:修正前と後の両方の画を掲載)なども語っていて、非常に興味深い。
すでにマッギニスの画集を洋書で所有されている方々が一番気になるのは、どれぐらい作品がカブるか・・・という点だと思う。筆者が所有している上記2冊の内容とかなり重なるのも確かだが、見た事のない画も多数収録されているので、少なくとも筆者は損をした気にはならなかった。何よりも日本での初刊行が嬉しくて自分的にはマストバイである。ペーパーバックの表紙は印刷が粗悪で有名だが、本書はほとんどの画を原画から起こし直しているようなので印刷・発色も綺麗でベリーグー。
まず冒頭では、ほとんど見たことがない広告用のイラストや、マッギニスが描いた艶笑コミックなど、貴重な作品が掲載されていて、もうこれだけでもファンとしては買い必至である。続いて、マッギニスの代名詞である、数々のSEXYなペーパーバック美女たちのオンパレード。スコット氏による親切な解説で、マッギニス初心者にも判りやすい非常にフレンドリーな編集、かつマニア心もくすぐる内容になっている。犯罪小説、スパイ小説、ロマンス小説、歴史小説など。中でも有名なジム・トンプスンの「ポップ1280」の’64年初版本(お約束!)の装丁のみならず、不採用となった別バージョンの画も掲載。う~んマニアック!
このペーパーバック篇だけで本書の半分を占めてしまうのだから、マッギニスの仕事の中でいかに重要な要素であるかが伺われる。
続いては映画。『ティファニーで朝食を』、『おかしな二人』、『007』シリーズ、『ビッグトレイル』、『世界殺人公社』などなど。もちろん、映画を大ヒットに導いた伝説のアートワーク『ロールスロイスに銀の銃』も。そしてスタジオ側にリテイク指示をされたり手を加えられたりした『タッチダウン』、『カムズ・ア・ホースマン』は、修正前と後が比較できる。
お次は雑誌用のイラスト。ノーマン・ロックウェルで知られる『サタデー・イブニング・ポスト』誌
をはじめ、メンズマガジン(こちらはヌード多し・笑)などの様々なカラーイラストを掲載。中でも、マッギニスが最も長く仕事をしながらも、ファンにはあまり知られていない『ガイドポスツ』誌に掲載されたイラストは、扇情的な画が多い中、ロックウェル風の日常を切り取ったような心温まる画を見る事ができる。また、変わりどころでは『ナショナル・ジオグラフィック』誌などもある。
そして最後は、いよいよコマーシャリズムから飛び出て、「画家」マッギニスの真髄に迫る。まずは裸婦のポーズ集・・・って、マッギニス先生、やっぱりハダカの女性が好きなんじゃない(笑)!で、鼻にティッシュを詰めつつ次に進むと、今度は西部を描いた作品群。そうなんです、マッギニス先生、実はウェスタンの世界が大好きなようです。で、実はこのシリーズが必見で、雄大な西部の風景の中にぽつんと佇む小さな人間たち・・・その広大な風景の、岩肌や大地の質感が鳥肌が立つほど素晴らしい。ペーパーバック・アートでは見る事ができない、マッギニスの別の顔・・・その手腕がいかんなく発揮されている。
それに続くように数々の風景画で本書は締めくくられるのだが、この辺の画の描き込みの細かさが本当に素晴らしく、鮮やかな色使いが印象的だったペーパーバックやポスターとは打って変わって、渋く淡い枯れたような色合いの画面から、空気の湿度まで伝わって来そうな名画の数々は、アンドリュー・ワイエスの絵に通じる非凡なものを感じる。そう、丁度ワイエスの父・ニューウェルとアンドリューの画の中間ぐらいの味わいのタッチとでも言うべきか・・・ちなみにマッギニスはハワード・パイル(ニューウェル・C・ワイエスと同世代で、イラストレイテッド・マガジン黄金期を代表する画家)のファンでもあったそうだ。
本書は、ロバート・マッギニスの世界が実に的確にまとめられ、しかも広範囲に、親切に紹介されていて、非常に理想的な画集である。この手のものとしては、金額的にもリーズナブルだと思う。筆者も、できることなら最初に買うのはこの画集であってほしかったと思うぐらいに素晴らしい。
マニアの方々は、「もっとたくさん知らない画を掲載してくれ!」と叫ぶかもしれないが、初心者の方には申し分ない・・・いや贅沢なぐらいの内容である、と絶賛しつつ本レビューを締めたいと思う。この画集のレビューが書けて最高に幸せな2015年の幕開けである。