ムンバイなう。 (P-Vine Books)
インド人のいい加減さ
それに対してのユザーンの冷静なツッコミがツボになります
インドの文化をユーモラスな視点で見ることができる本です
軽く読めるので文字を読むのが苦手な人にオススメです!!
それに対してのユザーンの冷静なツッコミがツボになります
インドの文化をユーモラスな視点で見ることができる本です
軽く読めるので文字を読むのが苦手な人にオススメです!!
TELE○POTION
発売から3カ月近く経過している現時点でも未だに本作品のレビューがないので投稿させて頂きます。
レビューが無いのは、既に七尾旅人というアーティストが充分な知名度を誇っており彼の作品を好んで聴く人は
話題や宣伝など無くとも新作は当然購入するし、彼の作品に抵抗のある人はいくら薦められても購入する気には
なれないからだろう。有名である割には浮動票がほとんど存在しない珍しいアーティストかもしれない。
ただし、本作はそんな彼のイメージを覆す内容だ。
彼の作品は2ndアルバム'ヘヴンリィ・パンク:アダージョ'からリアルタイムで聴き始めたが、個人的に本作品が
これまでで一番衝撃的だった。
過去の作品と比較して本作品が特別素晴らしいということではなく、単純に驚いた。
一つの作品ということを意識した若干実験的なM2,M3,M4は置いておいて、タイトルトラックのM1,M5'TELE〇POTION'
は思いっきり普通のJ-Rockである。恐らくは七尾旅人本人が嫌っていそうな、ありふれたコテコテのJ-Rock。
素直にまともなメロディーを書きさえすれば日本で彼の右に出る人はいないと思っているので、当然この曲は
好きですが、クセの無い爽やかなイントロが流れた瞬間にはギョッとしました。
好きな人は好き、という類の映画ではあるものの、映画主題歌と言う事もあって自分の実力を証明する決意が
見える様な気がします。
私も含め大多数の人間が好きな柔らかなアコギの音色、程よい浮遊感のあるシンセ、爽やかに疾走するベース、
割とドライで軽めのドラミング。独特な七尾旅人のヴォーカル。歌詞はかなりストレートで青臭い(味わいはあるが)。
女性のコーラスまで入ってくると、J-Rockの典型例を見せられているようで流石に居心地悪くなるものの、
悲しいかな、抗えないのも事実。
主なところではギターにオトノエの大平沙季(知りませんでした)、ベースに御存知チャットモンチーの福岡晃子、
ドラムスに石橋英子が参加している。石橋英子は近年海外にも活動の場をどんどん広げており(そもそも日本国内
よりも欧米の方が正当な評価を受けるであろう音楽性)、実験的で興味深い作品を多数発表している。ポップに接近、
多彩なゲストを招集して一般リスナーの為にわざわざ随分と敷居を低くしてくれた'Drifting Devil'が彼女の作品の
中では一番気に入っている。この作品には七尾旅人も参加。
話が逸れたが、本作は今まで七尾旅人を知らなかった人、七尾旅人が苦手だった人にこそ聴いて頂きたい、彼の
音楽への入り口として最適な一枚であると思うので是非聴いてみてください。
申し訳ありませんが、タイトルトラック以外は七尾旅人を知らない人にはお薦めできませんので、言及を避けます。
私としてはM1,M5で折角振り切ったのだから、全曲万人受けする、どポップで埋め尽くした作品でも良かったのでは
ないかとも思ったので最終的な評価としては1つ減らして★4つです。
レビューが無いのは、既に七尾旅人というアーティストが充分な知名度を誇っており彼の作品を好んで聴く人は
話題や宣伝など無くとも新作は当然購入するし、彼の作品に抵抗のある人はいくら薦められても購入する気には
なれないからだろう。有名である割には浮動票がほとんど存在しない珍しいアーティストかもしれない。
ただし、本作はそんな彼のイメージを覆す内容だ。
彼の作品は2ndアルバム'ヘヴンリィ・パンク:アダージョ'からリアルタイムで聴き始めたが、個人的に本作品が
これまでで一番衝撃的だった。
過去の作品と比較して本作品が特別素晴らしいということではなく、単純に驚いた。
一つの作品ということを意識した若干実験的なM2,M3,M4は置いておいて、タイトルトラックのM1,M5'TELE〇POTION'
は思いっきり普通のJ-Rockである。恐らくは七尾旅人本人が嫌っていそうな、ありふれたコテコテのJ-Rock。
素直にまともなメロディーを書きさえすれば日本で彼の右に出る人はいないと思っているので、当然この曲は
好きですが、クセの無い爽やかなイントロが流れた瞬間にはギョッとしました。
好きな人は好き、という類の映画ではあるものの、映画主題歌と言う事もあって自分の実力を証明する決意が
見える様な気がします。
私も含め大多数の人間が好きな柔らかなアコギの音色、程よい浮遊感のあるシンセ、爽やかに疾走するベース、
割とドライで軽めのドラミング。独特な七尾旅人のヴォーカル。歌詞はかなりストレートで青臭い(味わいはあるが)。
女性のコーラスまで入ってくると、J-Rockの典型例を見せられているようで流石に居心地悪くなるものの、
悲しいかな、抗えないのも事実。
主なところではギターにオトノエの大平沙季(知りませんでした)、ベースに御存知チャットモンチーの福岡晃子、
ドラムスに石橋英子が参加している。石橋英子は近年海外にも活動の場をどんどん広げており(そもそも日本国内
よりも欧米の方が正当な評価を受けるであろう音楽性)、実験的で興味深い作品を多数発表している。ポップに接近、
多彩なゲストを招集して一般リスナーの為にわざわざ随分と敷居を低くしてくれた'Drifting Devil'が彼女の作品の
中では一番気に入っている。この作品には七尾旅人も参加。
話が逸れたが、本作は今まで七尾旅人を知らなかった人、七尾旅人が苦手だった人にこそ聴いて頂きたい、彼の
音楽への入り口として最適な一枚であると思うので是非聴いてみてください。
申し訳ありませんが、タイトルトラック以外は七尾旅人を知らない人にはお薦めできませんので、言及を避けます。
私としてはM1,M5で折角振り切ったのだから、全曲万人受けする、どポップで埋め尽くした作品でも良かったのでは
ないかとも思ったので最終的な評価としては1つ減らして★4つです。
リトルメロディ
というのが第一印象。
曲調がスローなものが多く、使う言葉も平易で、声を張り上げることもなく、アレンジやプロダクションも色付け程度の簡素なもので、穏やかで優しい歌ものアルバム。突如ノイズや叫びを撒き散らして躁状態になったり、支離滅裂・奇想天外な展開が出てくることもない。今までその躁鬱が一つの曲の中でも行ったり来たりすることがあったが、ここにはない。このアルバムは七尾旅人のディスコグラフィーの中では異色だ。こんなに刺々しさのないアルバムは初めて。七尾氏の天才性がフリーク・アウトした部分に現れているとするなら、これは天才・七尾旅人ではなく、人間・七尾旅人がにじみ出た作品だ。ギターを抱えて歌う自身のポートレートを配したモノクロのジャケットも象徴的に思える。
しかし、ただそれだけではない。七尾氏は今作のレコーディングを苦しかったと述べている。なぜだろうか。
「子供たちだけでもどこか遠くに逃がしたい」"圏内の歌"
「いつからか泳ぎ疲れたまんま」"Everything is gone"
「魔法が解けてゆく」"サーカスナイト"
「ぜんぶ嘘だと言っておくれ」"湘南が遠くなっていく"
「どうしても帰れないの?」"Memory Lane"
悲しみや諦観がそこかしこにちらつく。これまでファンタジーの重要性を唱えてきた七尾氏からすれば、今作はすごくリアリスティックなアルバムだ。七尾氏が3・11後の福島に思い入れを抱いているのは周知の事実。ある意味で前々作の『911ファンタジア』までは自分の内側にある世界に向き合っていたのが、前作『ビリオン・ヴォイシズ』ぐらいから外の世界と向き合うようになった結果、社会性が反映されてどうしてもダウナーな趣きをまとうようになったのかもしれない。現実の世界はかくも重い。それは内の世界にこもっているよりずっと。
でも、だからこそ、その中でラストのタイトル曲"リトルメロディ"のメッセージが圧倒的に際立って聞こえる。
「これから僕らやり直せるさ どんな壁も越えてゆけよ 小さなメロディ」"リトルメロディ"
暗く重い現実を直視しながらも何かしらの希望を見出す。"リトルメロディ"の最後には子どもたちの声が聞こえてくる。七尾氏がここで言う「小さなメロディ」とは未来を生きる子どもたちのことなのではないかと思う。言うまでもなく『ビリオン・ヴォイシズ』の最後の曲も"私の赤ちゃん"だった。
七尾旅人はまた今作で大きく舵を切った。ただ、この作風が今後も続いていくかどうかはわからない。あらゆる意味で非常に振れ幅の広い人であることは間違いないが、私は七尾旅人の本質はシンガーソングライターや歌手ではなく語り部だと思っている。その点ではこれまでの作品全部を並べた中で割とニュートラルな位置にあるのがサード・アルバム『ひきがたり・ものがたりVol.1 蜂雀』だと思う。あちらは第三者的な登場人物を配した物語性にあふれる歌ものアルバムだ。『リトルメロディ』は現実という重さを真正面から背負い込んだ歌ものアルバムだ。そこに七尾氏が受け入れた覚悟がある。歌い手としては大きな変化だと思う。
七尾旅人はこのまま現実世界にとどまり続けるのだろうか。もう物語を歌わないのだろうか。そうであるならば、それはそれで少し寂しい気もする。
曲調がスローなものが多く、使う言葉も平易で、声を張り上げることもなく、アレンジやプロダクションも色付け程度の簡素なもので、穏やかで優しい歌ものアルバム。突如ノイズや叫びを撒き散らして躁状態になったり、支離滅裂・奇想天外な展開が出てくることもない。今までその躁鬱が一つの曲の中でも行ったり来たりすることがあったが、ここにはない。このアルバムは七尾旅人のディスコグラフィーの中では異色だ。こんなに刺々しさのないアルバムは初めて。七尾氏の天才性がフリーク・アウトした部分に現れているとするなら、これは天才・七尾旅人ではなく、人間・七尾旅人がにじみ出た作品だ。ギターを抱えて歌う自身のポートレートを配したモノクロのジャケットも象徴的に思える。
しかし、ただそれだけではない。七尾氏は今作のレコーディングを苦しかったと述べている。なぜだろうか。
「子供たちだけでもどこか遠くに逃がしたい」"圏内の歌"
「いつからか泳ぎ疲れたまんま」"Everything is gone"
「魔法が解けてゆく」"サーカスナイト"
「ぜんぶ嘘だと言っておくれ」"湘南が遠くなっていく"
「どうしても帰れないの?」"Memory Lane"
悲しみや諦観がそこかしこにちらつく。これまでファンタジーの重要性を唱えてきた七尾氏からすれば、今作はすごくリアリスティックなアルバムだ。七尾氏が3・11後の福島に思い入れを抱いているのは周知の事実。ある意味で前々作の『911ファンタジア』までは自分の内側にある世界に向き合っていたのが、前作『ビリオン・ヴォイシズ』ぐらいから外の世界と向き合うようになった結果、社会性が反映されてどうしてもダウナーな趣きをまとうようになったのかもしれない。現実の世界はかくも重い。それは内の世界にこもっているよりずっと。
でも、だからこそ、その中でラストのタイトル曲"リトルメロディ"のメッセージが圧倒的に際立って聞こえる。
「これから僕らやり直せるさ どんな壁も越えてゆけよ 小さなメロディ」"リトルメロディ"
暗く重い現実を直視しながらも何かしらの希望を見出す。"リトルメロディ"の最後には子どもたちの声が聞こえてくる。七尾氏がここで言う「小さなメロディ」とは未来を生きる子どもたちのことなのではないかと思う。言うまでもなく『ビリオン・ヴォイシズ』の最後の曲も"私の赤ちゃん"だった。
七尾旅人はまた今作で大きく舵を切った。ただ、この作風が今後も続いていくかどうかはわからない。あらゆる意味で非常に振れ幅の広い人であることは間違いないが、私は七尾旅人の本質はシンガーソングライターや歌手ではなく語り部だと思っている。その点ではこれまでの作品全部を並べた中で割とニュートラルな位置にあるのがサード・アルバム『ひきがたり・ものがたりVol.1 蜂雀』だと思う。あちらは第三者的な登場人物を配した物語性にあふれる歌ものアルバムだ。『リトルメロディ』は現実という重さを真正面から背負い込んだ歌ものアルバムだ。そこに七尾氏が受け入れた覚悟がある。歌い手としては大きな変化だと思う。
七尾旅人はこのまま現実世界にとどまり続けるのだろうか。もう物語を歌わないのだろうか。そうであるならば、それはそれで少し寂しい気もする。
ユリイカ 2014年1月号 特集=ルー・リード
私は長年のヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファンであり、UncutとMojoのルー・リード追悼記事も読んだので、もうこれ以上読む必要は無いと思っていたのだが、田中泯(ダンサー)のインタヴューに関心があったのと、有楽町の火事の影響で遅れた新幹線を待つ間の暇つぶしに「ユリイカ」(eureka-「見つけた」の意味)を買ってみた。誰もレヴューを書かないので、私が書こう。
さて、目当ての田中のインタヴューだが、ルーの性格やセシル・テイラー(フリー・ジャズのピアニスト/作曲家)との関係などについて述べている。当然ながらルーの曲に合わせて踊ったダンスについての話もあり、なかなか面白い。
いい出来だと思ったのは、青野賢一氏の“The Raven”の肯定的な解説。一方、山崎晴美氏の「Rou Leed」という綴りは意味不明である。全体的な内容としてはほどほどだと思った。ただ、扉のページにデルモア・シュワルツの小説からの引用(ルーに関係のある内容である)があるのにおまけして4つ星。
さて、目当ての田中のインタヴューだが、ルーの性格やセシル・テイラー(フリー・ジャズのピアニスト/作曲家)との関係などについて述べている。当然ながらルーの曲に合わせて踊ったダンスについての話もあり、なかなか面白い。
いい出来だと思ったのは、青野賢一氏の“The Raven”の肯定的な解説。一方、山崎晴美氏の「Rou Leed」という綴りは意味不明である。全体的な内容としてはほどほどだと思った。ただ、扉のページにデルモア・シュワルツの小説からの引用(ルーに関係のある内容である)があるのにおまけして4つ星。