English Vocabulary Elements
語源の知識により英語の語彙力を増強しようという類の本は,実にさまざまなものが出ている。本書もその一つに分類できるが,語の構造の言語学的な分析が詳しい点で類書に優る。語源による語彙力増強を謳ったハウツー本の多くは,言語学を専門としない著者により書かれているため,ギリシャ・ラテンの語根の意味と英単語の羅列に終わっており,語源的な意味と現在の英単語の意味との乖離にはあまり注意を払っていない。
本書は言語学の専門家によって執筆されたものなので,語根の意味のみならず,その音韻変化・形態変化・意味変化などにも十分な説明が加えられており,例えば,fireとpyroの関係や,語源的には"stand in"の意味のinsistが何故「主張する」の意味になるのかなど,語源から一歩踏み込んだ解説が随所に見られる。音韻論・形態論・意味論の基礎的な概論もあわせて学ぶことができるが,逆に言うと,単に語彙力増強だけを考えている人にはややハードルが高いかもしれない。
扱われている語彙数はそれほど多くないが,ギリシャ・ラテンの基本的な語根の意味は網羅されており,本書で学んだ語源解釈の仕方を応用することで,辞書の語源欄の読み方が変わってくるはずである。各章に練習問題がついているが,その解答が載せられていないのが惜しまれる。英語はきわめて平易で読みやすい。
本書は言語学の専門家によって執筆されたものなので,語根の意味のみならず,その音韻変化・形態変化・意味変化などにも十分な説明が加えられており,例えば,fireとpyroの関係や,語源的には"stand in"の意味のinsistが何故「主張する」の意味になるのかなど,語源から一歩踏み込んだ解説が随所に見られる。音韻論・形態論・意味論の基礎的な概論もあわせて学ぶことができるが,逆に言うと,単に語彙力増強だけを考えている人にはややハードルが高いかもしれない。
扱われている語彙数はそれほど多くないが,ギリシャ・ラテンの基本的な語根の意味は網羅されており,本書で学んだ語源解釈の仕方を応用することで,辞書の語源欄の読み方が変わってくるはずである。各章に練習問題がついているが,その解答が載せられていないのが惜しまれる。英語はきわめて平易で読みやすい。