葬式は、要らない (幻冬舎新書)
宗教学者の書いた、日本の葬式の現状と葬式無要論。
しかし、じつは葬式を否定しているのではなく、戒名や
檀家制度といったことを通じて贅沢になった葬式仏教を否定している。
人を葬るということを否定しているわけではない。多くの人に参列させ
華美な祭壇(来世への期待という)や高額な戒名といった贅沢な葬式を
無意味と断じつつ、故人を偲ぶ葬式は肯定しているし戒名を自分でつけ
ることすら提案している。
葬式仏教無要論であって葬式無要論ではない。
しかし、じつは葬式を否定しているのではなく、戒名や
檀家制度といったことを通じて贅沢になった葬式仏教を否定している。
人を葬るということを否定しているわけではない。多くの人に参列させ
華美な祭壇(来世への期待という)や高額な戒名といった贅沢な葬式を
無意味と断じつつ、故人を偲ぶ葬式は肯定しているし戒名を自分でつけ
ることすら提案している。
葬式仏教無要論であって葬式無要論ではない。
浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)
他のレビュアーさんも書かれているように、本書は「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」についての本ではなく、むしろ「日本仏教の主な宗派それぞれについて、コンパクトに解説した本」です。
南都六宗、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、その他の宗教(融通念仏宗、時宗、日蓮正宗)について、それぞれ20ページ程度を割いてバランスよく、コンパクトに解説しています。なので、「日本仏教の各宗派について概観したい」という人にとっては有益な本と思います。
私は、これまでにも日本の仏教についていくつかの本を読んできましたが、浄土真宗に関する知識は乏しいため、本書のタイトルにある「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」に惹かれて読み始めました。しかし、最後の10ページで簡単にそのことが触れられている以外は浄土真宗についての解説が少なかったため、たいへん驚きがっかりしました。
ただ、その反面、「短い中でうまく各宗派の特徴を解説している」「どの宗派にも偏ることなく、バランス感をもって記述している」と感じるとともに、今まで知らなかった知識・視点が得られた部分もありました。
タイトルがひどいことを除けば、読んで損はない良書と言えるかもしれません。
南都六宗、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、その他の宗教(融通念仏宗、時宗、日蓮正宗)について、それぞれ20ページ程度を割いてバランスよく、コンパクトに解説しています。なので、「日本仏教の各宗派について概観したい」という人にとっては有益な本と思います。
私は、これまでにも日本の仏教についていくつかの本を読んできましたが、浄土真宗に関する知識は乏しいため、本書のタイトルにある「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」に惹かれて読み始めました。しかし、最後の10ページで簡単にそのことが触れられている以外は浄土真宗についての解説が少なかったため、たいへん驚きがっかりしました。
ただ、その反面、「短い中でうまく各宗派の特徴を解説している」「どの宗派にも偏ることなく、バランス感をもって記述している」と感じるとともに、今まで知らなかった知識・視点が得られた部分もありました。
タイトルがひどいことを除けば、読んで損はない良書と言えるかもしれません。
なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 最強11神社―八幡・天神・稲荷・伊勢・出雲・春日・熊野・祗園・諏訪・白山・住吉の信仰系統 (幻冬舎新書)
日本の神社で祀られている神様には、古事記と日本書紀に載っている神話に根ざすもの、記紀には登場せず歴史が進行する中で登場したもの、人を神として祀ったものの3種類あるそうだ。本書は、その中で数の多い代表的な系列の神社の由来について解説した本である。
今ではわかりにくくなっているが、実は明治の廃仏毀釈以前は神仏習合が当たり前だった。このような、それぞれの神社と関係の強い仏教各宗派が与えた影響についても各所で述べられている。
1.八幡神社:神社の数が最も多い。記紀には登場しない。出自は渡来系である可能性が高い。第15代の応神天皇と習合したことで天照大神に次ぐ皇祖神となって権威が増す。さらに、源氏が保護したことで武家に広まり、仏教の菩薩としての役割も担うようになってポピュラーになった。
2.天神:菅原道真の祟りを恐れて作られたが、次第に学問の神となる。
3.稲荷:元々は「伊奈利」。記紀には登場しない。稲の神として秦氏が祀った。真言宗とのかかわりが生まれて広まる。
4.伊勢:天照大神が祭神。20年おきに遷宮が行われるが、応仁の乱の時代では120年以上途絶えた時期があった。
5.出雲:御神体が何なのか明らかにされていない。高層の本殿を持っていたが、平安時代中期からの200年で7回倒れた。
6.春日:藤原氏が祀って広まった。祭神は春日神とされる一方で、4柱の神が祀られている。
7.熊野:熊野権現3社で13柱。神仏習合の平安時代に、浄土教信仰が盛んになった影響で熊野詣がさかんになる。密教の影響で山林修行を行う場にもなる。
8.祇園:記紀には登場しない。上賀茂神社では賀茂別雷命、下鴨神社ではその母の玉依媛命とその父の賀茂建角身命を祭神としている。祇園信仰は、祭りが伝播の上で重要な役割を果たす。
9.諏訪:4つの神社の集合体で3柱の神を祀る。御柱祭で有名。実は、数は新潟県に最も多い。
10.白山:もともとは白山を御神体とし、奈良時代の伝説の修行僧の泰澄が開いたとされる。天台宗色が強かったが、前田家の時代に真言宗になる。立山も修験道系の信仰によって仏教色が強かった。富士山を神格化したものが、浅間権現。
11.住吉:祭神として3柱を祀る。航海と関係することで廻船問屋が灯籠を奉納するようになる。宗像の信仰として沖ノ島や厳島神社、水に関する神として恵比須と金比羅にも言及されている。
それぞれの神社の祭神は、分霊されて別の場所の神社に勧請されることでその系列が増えてゆく。これら以外の神社についても、最後に簡単に触れられている。
今ではわかりにくくなっているが、実は明治の廃仏毀釈以前は神仏習合が当たり前だった。このような、それぞれの神社と関係の強い仏教各宗派が与えた影響についても各所で述べられている。
1.八幡神社:神社の数が最も多い。記紀には登場しない。出自は渡来系である可能性が高い。第15代の応神天皇と習合したことで天照大神に次ぐ皇祖神となって権威が増す。さらに、源氏が保護したことで武家に広まり、仏教の菩薩としての役割も担うようになってポピュラーになった。
2.天神:菅原道真の祟りを恐れて作られたが、次第に学問の神となる。
3.稲荷:元々は「伊奈利」。記紀には登場しない。稲の神として秦氏が祀った。真言宗とのかかわりが生まれて広まる。
4.伊勢:天照大神が祭神。20年おきに遷宮が行われるが、応仁の乱の時代では120年以上途絶えた時期があった。
5.出雲:御神体が何なのか明らかにされていない。高層の本殿を持っていたが、平安時代中期からの200年で7回倒れた。
6.春日:藤原氏が祀って広まった。祭神は春日神とされる一方で、4柱の神が祀られている。
7.熊野:熊野権現3社で13柱。神仏習合の平安時代に、浄土教信仰が盛んになった影響で熊野詣がさかんになる。密教の影響で山林修行を行う場にもなる。
8.祇園:記紀には登場しない。上賀茂神社では賀茂別雷命、下鴨神社ではその母の玉依媛命とその父の賀茂建角身命を祭神としている。祇園信仰は、祭りが伝播の上で重要な役割を果たす。
9.諏訪:4つの神社の集合体で3柱の神を祀る。御柱祭で有名。実は、数は新潟県に最も多い。
10.白山:もともとは白山を御神体とし、奈良時代の伝説の修行僧の泰澄が開いたとされる。天台宗色が強かったが、前田家の時代に真言宗になる。立山も修験道系の信仰によって仏教色が強かった。富士山を神格化したものが、浅間権現。
11.住吉:祭神として3柱を祀る。航海と関係することで廻船問屋が灯籠を奉納するようになる。宗像の信仰として沖ノ島や厳島神社、水に関する神として恵比須と金比羅にも言及されている。
それぞれの神社の祭神は、分霊されて別の場所の神社に勧請されることでその系列が増えてゆく。これら以外の神社についても、最後に簡単に触れられている。