血(あか)い花 (集英社文庫)
やや性描写がキツイ感じがするが、物語としてカチッと作られていて読みやすい。わかりやすい。少し不安定で悲しい人たちが登場する。
「ガーデニング」の幻の妹は、昔の自分か。それとももう一つの可能性を持った自分か。誰が何をガーデニングしているのか。少しきれいなだけの女性タレントが、みんなにガーデニングされているというのか。タイトルとともに考えると面白みが増す。
「血い花」の22歳で処女のホステスという設定は、逆説的なリアリティーがあった。作者も経験した世界だし。この作品には、やはり力がある。最愛の男が、最善を尽くしたがゆえに、最も彼女を傷つけてしまう。
「野薔薇の鉢」でヨウセイという名前にすがりつく女性の静かな諦めにも似た悲しさも印象に残った。そして生まれ変わる強さも。
「ガーデニング」の幻の妹は、昔の自分か。それとももう一つの可能性を持った自分か。誰が何をガーデニングしているのか。少しきれいなだけの女性タレントが、みんなにガーデニングされているというのか。タイトルとともに考えると面白みが増す。
「血い花」の22歳で処女のホステスという設定は、逆説的なリアリティーがあった。作者も経験した世界だし。この作品には、やはり力がある。最愛の男が、最善を尽くしたがゆえに、最も彼女を傷つけてしまう。
「野薔薇の鉢」でヨウセイという名前にすがりつく女性の静かな諦めにも似た悲しさも印象に残った。そして生まれ変わる強さも。
ドラゴンフライ (集英社文庫)
室井 佑月さん、女性誌に書いていた「掌編」が面白く、読んでみたいなと、気になってはいた。何を読んだらいいのか分からなくて、アマゾンのレビューも読んでみたりしたけど、手が出ずに、読んでいなかった。偶々入った本屋さんで見つけて、この「ドラゴンフライ」を買い、面白かったので「ああ〜ん、あんあん」と「血の花」も読んだ。最初に読んだからなのか、初期の作品だからなのかは分からないけど、この本なら、人に勧められる。ただ単に、私の好みと言うだけかも知れないけど。