木に学べ―法隆寺・薬師寺の美 (小学館文庫)
システム関係の仕事をしていた頃、この本を読んで衝撃を受け、
その後、西岡氏の一連の著作をむさぼるようによんだのを覚えています。
なにより、衝撃だったのは、その仕事の成果に対するスパンの長さ。
次の世代という観点が仕事の中に織り込まれていて、明日、あさっての
成果に一喜一憂、埋没している自分には、とてもうらやましく感じたのを
覚えています。それと「塔は木組み・・・」で有名な口伝。システム業界では
プロジェクトマネジメントが大流行でやれPIMBOKだの何だのと・・・
でも、何か違うと感じていました。デマルコやワインバーグにも
通じる独特の処し方を宮大工の世界に感じました。
何より、薬師寺や法隆寺を目の前にした時の、あの畏怖の念。
それを。思い起こしてくれます。脱帽!!
薬師寺LIVE (初回限定盤) [DVD]
去年の大晦日の紅白歌合戦で歌う徳永さんを見て、聴いてファンになりました。すぐにVOCALIST三枚買い込み、昔のCDもつぎつぎに買い込み、ライヴのDVDも買い込み、この二ヶ月徳永さんの声に浸りきっています。いくら聴いても飽きない。このライヴの徳永さんの表情、とても穏やかで素敵ですね。インタビューで、前日に雨が降って清められた、と言っておられますが、とっても清清しい表情で、うっとりと見入ってしまいました。声も伸びやかで、夕暮れの空にとけこんでいって、きっと世界中に届いたんだろうなと思いました。これからも感動をいっぱい届けてください。こちらまで清清しい気持ちになれました。感謝します。つぎはライヴで、生の声を聴くぞ!
土門拳 古寺を訪ねて―斑鳩から奈良へ (小学館文庫)
小学館文庫がまとめた土門拳「古寺を訪ねて」全四巻の第一巻、法隆寺・東大寺・浄瑠璃寺とその周辺の寺院の仏像・伽藍・石仏・草木などを収めた写真と土門拳自身のエッセイ、巻末に池澤夏樹の解説と、寺院建築用語の手引き、仏像用語の手引き、古寺ガイド・伽藍配置図、『古寺を訪ねて』関連地図を併せて収録したお得な一冊。自分自身の経験から考えても、この写真を見て仏像や仏教建築に興味を持つ人が続出するだろうというくらいの質の写真が目白押しだ。何か、被写体が見る者の前面に押し出されてくる体の魅力がどの写真にもあって、英語の語意どおりの「表現」を味わえる。このような風物のある街こそ、「古都」と名乗るのにふさわしい。
巻末の手引きやガイドや配置図も使いでのある内容で、手引きについては他の巻でも重複して収録している。
この質でこの値段は安い。手軽に見られるし、重宝しそう。
奈良おさんぽマップ (ブルーガイド・ムック)
遷都1300年で盛り上がりつつある奈良。そのイベントガイドもあるけれど、なんといっても、街並みや名所付近をブロック分けして、通りに並ぶお店や建物の名を網羅してくれているのが心強い! ありがたい! ここからここまでは歩いて何分、という目安も書いてあり、さらに同じ地図が、名所などの見どころと、買い物や食事の注目の店の二つに分かれているので、計画も立てやすい。
しかも全ページカラーで、奈良市内はもちろん、山の辺の道、吉野、當麻まで完全網羅し、料金表示などは2010年1月という最新版で500円とは! 奈良旅行の最強のガイドブックになりそうです。
「世界遺産」の真実---過剰な期待、大いなる誤解 (祥伝社新書185) (祥伝社新書 185)
「世界遺産検定」というものができた時から、これは一体何のためにできて、誰が受けるものかと思っていた。この著者は、その検定で世界遺産マイスターを取得している奇特な人である。そんな人が書いたものを読めば、どうしてそんな検定試験ができたのかが理解できるのかと思って読んでみた。
実際に世界遺産とはどういうものなのか、どうしたら世界遺産と認められるのかをよく分かっている人は滅多にいないと思う。少なくとも私は分かっていなかった。本書を読んで、世界遺産に興味を持った。単なる有名な観光地になる早道だと思っていたが、どうやらそうでもないことも分かった。そこには、文化、歴史、文学など深い意味があることに私は共感した。私は言語と文化に大いに興味があるが、世界遺産に少し「のめりこんで」みようかと思ったりもしている。
世界遺産って一体何?と思っている方、是非読んでみるといいと思う。