Yuming Compositions : FACES (初回)
久しぶりにユーミンの新譜を買いました.懐かしい曲が作曲者自身の声で歌われるのは,うれしい限りです.特に聴きたかったのは「いちご白書をもう一度」なのですが,自分が中学生の時,聴いたバンバンの唄よりずっといいですね.ユーミンってあの時代の雰囲気やあの世代の哀しみを書くのがうまいですね.「就職が決まって髪を切ってきたとき,もう若くないさと君に言い訳したね」のところではじーんと来てしまいました.髪を切るというのは,大人になる一種のイニシエーションなんでしょうね.ユーミンはこういう諦めと寂しさを表現させると最高のアーティストです.自分の半生を考える良い機会になりました.ユーミン,ありがとう.
いちご同盟 (集英社文庫)
ピアノを弾いている無口だが自分の世界を持っている少年、病気でもう自分は長くないと悟っている少女、その少女の幼馴染で元気で明るいが繊細な感情ももっている野球少年の三人の織り成す友情と恋愛、生と死を少年達が体験し考えていく物語。思春期独特の感情の表現の仕方が素晴らしい。感動できます。お勧めです。
いちご物語 (白泉社文庫)
超有名な「綿の国星」と並んでかそれ以上に、この作品や「F式蘭丸」には大島弓子さんの世界が濃密にちりばめられているように感じます。
(今となっては主人公に対する気持ちが子供に対する愛情にしか思えず、恋愛感情に変化していく描写には感情移入できなくなってしまいましたが…年を取ったんだね。)
大島さん的な描写は一時期大量に引用され模倣され消費されまくっていた感があります。そのせいか作品を読み返そうと思ったのは十数年ぶりですが、こんなに細かい絵だったんでしょうか。目をこすってしまいました。大きい版があれば是非手元に置いておきたいものです。
いちご100% 1 (ジャンプ・コミックス)
平凡な主人公男子が数人の女子に惚れられるという設定は現実的ではありませんが、話としては面白いです。
特に女性の嫉妬がリアルに表現されていて、さすが女流作家だなと思いました。
賛否両論ありますが、僕的にはラストさえ良ければもう少し星をあげたかったです。
The Strawberry Statement [VHS] [Import]
☆学園紛争映画というジャンルは【アメリカン・ニューシネマ】が生まれた時代の1つの象徴でもあり、1969年にはリンゼイ・アンダースン監督の超過激な問題作『もしも……』やエリオット・グールドがヒゲもじゃの学生運動の闘士を熱演したリチャード・ラッシュ監督作品『…YOU…』(1970年)等々、世界各国で、色々な形で映画になっているが、これは1968年にニューヨークのコロンビア大学で実際に起こった闘争を、ウェスト・コーストに置き換えて映画化した作品。原作は同時学生だったサイモン・クーネンの手記(同名フィクション)で、オフ・ブロードウェイの劇作家として有名なイスラエル・ホロヴィッツが脚色している。なお本作は1970年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞している。サイモン(ブルース・ディヴィソン)はボート部員のノンポリ学生(死語かな?)。 ストライキ中の大学に、見物がてら姿を見せるのが始まりだ。ストライキの原因は近所の貧しい子供たちの遊び場を、学校当局が取り上げようとしたのがことの発端だった。利用目的は軍事の予備将校訓練隊のビル建設である。サイモンはピリピリしたムードが漂うストライキ中の校内で美人の女性解放委員リンダ(キム・ダービー)と知り合い、彼女に惹かれる形で闘争に参加する。彼女と親しくなれたので、闘争は愉快なモノであったが、やがて闘争の本質を知り、当初はリンダを目当てに闘争に加わっていた彼は下心を捨て去り、本気でこの問題に取り組んでいく。その事によりサイモンは怒りの闘士に変身、積極的に運動を続ける。そして、大学側の腐敗が暴露され、プライドと名誉を傷つけられた生徒たちの怒りが大爆発し、荒波の如く奔流となってあふれ出した。たまりかねた当局は実力行使を決定。武装警官隊は州兵に応援を要請する。やがてバリケードを破り、校内に突入、大義名分の三旗の元に学生たちの鎮圧と一斉検挙を強行する!。という、物語だが、今日的に考えると決して他人事や絵空事ではない内容であり、随所に慄然とするような緊迫感が炸裂。特にラストの地獄絵図ならぬ修羅場の見せ場は映画史上に残るであろう、観るのも躊躇しそうになる程のやりきれないインパクトがある。学園のにこやかな日常生活をしんみり調に描いた前半に対して徐々に不安感を煽る後半の脅威的な展開は白眉。スチュアート・ハグマン監督の斬新な映像感覚にも圧倒される見応え充分の名作です!☆。