舞台美術・照明・音響効果篇 (高校生のための実践演劇講座)
高校生のための、とは書いてありますが、実際にサンプルとして使われたのはプロの公演なのでこだわらなくていいと思います。私は第二章の「照明教室」が目当てで買いました。学生の前でしたワークショップを文に起こした形で書いてあるのでわかりやすかった反面、サンプルになった「熱海殺人事件」を見ていないとわからない箇所もあり少し残念でした。ただ、実際に使われた仕込み図やQシート、さらに機材のスケッチなどが豊富でとても参考になりました。
寝盗られ宗介 [DVD]
原田芳雄が大熱演。クライマックスでは越路吹雪のモノマネまでやります。
若松孝二監督作品ですが、この映画は主張もエロスも抑えてじっくり撮っています。監督がそう来るなら俺はこうする、と原田芳雄が現場で乗ったと思うと、なかなか味わい深い。
ちょっと登場する佐野史郎の、テレビで人気に火が付く直前に完成しており、ブレイク前の佐野史郎が軽い役もやっていたと確認できるオマケつき。
劇場公開中に広告のデザインが変わり、急に佐野史郎の写真も加えて「今話題の、この人も登場」と宣伝していたのも懐かしい。
まぼろしの邪馬台国 [DVD]
この映画を鑑賞したあとは、栄えある第一回吉川英治文学賞を受賞した
宮崎康平氏の同名の原作にあたってみる方が面白いかもしれません。
(現在たいへん品薄の感がありますが、Amazonなら中古も買えます)
映画は吉永小百合さんのしっとり感がたいへん好感が持て、破天荒で
奇人の夫役・竹中直人さんとしっくりくる夫婦役を演じておられます。
宮崎康平氏、和子さんの説はNHK『歴史秘話ヒストリア』の卑弥呼の回
でも紹介され、和子さんのインタビュー映像などもありました。
夫婦で、邪馬台国の謎を心から楽しんでおられた様子が伝わってきました。
それを考えると映画では謎解きに関して伝えきれないことが多く、消化不良気味です。
この映画で触発されて宮崎康平氏の説を詳しく知りたいとなるとやはり原作にあたる…
ということになるでしょう。
地名の読み、音(おん)が大事だとするものの見方は、『あやつられた龍馬』
で有名な歴史小説家の加治将一氏も強調しておられ、漢字自体は音写であるので
それほど重要ではないとのことです。
古来からあるような地名の場合、重要なヒントを与えるものだと私も思います。
(行政の都合で安易に地名を変えるべきではないと思いますね)
セリーヌ・ディオンが拙い日本語で歌っていることが衝撃的な本作ですが、
NHK『坂の上の雲』の第一部でサラ・ブライトマンが拙い日本語で歌っているように
最近の流れなのでしょうかねぇ(^_^;)
二代目はクリスチャン [DVD]
この作品は演じる俳優さんの底力が見えるんですよね。
井筒監督はそれを非常に上手く引き出してらっしゃいます。
流石、井筒監督。
特筆すべきは柄本さんの全編に渡る魅力と、蟹江さんの長回し。
26年前、劇場で観た この作品をきっかけに 柄本さんと蟹江さんの出演作品は全てチェックするようになりました。