YOSAKOIソーラン祭り―街づくりNPOの経営学 (岩波アクティブ新書)
昨年(2004年)の秋、札幌に転勤してきた。さっぽろ雪祭りは知っていたが、YOSAKOIソーラン祭りがどのような祭りかは全く知らなかった。札幌の街は今年のYOSAKOIソーランを迎えた。何かこの祭りについて知りたいと思っていたとき、書店でこの本を見つけた。
共著者の1人長谷川岳氏は、まさにYOSAKOIソーラン祭りの発起人であり、仕掛人である。北海道大学の学生だった長谷川氏が91年に祭りの開催を思い立ち、92年6月に第1回の祭りを開催するまでのくだりは、ノンフィクション作品としても読み応えがある。
名古屋出身の長谷川氏の母が、転移性のガンに冒され、治療のため名古屋から長谷川氏の兄が在籍していた高知医科大学に転院する。見舞いに行った長谷川氏は、しかし学生の身では、何の助けもできない。その中で、病床の母は、高知の街で行われていた「よさこい祭り」を見るように長谷川氏に勧める。その躍動感と熱気に感動した氏は、札幌でこの祭りを開催したいと思い立ち、翌年夏の開催に向け、仲間の学生達と活動をはじめ、よ高知のよさこい祭りに、北海道のソーラン節を結びつけた第1回の「よさこいソーラン祭り」が開催され、大成功をおさめる。その一方で、氏によさこい祭りを見るよう勧めた病床の母は、祭りの1ヶ月余りの後、息を引き取る。
さらに、第1回の成功の鍵であった、高知よさこい祭りのトップチーム「セントラルグループ」を招致するための「セントラルグループ」の社長との飛び込みでの面会、警察から道路の使用許可を得るまでの苦労と工夫、北海道知事と高知県知事の対談を実現させる等の数々の逸話は、読むものをひきつける。
いまや札幌の初夏を代表する祭りとなった「YOSAKOIソーラン」が、いくつかの偶然と著者を含む若者達の情熱と知恵・工夫で始まったことを知ると祭りを見る目も全く変わってくる。
「YOSAKOIソーラン」に見る人、参加する人全てに読んでほしい1冊である。
るるぶ札幌 小樽’12 (国内シリーズ)
実際に、7月末の2泊3日の札幌・小樽旅行で使ってみた感想を述べたい。
いくらネットで情報が入手できるとはいえ、中年夫婦の旅行では旅行ガイドブックは必須だ。私は、定番の本書と、札幌・小樽・富良野・旭山動物園 (楽楽)との2冊を旅行の2ヶ月前に購入して、事前調査および実際に携帯で利用した。
さすがに定番の本だけあって、写真が多くて、事前に旅行への期待を盛り上げるのないよに良かった。内容は食べ物の比重が高く、観光地案内としては少し記述が不足している観があるが、2泊3日で行くことのできる場所は限られているので、この本で十分であろう。読者ターゲットとしては、若い世代向けであろうから、中年の読者は他の本も併読することをすすめる。
ことりっぷ 札幌・小樽 旭山動物園 (ことりっぷ国内版)
旭山動物園と札幌と小樽に行くので、
まさにうってつけ!と思い購入しました。
一般的なガイドブックは一緒に行く友人がチェックしてくれているので、
私はちょっと趣向を変えて、こっちにしてみました。
大きさもコンパクトで、ショルダーバッグに入れやすいし、
中身もガイドブックにありがちな「色々詰め込みすぎてゴチャゴチャ」ではなく、
読みやすくまとまっていました。
好みは分かれるかもしれませんが、
女同士でののんびり旅行にはいいのではないかと思います。
FOLK JAMBOREE IN SAPPORO・IWAMIZAWA DVDBOX 2002~2006
2003から2006まで生で聴いているんですが、2002年を聴き逃してしまったため、財布および妻とよ〜く相談した上で買いました。全く後悔はしていません。高田渡さん、よかったです。また生で会いたかった…。
札幌学 (新潮文庫)
札幌と福岡は、転勤族にとって「憧れの地」だそうだ。
どちらも有名な歓楽街があって都市的な楽しみには不自由しないし、食い物がうまい上に生活費が安い。しかも都会の本社(東京)から適当に遠くて羽が伸ばせる!
本書では札幌の魅力が縦横に語られているが、評者が個人的に面白かったのは「札幌人はどこでもジンギスカンをする」という一節だった。評者は札幌の姉妹都市である米国オレゴン州ポートランド市に暮らしたことがあるのだが、あちらの人々も夏になると公園で川で山で、もちろん家の庭で、やたらにバーベキューをしていた。札幌人のライフスタイルというのは、どうもアメリカ人と似ているらしい。そう言えばタテヨコ直角に街路が交差しているまちの構造だってアメリカっぽい。何より家が広いし。
もう一つ。知り合いの札幌人に、異様にゴキブリを怖がる人がいた。わけを聞いてみると、東京に来て始めて「ゴキブリに飛びかかられる」体験をし、それがトラウマになったのだそうだ。札幌では、夏でもゴキブリが飛ぶ温度にはならないらしい。日本は広い、と思った。