野ゆき山ゆき海辺ゆき DVD SPECIAL EDITION
野~ゆき,山ゆき,海辺ゆき・・・・劇中流れたこの歌が,見終わった
あとに,心に切なく響きます。
戦争の時代,極めて日本的な風景の中で,鷲尾いさ子扮するお昌ちゃん
は,少年達のあこがれ。そう,私やあなたの少年時代に,ほら近所に
いたでしょ,ちょっぴり年上のやさしいあこがれのお姉さん。
でもそのお姉さんはやっぱり絶対にぼくらが追い越すことのできない
存在,いつか遠くへいってしまうのでした。
小椋佳~テーマ・ソングス(1)CMソング
ドラマやCMで使われた曲を収録した2枚組みCD。
小椋佳のベスト盤等では絶対聞けない曲だらけです!
一曲一曲が「これぞまさに主題歌!」と聴いている側を否応無く
物語世界へ惹きこんでくれます。
自分は「光の橋を越えて」目当てに当時定価で買いましたが
全曲バラエティーに富んでいますので!こりゃぁあ儲けモノ!”
という結論になりました。
「小椋佳って歌謡曲の歌手でしょ・・・」と敬遠されている人にも
お薦めします!あなた好みの曲がきっと見つかるハズ・・・・。
田園の憂鬱 (新潮文庫)
本作品には筋らしきものがない、というのが一般の定説でありながら
その実は改稿を重ねた佐藤春夫の意図がしっかりと全体の中に息づいております。最初に象徴的に現れる薔薇、日々の経過の中で自然に忘れられてしまう薔薇、そして最後に病める薔薇として再度登場する薔薇・・・でもこの薔薇の比喩を通して読者は主人公である「彼」の静かな魂の遍歴を、ともに、叙情的にそしてある意味荒々しく味わうのです。当初、薔薇の育成を助けるために太陽光があたるように周囲の木々を切り取ってしまう描写は、おもいきって都会の生活を捨てて魂の療養に田舎にやってきた主人公に重ねられています。しかし主人公がすべての都会の喧騒から忘れられてしまうように、その薔薇も主人公から忘れられてしまいます。振り続ける雨・・・ドッペルゲンガー現象を暗示させる闇夜のもう一人の自分との遭遇、そして鎖に繋がれた彼の二匹の愛犬が、主人公の閉塞した精神とその世界のゆるやかな崩壊を、まるで通奏低音を効かせる静かなオーケストラの如く、流れ、音もなく読者の心に染み入ってくるさまは、ある種の静謐な暴力とでもいえるのではないでしょうか。最後に「彼」を襲い、翻弄する薔薇の象徴的な姿は、この作品にとどめをさす効果十分ともいえます。しかしながらこの作品が、それでもまだ青々しくもかつ、希望の光を湛えているのは、燃え立つような緑の底で狂う主人公の若さだとも思います。佐藤はこの青年に魂の崩壊という悲劇を与えながら、そこが都会のコンクリートジャングルでなく、自然の懐であったという場面を通じて、人間の、あるいは若さの無謀なまでの力を表現することに見事成功しているといえましょう。最近、活字が大きくなって大変読みやすくなっています。雨の降る土曜日の静かな午後などに、ぜひにご一読を。
小椋佳大全集(35周年記念作品)
「渡良瀬逍遥」「いたずらに」などの名盤がオークションでも手が届かなかった頃に発売されたこのボックス企画は、値千金でした。最近になってほぼ全てのCDが手頃な価格で再発されましたが、小椋佳さんの足跡を辿るうえで貴重なCDボックスだと思います。
全曲が収録されている全集企画ではありませんが、14枚に06年のライブを含む233曲を収録。しかもこの値段!一枚1400円以下です。
私はほぼ全てのCDを持っていますが、琴線に触れる名曲は、ほぼ網羅されています。
繰り返し読みたい日本の名詩一〇〇
詩集を初めて買う方にも、そうじゃない方にもお勧めな一冊です。高村光太郎の「レモン哀歌」や中原中也の「汚れちまった悲しみに…」など。皆一度はどこかで読んだ事があるような代表的な詩ばかり。
ちなみに私は石垣りんさんの「くらし」が好き (・_|
いろんな人の詩が入ってるので、新しい詩人との出合いがあるかも。
お勧め!