イノなき
V6のいのっちが毎日休まず書き続けた日記。とても分厚い本ですが、面白くてどんどん読み進めました!!
日記に書かれた1000日間中、これといった大きな出来事はほとんど起こっていません。でも、そんな何てことない日常を彼はここまで楽しく生きられるのか、と感心させられます。そして、読んだ私も何だか明日からの生活が楽しみになってしまうのです。
星が5つじゃない理由は、ジャニーズのタレントについてあまり知らない人にはわかりにくい部分が少し含まれていたから。でも、注釈もついているため、ジャニーズを全く知らない人でも充分楽しめるはずです!
また、日記には森山直太朗さんや武蔵さん等、いのっちのお友達も続々と登場し、「芸能人の日常ってこんなんなんだ」と興味深い内容もあり、面白いです。
笑ったり、感動したり、「そうそう!」と共感できたり・・・。とにかく盛り沢山な内容です。アイドルいのっちの単なる日記としてではなく、人生を楽しく生きるための参考書としてぜひ1度読んでみてください。
「毎日退屈だなぁ」なんて思っているあなたにぜひお薦めしたい一冊です!!
ユライ花
歌い手として大切な要素は、ワンフレーズを聞いて誰が歌っているかをリスナーが分かることだと思います。美空ひばりしかり、松田聖子しかり、そして中孝介しかり。
中孝介の声に含まれる倍音の多さが心地よさにつながり、素晴らしい個性を持った歌い方がその魅力を増しているように感じます。
言葉には歌詞を伝えるという役割がありますが、日本語の意味が分からない中国、台湾、香港でいち早く中孝介の存在を認めたのは、その歌唱の温かさがアジア全体の共有文化を表現しているからだと思います。
多くの文化が、海を越えて大陸と日本とを結び伝承したように、奄美大島をルーツとするシマ唄の中にはアジア圏全体を包みこむ心地よさのエッセンスが詰まっているのでしょう。
勿論ヒットした「花」も名曲だと思いますが、江崎とし子作詞・作曲の「それぞれに」がいいですね。人生につきものの別れは新しい旅立ちの始まりだ、ということをステキな歌詞とメロディに乗せて歌いあげています。メッセージを伝える歌唱というのは実に難しい作業です。歌心があって、それを見事に伝える巧さとが相俟って始めて心の琴線に触れる訳ですから。「なつかしゃ」の本質はそこにあるのでしょうね。
ラストに歌われる「家路(piano ver.)」は絶品でした。ステージで200回ほどコンビを組んできた黒木千波留のピアノとの相性は抜群です。ライヴと同様、一発録りの凄みがその歌とピアノからストレートに伝わってきます。人の心の奥底にダイレクトに伝わる歌の持つ力の凄まじさに圧倒された思いです。この曲を聴くだけでもこのアルバムの値打ちはあると感じました。
やさしく弾ける アコギで歌おう 森山直太朗/全曲集 [色付きコード譜] アルバム「諸君!!」までの全曲を収録。
この会社の弾き語り集を愛用しています。
長いこと欲しかった森山のコード集をget。
ボリューム満点で大満足です。
できれば増刷してもらって、最新の楽曲も収録していただけるとありがたいです。
真幸くあらば [DVD]
尾野真千子が上手い。クリスチャンゆえに罪も罪人も憎めない。それどころか、婚約者には裏切られ、夫とのあいだには断絶さえ感じ、唯一心を許せるのが淳なのだ。しかし、彼には触れることもできず、その命の期限は確実に近づいている。淳を愛してしまう薫の覚悟と葛藤と純潔を、薫になり切って表わす芝居はみごとだ。
とにかく静かな映画だ。固定カメラで構図に凝った映像に主人公2人の独白によって、物語は淡々とすすんでいく。それでも飽きさせないのは、映像のクオリティの高さだろう。撮影班がいい仕事をしている。ピアノ1台で過不足なく添えられる音楽も素晴らしい。作家が撮ると奇をてらった表現が映画を台無しにしがちだが、詩人が撮るとこうも静謐な映画になるのかと唸らせる、実に詩的な佳作だと思う。
ただし、ラスト15分までは。
気持ちと時間は同じ。しかし、場所を隔てて結ばれる情交は無理がある。思い切りブルーの色調に振って、2人の情欲の昂揚に統一感を出そうとしているのは分かる。フィルムをブルーにするのなら、いっそブルーフィルムばりの激しいクライマックスにしてもよかったのでは? もちろん理想は直接の「まぐわい」だ。トリックは蒔田光治か伊坂幸太郎あたりにお願いして。
この濡れ場とエンディングだけに森山直太朗の歌が挿入されるのにも違和感を感じた。とくにエンディングテーマの陽気な曲調は、せっかく繊細に積み上げてきた映画をぶち壊している。どうせぶち壊すなら、ラスト15分の濡れ場そのものでやってほしかった。