唐招提寺1200年の謎 天平を駆けぬけた男と女たち [DVD]
唐招提寺を建立する為に鑑真とその弟子が苦闘していく姿を描いた
ドラマ仕立てのドキュメンタリー。
鑑真といえば、教科書にも出てくる中国の高僧。
だが、日本にたどり着いた後の事は意外と知られていない。
日本の格付けとして鑑真の高名は利用された後
放置に等しい扱いを受け、その活動は困難かつ悲惨を極める。
愚かな日本の政治家の政局に翻弄されながらも、
必死に仏の教えを広める為に戦い抜き、弟子如宝に後事を託す。
ドキュメンタリーとドラマが交互に繰り返す構成になっており
「お、ドラマが盛り上がってきた〜」と思っている所で
脳天気なナレーションのドキュメンタリーが始まったりするので、少々きついw
とは言え、ドラマパートは素晴らしい出来です。
鑑真(中村嘉葎雄)の悟りきった捨て身。
その師の意を受け継ぎ 唐招提寺を建てるために情熱を傾ける如宝(中村獅堂)。
友、如宝の友情の為に出世を捨てて協力する仲麻呂の息子、藤原刷雄(山本耕史)。
国づくりの為に自らの巨悪を認識しても突き進む藤原仲麻呂(永島敏行)と
道鏡(魔裟斗)に惑う、孤独な孝謙=称徳天皇(南野洋子)。
映画の様な臨調感で素晴らしく、きちんとしたドラマでないのが勿体無かった!!
古寺巡礼 (岩波文庫)
若い頃、店頭でパラパラとページを繰って目に入った写真から、お寺や仏像の紹介本と思ってこの本を読み始めたところ、アジャンターの壁画がどうの、「甲子夜話」がどうの、どこそこに行って風呂がどうの、などと続き、何じゃこれは、と思い棚に戻したことがあった。
今度、改めて通読し、全く違う内容をたいへん面白く読むことができた。それは、初見の時からすれば相応に歳をとったせいかもしれないが、それはさておいて、何が面白かったかといえば、奈良や飛鳥の諸寺院や、博物館を中心に訪れ、そこの建築や仏像などにふれるにあたって、それを取り巻く空間や時間を自由に飛翔し、それらの特質、本質を考究する知的な旅をする、その旅が面白かったのである。
そのような旅をなぜ若き和辻ができたのか。
それは、彼の若くして有する該博な知識に負うところはあろうが、それに加えて、彼の視角が広いこと、そこにあるのではなかろうか。たとえば、伎楽面を巡って、その面が大仏開眼の時にどのように楽と舞において使われたかは勿論、それが作られた天平にとどまることなく、平安、鎌倉以後にも目を移して、猿楽、田楽、能、狂言などとの関係を考察し、その目は、ギリシャ、ペルシャ、ガンダーラ、西域、中国をも経巡り日本へと帰ってくる。評者は才あらず的確に要約できず、そのすごさは本文にあたっていただくほかないが、時空間を広く厚くたどった考究が展開される。とかく焦点を絞って分析的に深く追求することが重んじられる現代において、和辻の広い視角は、その本質を捉えるに十分なだけ全体像を把握できていて学ぶところ多い。該博さは往々にして真似できないが、俯瞰する視点をもつことはかなりのところまで努力により可能である。
めざすは飛鳥の千年瓦
素晴しい本に出会いました。著者の波乱万丈の一代記、興味深々で読ましていただきました。笑いあり涙あり、感動で涙が出てきた場面もありました。著者のいい瓦を後世へ伝えたいと言う思いがひしひしと伝わって来ます。この本を読んでもらいたいと思う知人にプレゼントしたいと思っています。また、本の装丁もよく写真も素晴しいです。著者の今後の展開がどうなったか。是非、続編の発刊を期待致します。
昴
一番最初に買ったこのグループのCDですが、「昴」が谷村新司の曲だとは知らないで買いました。(笑)厳かな音色だけど嫌な感じはせず、歌声が入ってる方も入ってない方も和楽器の音色が聴いていて心地よい曲です。ボーカルの優しい歌声がとても素敵です。
「昴」も良い曲でしたが、カップリングの「巡る春」もお勧めです♪歌詞が少し切ない感じだけど暖かい曲で、春になったら満開の桜の下で聞きたくなる曲です。(^^*)
よくわかる国宝 国宝でたどる日本文化史 (楽学ブックス―文学歴史)
現在、国宝の指定件数は、1076件。本書で紹介しているのは、とっておきの153件。古くは縄文のビーナスから近くは江戸時代の鷹見泉石像まで。
各時代毎に代表作品を載せて、ポイントを三つにしぼっている。「いつ頃?」「この時代を読み解くキーワードは?」…平安時代なら〈政治抗争〉「この時代の国宝の特徴は?」…鎌倉時代なら〈運慶・快慶・湛慶〉
見開き2ページ、右に説明文、左にカラー写真と観賞のポイントを示し、コンパクトな構成になっていて、大変見易い。
日本文化の全体像をビジュアルに編集し、鑑賞のポイントや実際に訪れるための旅行ガイドも付す。
国宝鑑賞への招待と言える本書。これだけは知っておきたい国宝鑑賞用語 都道府県別国宝の数は? 見ておきたい国宝…など。
世界文化の見地から価値が高くたぐいない国民の宝に対して指定される「国宝」…仏像、建築物、絵画の国宝を時代別に紹介するガイドブック。鑑賞のポイントや歴史、アクセスなども掲載されていて、親切な本。