なんだか一生懸命に働くカトリに見入ってしまいます。作品中でカトリが働く様はオープニング映像そのままです。
牛番として朝から夜まで働き、手伝いをして、さらにその後聖書や叙事詩などの本を読んで勉強します。
実際に大学の実習で牧場で牛などに触れ、牛30頭の番をする大変さを知りました。牛って結構凄まじいんですが…。
がんばって、がんばって、ただそんな描写に釘付けになってしまいます。
この巻ではライッコラ屋敷に雇われ、隣の屋敷で働くペッカと話をしたり、子供を亡くして変わってしまった奥様に
ほんの少しずつ愛情を呼び起こさせたりしていきます。
一人ひとりのキャラクターが丁寧に描かれていて、ペッカやアンネリさんなど、とってもいい味を出しています。
なんだか地味なんですがおもしろいです。人物描写が落ち着いていて、丁寧で、とても親しみを感じます。
ああ、ペッカみたいな友達いたなぁ、とか、アンネリさんみたいな人いそうだなぁ、とか。
そんな共感がもてるのがルーシー、アンネット、カトリと続く三作品だと思います。
第九話でカトリが具合が悪くなって見る変な夢、悲しい夢などの描写もなんだかリアリティがあります。
また、シベリウスの音楽が流れるフィンランドの情景もきれいです。
また、蛇足かもしれませんが、つくづく日本語の変化に気づかされます。もちろん今のような耳当たりの悪い
略語の氾濫や言葉の乱れなど全く無く、また、驚いたことに発音の仕方も違います。
「ライッコラ屋敷」と発音する時と「ライッコラ」と発音する時、今は高低を変えて発音をしますが、この作品中では
同じ発声をしています。昔ってこうだったのでしょうか?