潤一郎訳 源氏物語 (巻2) (中公文庫 (た30-20))
谷崎源氏はいかにも女官が読者に語りかけるように書かれているところに大きな特徴があると思います。谷崎は語学的文法的なバックアップは専門家に任せて、自分はある程度自由に日本語を崩しています。つまり、書き言葉以上に話し言葉なら、文法にこだわる必要が少ない事を谷崎はよく知っていました。谷崎の文体は非常に音楽的なので、文法に拘ると作家の理想である流麗な文体が実現しないからなんです。また同時に、話し言葉の日本語の場合、この源氏に限らず、シチュエーションに大きく左右される言葉であるため、尊敬語謙譲語の使い分けが文体の大きな特徴となって来ます。つまり読者に向かって、宮廷での自分の立場を常に明確にしなければ人物を描写することもままならない。しかし、こうした自由自在の尊敬語謙譲語の用法をみていると、いつのまにかヨーロッパ言語の人称変化を彷彿としている自分を感じます。源氏の日本語は、主語がなくても主体がわかるヨーロッパの古典語に共通する格調高い響きと音調があります。
英語の3人称にSがつくのも、なれてくるとやはり他人には気をつかわなくてはならないので、自分や話し相手とは違った他人?という意識からこうしたSがついてくるような気がしてくる。それと同じで、日本語は上下関係の人間関係が厳格なので、ついこのような尊敬の文法の変化が複雑不可欠になってくる。本当に言葉は言語はニンゲンの気持ち考えを100%表している事実を知る良い実例です。
紫式部の実に繊細で込み入った感情をあらわした文体。彼女の周囲の人間に対する尊敬、憧れ、そして軽視、軽蔑、身分の違い、上のニンゲンに対するへりくだりの感覚が微細に読み取れます。美しいそして明確なニンゲン関係がこの現代語訳には、実に克明正確に移し換えられています。
デザートライドアンドデイズインバハ
2003年に参加したバハ1000の話がメインになってますがトータルで見事なバハカリフォルニア半島のガイドになってます。バハ1000に出なくてもバハトレックしたくなること請け合い!!写真も良いしあっちの空気が感じられてとっても良いです。あと日本人参加し始めてからのバハの歴史のページもあってちょっと懐かしい気分にもさせられます。実用スペイン語講座、食い物屋、バハ地図等テンこ盛りのこの本買わにゃあマズいっしょ。
久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [DVD]
先ほど見終わりましたがすごいです!!
合唱団の多さや、巨大スクリーンに映し出される映像も迫力満点です。
時間が経つのも忘れて、あっという間に終わってました。
最後に宮崎監督が客席にて映し出された時はなぜだか感激しました。
見終わった後に自然と笑みがこぼれていてました^^
天空の城ラピュタ [DVD]
もはや説明は不要といえるスタジオジブリの名作。
ストーリー、ビジュアル、音楽・・・・・どれをとっても文句無いです。
今から20年も前の作品だとは思えません。現在の地球と人類の状況に通じるものがある。
この壮大で奥深い内容を2時間でしっかりと描き、なおかつ混乱させずに見せるのは、「お見事」というより他にありません。
久石さんの音楽も作品の世界観に合っているし、素朴で美しい。
加えて、ジブリの一番の魅力(だと勝手に思っています)だといえる映像。
最低限の特殊効果でここまで迫力のある映像を生み出せるのは本当にすごい。
いつも思うのですが、スタジオジブリの作品はアニメの域を超えた『芸術』ですね。
子供は純粋に冒険活劇として、大人は作品にこめられたメッセージを感じながら楽しめます。
そして、子供達が大人になったらもう一度観返して、そのメッセージを感じ取る・・・・・。
こういうことこそが本当の『大人も子供も楽しめる』作品であると思います。
本当はこの作品には5つ星を付けたくありませんでした。
だって、これに5つ付けてしまったら、他の映画が2つ星や3つ星になるからです。
それくらい秀でているんですよね。少なくとも、私の中では。
今まで観てきた多くの映画のなかでも、やはりラピュタが一番好きです。
現在も、そしてきっとこれからも、日本アニメの歴史に残る大傑作です。
今を生きる者として、一度は観ておいて損はありません。