岩波 理化学辞典 第5版
専門用語の説明に、別の専門用語を使用するということは避けられない。しかし、本CD-ROMの場合、説明文の中で用いられている専門用語のうち、この事典に収録されているものは、リンクにより一発でジャンプできるようになっている。これは、書籍版にはない便利な点で、大幅に検索の労力が軽減される。また、欧州語からの検索も可能であり、英、仏、独のほか、本事典に収録されている用語すべてではないが、ロシア語からの逆検索も可能になっている。書籍版の用語の説明文の中で用いられている数式や化学式、図表関係は、もらさず図版で収録されている。さらに、EPWING規格に準拠しているため、同規格の広辞苑や新英和中辞典などと同じ検索ソフトで併用することができる。
今あるガンが消えていく食事 (ビタミン文庫)
今のお医者さんは多忙で、余計なことを考えている暇はないようだ。だから、外科のお医者さんなら手術が成功すればそれでおしまい。その後患者さんがどうなっているかなんて、気にかけているゆとりはなさそうだ。著者が食事療法を始めるきっかけは、患者さんのその後を気にかけるところから始まっている。書かれていることも至極まともだ。抗がん剤や放射線の治療が効果をあげるためには、患者さんの免疫力を下げないようにしなくてはならない。そのために食事療法が必要なのだ。
食事療法のポイントは以下の4つだ。
1 できるだけ無塩に近い生活
2 動物性脂肪とタンパク質の禁止
3 未精製穀物の摂取
4 大量の生野菜の摂取
それぞれ、どうしてそうしなければならないかが、説明されている。特に塩分の摂取については、詳しい説明がなされている。疑問に思ったのは、マクガバン報告のキャンベル教授の動物実験の例を引きながら、動物性タンパク質の有害性を説明しているにもかかわらず、ヨーグルトを推奨していることだ。キャンベル教授が実験に用いているのは、牛乳のカゼインであり、キャンベル教授はその著書で乳製品の有害性を厳しく追求している。もちろんヨーグルトも例外ではない。それにもかかわらず、ヨーグルトを推奨するのならば、それなりの根拠がほしいが、その根拠がやや薄弱だ。乳酸菌を取りたいなら、豆乳ヨーグルトでも良いと思うのだが、なぜ敢えて牛乳のヨーグルトを勧めるのだろう。
食事療法のメニューは、エセルスティン博士の心臓病の食事療法のメニューなどに比べると緩やかである。食事療法を行うならば、心臓病は食生活で治す 葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻) 葬られた「第二のマクガバン報告」 (中巻)も読まれることをお勧めする。心臓病、ガンに限らず、ありとあらゆる生活習慣病に対して食事療法が有効であるという結果が出つつあるのに、なぜ食事療法がもっとクローズアップされないのだろう。そのほうが不思議だ。
いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ 第1巻 まずは統計アレルギーを克服しよう! (Dr.あさいのこっそりマスターシリーズ)
数式は全然出てきません。p値の意味、「有意差あり」とはどういうことか、p値ではグループ間の差の程度はわからないこと、信頼区間の意味、幅、平均値、標準偏差、四分位範囲等々がやさしい例をもとにわかりやすく説明されています。重要なところはポイントとしてまとめられており、章の最後にも「この章のまとめ」が簡潔にまとめられていますので忘れたときや確認したいときに便利です。。章ごとに練習問題もありますが統計の意味、解釈がわかっていれば解けますのでメモ帳不要、電車の中で十分に解けます。もちろんこの本だけでは実際の統計処理はできませんが、タイトル通り「基礎のキソ」がよく理解できます。意味が十分にわからないままに数式を当てはめて迫る学会を乗り切るため統計結果をだしてきた私には改めて良く理解できる本でした。
健康への道標 ~KCSが行うほんとうのカイロプラクティック~ マンガ版
カイロプラクティック業界の人間です。
私もWHOガイドラインに示された「国際基準教育」を受けていない方々が、日本において勝手に「カイロプラクター」を名乗っている事を、常日頃から苦々しく思っておりました。
いわゆる「専門書」ではなく、一般の方を対象とした書籍で、その点を濁さずに記述した物は、マンガと言えども、これが初めてではないでしょうか?
これから様々な形で起こるであろう、業界の反発を恐れず、出版に踏み切った著者の姿勢に、まずは敬意を表します。これは、KCSさんだけでなく、他の国際水準のカイロプラクターや、そのサービスを希望する一般の方々にとっても、非常に大きな意味を持つことだと思います。
実を言うと以前、私はKCSさんに対して、あまり良い印象を持っていませんでした。しかし、業界のイベントなどで、会員の方々と実際にお会いするにつれて、それが誤解だったのかも、と今では思い始めています。
ただ、私のような個人で臨床する者からすると、今回の出版と、Amazonランキング1位獲得は、羨まし過ぎることなので、「ジェラシー」を込めて、評価の星を4つとさせて頂きました(笑)。
胸部X線診断に自信がつく本 (「ジェネラリスト・マスターズ」シリーズ 1)
著者は総合診療発祥の天理よろづ相談所病院のレジデント担当部長。呼吸器内科をsubspecialityとし、総合診療の立場から若い研修医に胸部レントゲン写真の読み方を長年に亘り、指導してこられた。その指導が凝縮された一冊と思います。私は卒後30年の開業医ですが、このような教科書があったら、もっと自信を持って胸部X-Pを読めたのではないかと思います。多くの研修医に読んでもらい、実際の診療の場で活用してもらえれば臨床力が上がると考えます。