ユーロアーツ ドキュメンタリー ピアノ、その300年の歴史 [DVD]
ピアノの歴史を概観する場合,『カラー図解ピアノの歴史』(河出書房新社)にしろ,『ピアノはいつピアノになったか』(阪大リーブル)にしろ,チェンバロから始まってヨーロッパのピアノの変遷をたどるのが常ですが,この番組は後半はアメリカのピアノに焦点が当てられています。当然、スコット・ジョップリンのラグタイムやジャズ演奏におけるピアノについて触れられているのが特徴で,その分、前半は物足りない内容になっています。最後は日本のヤマハにスポットが当てられていて、ピアノ及びピアノ音楽が本家本元のヨーロッパから始まったものの、アメリカで発展し,いまや日本を経てアジアへ進出している歴史が語られています。
アート・テイタム~ベン・ウェブスター・クァルテット+3
ヘンダーソンやエリントン楽団での名演奏の数々で、あるいは、バップ時代には老練なバラード演奏で一世を風靡したベン・ウェブスターの、更に齢を重ねての、ピアノ王テイタムとの大物同士の顔合わせアルバム。
ミディアム・テンポの1.と5.を除けば、どれも皆スローのバラードである。
円熟の極みとはこのような演奏を言う。豪快にして繊細なベンのテナーを、万事控えめなベースとドラムスがサポート。コルトレーンのバラードが「近代的」なら、こちらはオールド・ファッションの極致とでも言おうか。きらびやかなテイタムのピアノが好対照をなして、アルバムに華を添える。
ロリンズのバラードが好きな人なら絶対に気に入るはず。
モノラル録音だが、分離がよく、決して古さを感じさせない。
ホールド・ザット・タイガー!(1933 - 1940)
ここには影が全くない。生きるよろこびに溢れている。
何という楽しさだろう。この人の初期ソロ演奏に
はまったら、しばらくは他の人のジャズピアノが聴けなくなる。
アート・テイタム~ベン・ウェブスター・クァルテット+3
GONE WITH THE WIND が3曲もあるなんて変、などとイージーにこのアルバムを見過ごしてはいけない。人生でこのアルバムに出会えることは幸運以外のなにものでもない。魂に優しく語り掛けるピアノとサックス・・・至福の時に浸るばかりである。涙まで出てくる。星10個が許されるなら、ためらわず10個つけたいアルバム。
アート・テイタム~ベン・ウェブスター・クァルテット(+3)
悠然と歌うベンのバラードを聴こう。
音数の多すぎるテイタムのピアノは、うまいのかもしれないが、あまり面白いとは思わない。けれども、ここではベンの音と好対照を成して、うまい具合にベンの引き立て役となっている。
曲がまたよい。「風と共に去りぬ」で始まり、「オール・ザ・シングズ・ユー・アー」を、ただの素材としてでなく、それ自身の美しさを慈しむように吹く。そして「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」だ。雰囲気を壊すような曲は一曲もなく、最後まで酔える。
バラードの名手の、極めつけのバラード集。