ドロップ スペシャル・エディション [DVD]
ライバル登場→たたかう→仲間になる→ライバル登場、、、延々とこの繰り返し。
鉄パイプで殴ったりしてんのにすぐ回復。リアルさのかけらも無し。
男同士の友情に比べて男女の恋愛描写はほとんど添え物。
永遠に続くかのように見えるモラトリアム。
最後のほうで上地演じる元不良が死ぬけど、
ぜんぜん主人公達のモラトリアムが脅かされる訳じゃない。
主人公達の責任や成熟は描かれない。
ラストは主人公が自ら街を出たくて出ました。終わり。
これってまさに少年マンガだよね。
少年マンガからの引用で成り立ってる映画はあったけど、(小林サッカーとか)
ここまで少年マンガにどっぷり浸かった映画ってみたことない。
ある意味あたらしい映画。
作中にドラゴンボールの小ネタを挿入してるあたり、
品川はけっこう確信犯的にやってんのかもしれない。
スープ・オペラ [DVD]
こういう雰囲気、トーンの映画を、久しぶりに見た。
すべてにあたたかな視線を注いでしまう作品。
現代の小津映画。もう少しアングルが低かったら、もっとよかった。
セリフがいい。撮影がいい。音楽がいい。スタイリスト宮本さんの衣装がいい
(坂井真紀のワンピースと藤竜也のアロハ)。
舞台となった「家」がいい。室内空間の美術がいい。
タイトルからも分かる通りに、この映画には料理が出てくるし、
調理や食事シーンが何度も出てくる。
最近の日本映画で、食に焦点を当てた作品が多いのは、
足下がぐらぐらになってしまった、行方不明のような状態で、
生きる原点である食を作品の中心にしようとしている無意識の作用なのだろうか。
などと、こむずかしいことも頭の片隅に置きながら、
なんともここちよい時間にひたれる作品。坂井さんの代表作の誕生。
名台詞や名場面はいくつもありますが、はっとするほどいいなぁと思ったのは、
トニオさんと主人公が微妙な感じで親しくなってきた時。
シングルの男女が接近して、お互いの好意を確認できた後は、肉体的な接触に向かう。
そこで彼は言うのです。「握手しようか」と。そして手を差し出す。
「ちゃんと握手するのは、いいものです」。
いちばん心に残っているのは、
ラストでメリーゴーランドに乗って、彼の背中に寄りかかりながら、
主人公が「あー、気持ちいいなぁ」と言う、その前後の30秒くらい。
ここが自分的には、この映画のクライマックス。
映画では朽ちたメリーゴーランドが重要な存在になっていますが、
終盤、唐突に登場する観覧車シーン。まったく予測していなかっただけに、驚いた。
今まで見てきた中で、観覧者が出てくる映画に駄作は皆無。本作でも、観覧車の法則が証明されました(笑)。
もっといろいろ知りたくて、映画パンフを買った。
原作も読んだ。頁の中で、トニーさんと、コバちゃんにまた会えて、うれしかった。
原作の中では、観覧車もメリーゴーランドも出てこない。主人公の人物造形もかなりちがう。
この映画は、かなり大胆に、巧みに、独創的に、映像作品への翻訳をしていたことを知った。
ドロップ スタンダード・エディション [DVD]
ライバル登場→たたかう→仲間になる→ライバル登場、、、延々とこの繰り返し。
鉄パイプで殴ったりしてんのにすぐ回復。リアルさのかけらも無し。
男同士の友情に比べて男女の恋愛描写はほとんど添え物。
永遠に続くかのように見えるモラトリアム。
最後のほうで上地演じる元不良が死ぬけど、
ぜんぜん主人公達のモラトリアムが脅かされる訳じゃない。
主人公達の責任や成熟は描かれない。
ラストは主人公が自ら街を出たくて出ました。終わり。
これってまさに少年マンガだよね。
少年マンガからの引用で成り立ってる映画はあったけど、(小林サッカーとか)
ここまで少年マンガにどっぷり浸かった映画ってみたことない。
ある意味あたらしい映画。
作中にドラゴンボールの小ネタを挿入してるあたり、
品川はけっこう確信犯的にやってんのかもしれない。
八日目の蝉 DVD-BOX
小説、映画、そしてこのTVドラマと3つの作品があるわけだが、それぞれ特徴があるように思う。共通しているのは「子育てが生み出す幸せ」というテーマなのは言うまでもない。
原作はやはり子供のいとおしさを描く豊かさが抜群だ。これは映像作品では伝えられない。
映画はリアリティに重きをおいているように思う。得に写真館での撮影の前後において、希和子の「もう終わりだ」という感じが切迫感をもって伝わってくる。井上真央の濃い演技にも注目。
TVドラマのすばらしいところは、作品のテーマをクローズアップしているところだと思う。捕まる直前に叫んだ言葉を薫が追うという設定や、「八日目の蝉」が目の当たりにする映像のイメージ化、そしてNHKが付け加えたと思われるラストの再会シーン。
ラストの再会シーンは、最初観たときは納得できなくても、ドラマを何度か観返すと理解できるようになってくる。この意外な薫の動作には私が思い描けるだけでも5つほどの意味が込められていて、とにかく含蓄が深い。このDVDの最大の感動ポイントではないだろうか。
薫は希和子が愛したものを見抜き、自分の運命を悟り、それでも決意を秘めて未来へと向かうのである。