ストレイト・ストーリー [DVD]
ツインピークスなどでお馴染みの鬼才デヴィットリンチ監督による、実話に基づいた映画。
兄が倒れたと連絡があり、アルビィンは長年確執のある兄の元へトラクターでの500kmに
及ぶ移動を実行します。周りの人の親切も手伝って、なんとかたどり着くというストーリー
です。
淡々とした時間と音楽がとても良い雰囲気で、様々な出会い、サイドストーリーに笑い、
また胸がじ〜んとなります。男がこうだと決めたら廻りが何を言おうと信念を持って実行する。
そんな頑固なアルヴィン爺さんがとてもダンディに思えました。
鑑賞中ふと考えたことは、なぜアルヴィンはトラクターでの移動を決意したのか?
劇中で示されている理由だけではないと思いました。その答えは最後、無事兄に
逢えたときの場面にあるように思えました。
仲直りしたい気持ちを苦手な言葉ではなく、大変な移動という行動で示したことで
兄は弟の心を逢った瞬間に理解したんだと思います。
とても心あたたまる映画でした。
the straight story ストレイト・ストーリー
高校生のとき、図書室で借りて読みました。
村上龍氏が文章を書いていたんですね・・イメージでは無かったので少し驚きました。
絵本のような感覚でさらさらと読めると思います。
主人公のおじいさんが旅をする話なのですが、印象的だったのは旅の途中で家出した少女(恋人絡みだったような気がします)と会うシーンで、おじいさんは彼女と一緒に食べ物を食べたり少しずつ話をするんです。
少女は結局家に戻るのですがそのときの少女の別れの挨拶が曇っていた空が晴れたような、気持ちのいいものでした。
物語は淡々と綴られます。
きっと5年、10年経っても覚えていると思います。
ストレイト・ストーリー [DVD]
杖を2本つかなきゃ歩けない、アルヴィンじいちゃん。
10年来仲たがいしたままの兄が倒れたと聞き、
じいちゃんは、遠く離れた兄のもとへ自分の力でいくという
大きな決心を胸に、66年製の小さなトラクターで出発。
そんなじいちゃんと小さなトラクターの旅がつづきます。
ただただ、アメリカの田園風景の中の道を
じいちゃんとトラクターが淡々と進むだけなのに、
なんとも目が放せない物語。
道々出会う人たちとの交流の中で、
じいちゃんの発する言葉が、なんとも温かく重い感じ。
見終わった後は、温かな気分になる作品かな。
ファーンズワースじいちゃん曰く「自分そのままで演じられた」
その自然な演技にもご注目。
ストレイト・ストーリー リストア版 [Blu-ray]
主演のR・ファーンズワースは、若い頃はジョン・ウェインやヘンリー・フォンダの
スタントマンだった。「暴力シーンや汚い言葉がひとつもない」ということが、この
作品への出演の条件だった。地のままで演じられたと記者会見で自らが語っている。
あえて監督名を伏せて、このスローでスローな直球ロードムービーは誰の作品か?
とクイズをだしても、「イレーザーヘッド」「エレファント・マン」「ツイン・ピークス」の
あのデヴィット・リンチ監督だと答えられる人は少ないであろう。
「幸福の黄色いハンカチ」同様ちょっとしたエピソードを織り交ぜながら、一直線に
ラストに向かう。最後の台詞もストレートかつシンプル。R・ファーンズワース自身
一番好きな場面という「家族とは折れない小枝の束」というのは日米同じ逸話だね。