映像のための音楽~平沢進サウンドトラックの世界
曲目は以下の通りです。
1. デトネイター・オーガン/OVA「デトネイター・オーガン」テーマ曲
2. カムイ・ミンタラ/カムイ・ミンタラ〜嶋田忠・森のメッセージ
3. ロタティオン(LOTUS-2)/劇場アニメ「千年女優」EDテーマソング
4. NATION-F/未発表曲(製作中止となったゲームのテーマ曲)
5. INDRA/「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」ゲームサウンドトラック
6. 夢の島思念公園/「妄想代理人」OPテーマソング
7. Sign/「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」ゲームサウンドトラック
8. 白虎野の娘/劇場アニメ「パプリカ」EDテーマソング
平沢さんが音楽を担当された作品のテーマ曲を集めたCDです。
未発表曲以外は、今までそれぞれのサントラにしか入っていなかった曲ばかり(しかも「デトネイター〜」と「カムイ〜」は現在入手不可能)のようです。
『平沢さんの歌が聞きたいけど、作品ごとにCDを買うのはちょっと大変…』
そう思っていた人は、思わず「待ってました!」と歓声をあげられたのではないでしょうか。
かくいう私もその一人です。発見して即購入しました。
NATION-Fを聴きながら、どんなゲームができる予定だったのだろう…と想像をめぐらせています。
お手ごろ価格なので、平沢音楽初心者の方にもお勧めできる1枚。
パプリカ [Blu-ray]
ぼくは、PS3をアクオスFHD(32V)にHDMI接続して視聴しました。
まず、その圧倒的な美麗映像と音声。
オープニングから一気に物語に引き込まれ、あっという間に90分間が過ぎてしまいました。
物語としては、他人と夢を共有できる画期的デバイスの“DCミニ”を巡るサイコ・サスペンスですが、『パーフェクトブルー』ほど残酷な描写は多くないので、今敏監督の作品が初めてという人にとっても観やすい内容だと思います。
序盤から世界観や登場人物を理解させる演出が上手く、随所で登場する難解なセリフも興味をそそります。
観ているだけで楽しくなる“夢の場面”の切り替わり描写(ターザンとか妖精とかロボットとかジャンジャン登場します)は、この作品の一番の見せ場ですね。
息をもつかせぬ展開のなかで、視聴者に勝手な自己完結を許さない綿密なシナリオは、感嘆の一語に尽きます。
終局が近づくにつれ、「まだ観ていたい!」という気持ちが強くなりました。
主人公・敦子とパプリカを演じる林原めぐみ以下、声優陣も超豪華。
江守徹の声は相変わらず迫力がありましたし、脇を固める古谷徹、大塚明夫、山寺宏一らの演技も抜群。
『パプリカ』の世界を盛り上げる音楽にも文句のつけようがありません。ぼくは観終わった後、すぐにサントラの購入を決めました。
総じて、百聞は一見にしかず。
この映画、かなりオススメです。
電脳コイル 第1巻 通常版 [DVD]
齢40を超えるオヤジですが、もうこの歳になると、もはや映像メディアの垂れ流し状態のハリウッド映画なんてどんな作品を見てもさしたる感動も無く、はるか昔、中学生時代に劇場へワクワクしながら手弁当持参でスターウォーズを3回連続で見た事なんかも遠い記憶の中でした。
ただ生来オタク気質なのか、アニメだけは物心ついたころから見続けておりまして、初代ルパン3世や未来少年コナン、カリオストロの城、ナウシカとすべて根っからの宮崎ファンであります。
自分的には本当の本当に大好きな作品が未来少年コナンで、毎週欠かさずテレビの前で正座しながら放送されるのを待っていて、番組が終わると何でこんなに早く終わっちゃうんだよと、毎週悔しがっておりました。
あれから数十年、もうオヤジなのに、まさか初恋のような気持ちにさせてくれる「電脳コイル」という作品に出会えるとは思いもよらない事でした。
毎週ワクワク、ハラハラドキドキの連続ですよ。いろいろなギミックスやストーリーもさることながら、やはりキャラクターの動きが素晴らしい。結構艶かしい動きをするんですよね。
そして最終回の再会と別れには気持ちの良い涙を流してしまいました。
確かに小さい子達にはちょっと話の内容が難しいかもしれないけれど、電脳の世界でしか生きられないペット犬のデンスケが見せた主人公への優しさが、これからのネット社会での人と人の結びつきが匿名性を悪用した誹謗中傷などで無く、相手を尊重したコミュニケーションであることを学んでほしいと思います。
パプリカ オリジナルサウンドトラック
平沢進氏の曲は耳障りが良い。音楽業界音痴だったので、アニメ「千年女優」で平沢氏の音楽を知ったが、幾多の音が紡ぎだす平沢サウンドに魅かれて、「パプリカ」は本編を観ていなのに買ってしまった。本CDは左右から出し入れ可能な不思議なスリーブケースに入った上に、一見アニメのサウンドサントラとは思えぬデザインが好印象。映画を未見で購入したので少々不安であったが、期待通り大満足であった。平沢氏の作品は自然音のような耳障りの良さがある。良いスピーカーで聞いても良いが、良いヘッドフォンで聞いた時に特に耳障りの良さを感じる。何だか脳を撫でられているような心地よさだ。不満点は解説書がないこと。ジャケットには作詩と平沢氏のプロフィールが見開きで書かれているのみ。折角、素晴らしい曲なので作曲についてのこだわりや裏話等が載っていたら嬉しかった。価格を1000円アップにしても良いから豪華な装丁にして欲しかった。平沢氏の音楽なら値段がいくらで買うでしょうから。サントラは普通は映画が好きで購入するものだが、サントラが好きで映画のDVDを購入してみたい。そんなアルバムだった。余談ですが店舗で購入が難しい「千年女優」のサントラは平沢氏の通販サイトから購入することが可能です。
妄想代理人 BOX 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
大量に存在するアニメの中で、流行に迎合せず独特の世界観を描き続けた監督の唯一のテレビアニメ作品。
オープニングのすがすがしすぎるほど不気味なメロディー及び本作の音楽担当は日本にプログレやテクノを広めた一人、平沢進氏。
作画は多くの日本人が知っているであろうアニメスタジオ・ジブリで活動し『もののけ姫』『紅の豚』などを担当した安藤氏。
一つの小さな出来事が次第に社会に感染していくストーリーを群像劇スタイルで作成しており、至るところで見受けられる『対話のすれ違い』が人の持つ孤独のリアリティを絶妙に表現している。
リアルとして始まり、非現実を受け入れられない社会が次第に受け入れ始め、最終的にまた日常に戻っていく全体の構成は卓越しており、子供向けではないものの、アニメを見ない人たちにも見てもらいたい作品。