10th
最近のエレクトロミュージックにおける人気を聞いて、少し聴いてみたいけどエレクトロって当たり外れが大きそうでどうもとっつきにくいって思ってる方。エレクトロにはフォーキーなものと複雑で抽象的なものに大まかに大別できると思います。後者の方には、PREFUZE73、APHEX TWINなどのクラブよりのアーティストが含まれるとおもいますが、激しいのはちょっと…って思われている方には非常にお勧めします。フォーキーエレクトロミュージックの持つ美しさはもとより、かつ少し軽い気持ちで聴ける、チルアウトした面と、幾分のクラブエレクトロ側のかっこよさをいい配分で併せ持つ傑作と言って良いでしょう。薄明りのもと、夜眠る前にボーっとしながら聴いてみると幼少の頃を思い出したかのような甘く懐かしい気持ちになるかも。美しいロボット声に加工されたヴォーカルが気持ちいい眠りに誘う。そんなアルバムです。
電池が切れるまで―子ども病院からのメッセージ
「(前略)
けどこの病気が気づかせてくれた
僕に夢もくれた
絶対僕には
病気が必要だった
ありがとう」(本文より)
……もしかするとたいていの人は、こんな風に悟ったりすることのないまま、何の問題もなく生きて行くのだろうし、オレもまた、(目の前に問題は山積みとはいえ)そんな感じで、このまま生き恥をさらして行くのかもしれないが。
ここに収められた版画やことばを形にした子どもたちは、その小さな身に降りかかった試練の中で、それぞれに『何か』をつかんだようだ。そういった意味からいくと、病気に対してどうであったか、ということの前に、一人ひとりがもうすでに“勝利者”なのだと、オレは思う。
後半にある、成長した子どもたちや、子どもたちの父母の皆さんなどによる付記を読むと、この子たちの中には、残念ながらもういない子も、いまだ闘病中という子もいるのだ……、という現実が、胸に迫ってくる。特に、大人顔負けのおしゃまな(旧い言葉で恐縮…)ことばを綴った4才の女の子が、その後一年で亡くなってしまったと、彼女のお母さんの付記で知った時は、本当に悲しかった。しかし一方で、「もう会えない彼らの分も、一生懸命に生きよう」、また「ここでしてもらったように、自分にもできるなら…」と、医療の現場、あるいは教師の道を志し(冒頭に掲げた詩を書いた彼の「夢」とは、まさにこれなのだ!)、中にはその夢を現実のものとした人たちも(ここで看護師として働いている人も)いる、という事実が、こんなオレにも何かを教えてくれているかのようである。
現実、あるいはネット上の殺伐とした出来事にこころが疲れた時、ぜひ手にとってみてほしい一冊だ。
子どもたちと育みあうセクシュアリティ―児童養護施設での性と生の支援実践
子育てをする中で必ず出てくる、しかしなかなかうまくできない子供に対しての性教育。
親子で一緒にテレビを見ているときにHなシーンが画面に流れたとき、子供の部屋からアダルト誌を発見したとき、などの実際に目の当たりにすることに対しても実践的にわかりやすく書いてくれています。
また、性教育=生教育という観点から、性だけでなく、命やあなたの存在の大切にする先に大切にする性があると言う、私が子供のときにこんな性教育をしてもらっていたらどんなに良かっただろうと思った一冊です。
子供のためだけでなく、自分に対しての性教育にもなり、親や教育者だけでなく幅広い人に是非お勧めです。
子どもが語る施設の暮らし
施設の暮らしを知らぬ訳でもない私が(職員としてであり、養護施設ではないが)、このような書籍が出版されており、そこに思春期、青年期特有の率直な心情の吐露と感情の揺れが表現されていることに驚かされた。全体的に感じるのは、自分の感情が未整理で(年齢的に無理もないが)、退所後に強い心的な刺激があるとPTSDを発症させる可能性があると予想されるこどもたちが多いということである。このような対応は、専門家でなければ不可能であるが、もし退所後のケアができる施設であれば、子どもたちが書いていたように、話を聞き、受容していただきたい。それだけでも、子ども達はどれほど救われるだろうか。施設に就職しようと考えている若者に読んで欲しい本である。
有斐閣 法律用語辞典
定義を確認したり、記憶を喚起するのに極めて有効です。
学術書や予備校の参考書で学ばれた方も勉強時にこの一冊を利用すれば定義を見直す際に時間を浪費することはありません。
値段は高めですが、その内容を見れば納得できるはずです。
読書には国語辞典、法律学習には法律用語辞典!
まさに切っても切れない関係ではないでしょうか。