悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫)
まずストーリーの組み立てがおもしろかったです。
視点をかえたところも良かったと思います。ジョニーデップには爆笑でした(笑)
ですが最後の落ちがちょっと無理やりだったかなぁ〜って思います。とゆうわけで★4つですが、十分おもしろかったですよ!
天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~
おしゃれなカフェやステキなバー、斬新なレストランがない町は日本中にたくさんあるけれど、スナックのない町はない。
よく考えれば日本で最も多い社交場なのに、ちゃんとしたガイドも研究もない。
ごく一部の都会の人が、ごく一部のステキな場所でワインを飲んでいるあいだ、日本人の9割以上はスナックで水割りを飲んで、歌っているのだ。
「ヤンキー」であり「相田みつを」であり、「ワンルームマンション」でもある、日本中に偏在していて日本人が大好きなのに、メディアが決して取り上げることはないもの。
それらを宮本常一のように黙々と記録してきた著者のテーマがスナックに向かったのは、ごく自然なことなのだろう。
日本の「コミュニティ」について議論・研究するなら、スナックとそのママの役割を抜きには語れないはずだ。
スナックを黙殺するメディアやアカデミズムへの怒りに、それをやるのが自分しかいないという使命感をのせて、著者は今日もスナックで一曲こぶしをきかせているだろう。
それにしても、ママたちの愛らしい魅力は、本書を読んでもらうしかないのだが、あらゆるスナックにステキなママがいて、ママには歴史がある。
日本中に山ほどスナックがあるし、出している酒や料理が特別なものではないのに、通ってしまう理由はただ一つ、ママの魅力と笑顔なのだ。
著者の現代民俗学の最新の成果であり、日本で減りつつある愛すべきママたちへのレクイエムでもある。
奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。
ブランディング本といえば大企業を対象にしたものがほとんどなので、中小企業の人間からすると関係のない話と思っていましたが、この本を読んで「ブランディング」を身近に感じることが出来ました。
“中小企業には中小企業なりの「やるべきこと」と「やるべき手順」がある”という言葉が心に響きました。
新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)
円熟の域に達した建築家と、「普通の市民」代表のジャーナリストが掛け合うようにテンポよく会話するという本です。
東京の話題の再開発スポットを順次取り上げながら、それらの差異を分かりやすく解説し、その背景にある日本的な、あるいはグローバル資本主義の問題をとりあげています。汐留はリスク管理が極端に重視された結果、個別のビルのデザインは優れていても全体計画が機能しなかったこと、六本木ヒルズでは逆に新興の森ビルが道路建設まで手がけたために統一感が出たこと、など、するすると頭に入ってきます。
それにしても、隈研吾氏がこれほど落ち着いた正論家だとは思いませんでした。冷めているのでも、煽るわけでもなく、ただ淡々と分析している。清野さんとの対照もあってか、だいぶ大人な感じです。うまく書けませんが。
その隈氏が最も喜んで語るのが、一つだけとりあげられた異色の町田という展開も良かったです。清野氏がそれを突っ込んで、最先端の建築家の絶望と希望が入り混じったシニシズムだと指摘するのが、この本の結論といえば結論でしょうか。
ヒルズ 挑戦する都市 (朝日新書 200)
ヒルズには少し思い入れがあるのですが、それを振り払っても、
本書の内容は大変に面白く、示唆に富む箇所が多数見られます。
とくに『街メディア』の構想は凄い。
当初からこれを組み込んでいたと考えると、
森ビルは、都市開発だけでなく、
ブランディングやアドバタイジングの世界にも、
進出できるんでは!?と思ってしまいます。
テレビからネットと「メディア」の核は変遷しつつありますが、
ネットの次の「メディア」として、「街」があっても不思議ではないです。
何せ、生身の人間が多数集まると、とんでもないエネルギーが生まれます。
このエネルギーは一種の「麻薬」といえるかも。
ヒルズの歴史を知りたい人はもちろん、
今後の「都市構想」を知りたい人は是非ともお手にとって見てください。
ただし、本書はあくまで「理念」主体です。ご留意くださいませ。
実際の開発計画を知りたい方は「東京計画地図」をどうぞ。
※僕が六本木ヒルズにおもしろさを感じるのは、
アカデミーが備え付けてあるところ。
普通にヒルズで働く人なら、ここの会員になって損はないはず。
何せ、夜中遅くまで開いていて、新刊書籍がたくさん読める…
しかも、めっちゃくつろぎながら。
本好きの方は是非ご利用下さいませ。