パパ/ずれてるゥ! [DVD]
こんなしょぼい映画、大絶賛している人たちの意味がわからん。
『ブロンド娘の恋』(本邦劇場未公開)等でチェコのヌーベルバーグの名をほしいままにしていたミロシュ・フォアマンが、68年のプラハの春弾圧によるチェコ政変後、西側に亡命して初めて撮ったハリウッド映画にしては、余りに拍子抜けする骨なし映画である。
世界中でほとんど評価もされておらん(いや失礼。カンヌ映画祭で監督賞を受賞している。ただ、この授賞は西側へ亡命したこの俊英監督への激励という以外に意味はない、と考えるのが妥当だと思う)このつまらん映画が日本でだけなぜか比較的高い評価を得ているのは、何のことはない、これが日本でのミロシュ・フォアマンの初お目見え作品であった、というだけの理由である。ただし興行的には散々だったお陰で逆に、日本の一部にこの映画のマニアが存在しているということはわかる。そういう事情ゆえに、小子もTVの吹き替えカット版でしか本作を見たことがないのでまともな評価とするには心苦しが、それにしてもあまりにも見所のないつまらない映画、という記憶しか残っていない。
風俗描写がこの時代っぽい、ということを除けば、少しもアメリカン・ニューシネマのジャンルに属すべき作品ではなく、ただの風俗風刺映画といったところ。原因は異国人から、あまりに突き放して見た、思い入れのない、頭の中だけでひねくりまわした脚本の薄さにある。だから本作の脚本には実に多くの人間が関わることになった(フランス映画界の巨匠でブニュエル映画も手がけてきたジャン・クロード・カリエールの名前まで見られる)。船頭多くして何とやらというやつだ。
こんな映画を『アリスのレストラン』や『ジョー』、『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』等の傑作と並べるのは、それらの映画に対して余りに失礼だ。しかもそれらの多くのほかのニューシネマの名作が日本ではいまだDVD化されていないのに、北米でもまだDVD化されていないこんなしょぼい映画を日本で先にDVD化する必要は全くないだろうが。
カッコーの巣の上で [Blu-ray]
この映画について何をいっても、屋上屋を架すようなことにしかならない。
この映画が、どれほどの傑作であるかは、山のようなレヴューが積み重ねられているのだから。
この映画が、ブルーレイの良質な画像で届けられたことに感謝したい。
人間にとって自由とは何か?
それは、チェコを亡命してアメリカにやって来た監督のミロシュ・フォアマンの、問いかけだろう。そしてそれはそのまま、刑務所を逃れて精神病院にやって来たマクマーフィ(ジャック・ニコルソン)の姿と重なる。
飛び立つことには自由がある。しかし同時に、とどまることにも、自由がある。根をもつことと翼をもつことが、ともに人間にとって必要であるように。
開かれた扉を前にして、人間はあえて戻ることさえある。マクマーフィはビリーを見捨てない。同様に、チーフはマクマーフィを見捨てない。
それを自由と呼ぶべきか。むしろ友情と呼ぶべきだろう。だからこの映画は、ほんとうは友情についての映画だ。
とにかく、何度観ても面白い。出演した俳優陣が、互いの演技に火花を散らして、相乗効果を生んでいる(ルイーズ・フレッチャーなんて出色ですね)。加えて、脚本の力がやはり大きい。伏線がいくつもはられ、それがあのラストシーンの感動をもたらすことにもつながってゆく。DVDを買うと、そんなふうにチェックしながら観てしまいますね。
カッコーの巣の上で ― スペシャル・エディション [DVD]
とてもすばらしいヒューマンドラマです。オスカーを取っているのにテレビでの放映がないのはなぜでしょうか?同じ監督作品ミロスホァマンのアマデウスも大好きです。みんなに見てほしい。
カッコーの巣の上で
復活したカリガリに絶望した人には是非聞いてほしい1枚。
3曲全て良い。そしてどれもがカリガリを匂わす楽曲で、発売後
しばらくカッコーの存在を知らなかった自分にがっかりです。
Voはメトロノームのシャラク、確かに秀仁が歌った方が良いかも
しれないけれど、確実にシャラクの良さも感じられ青の作る曲に自然と馴染んでます。
カリガリの今後よりカッコーの今後が気になります。何度も何度も聴いてしまう。。。
One Flew Over The Cuckoo's Nest: Original Soundtrack
わるくはないんですが、こんなんだったっけ?って感じがしました(サントラに
はありがちですが)。
日本版には入ってないっぽいジングルベルが入ってるのはいいですね。
エンディングテーマも少し違う感じがしましたし、最後に大男が走って森に消え
ていく時の力強い音楽も入ってませんでした。
と、思ったんですが、最後のエンディンテーマがそうみたいです。あと、愛の
行為とEDの間にジングルベルが入ってるのは流れをぶった切ってますけど、
こっちの方がオリジナルなんでしょうか? 映画のエンディングはどれ?
とちょっとよくわからないんですが、このCDが編集されてるんでなくて、映画
の方が楽曲をパッチワークしてるので「こんなんだっけ?」となったのかも。
でも、森の中でだんだん朝を迎えるような曲が入っていて、目を見張る表現力
でびっくりしました。表現というより実際森の中で座りこんでるみたいです。
全体的に独特な音楽勘で、こればっかりリピートしてしばらくすると他の音楽
がうるさくかんじてしまうほどで、なんだか自然な人間の鈍くささとかも保ち
ながら、精密でfantastischな表現をこなしていくすばらしいアルバムです。