ランキングの罠 (ちくま文庫)
著者は自治省を経て、新潟大学教授。
本書でも触れられているが、日本人ほどランキングが好きで
それを気にする国民は他にいるまい。
しかし、このランキング=統計という奴はどうにも恣意的なものが入る仕組みで
信用の出来ないところがある。
お役所は自者に都合の良いデータを使うし、
視聴率を統計しているところは、テレビ局と電通だし、
経済効果なんていう推測をデータと称する人もいる。
マーケティングは企業に食い込んでダダらに金儲けをする。
エビデンスが統計である心理学の成果もイマイチ信用できない。
というようなことは、統計を実施している主体にいる人々が一番理解している、と思うのである。
本書に書いてある事は「データ」や「統計」のウソ、といったたぐいの本を一冊でも読んだ人なら、
ネタがダブっているので新しい発見は余り無いだろう。
Dramatic CD Collection 淫らな罠に堕とされて
原作未読のため、CDのみの感想になります。
期待が大きかっただけに、正直いって今一つといった所でしょうか。
ミステリアスというほど大仰(おおぎょう)な内容ではありませんし、「ヤクザ」と思っていた謎の男『上条』の正体が明かされた時も、なんとなく
「読めた。」というか、さほどの驚きはありません。このジャンルの小説には、よくあるパターンです。
終盤で、『上条』が『神津』に対して・・・ 惚れた弱味!というか、ゾッコン!というか、ダメ押し的なおのろけシーンは赤面ものです。
熱演してくれた声優さん達と、ドラマのみが目一杯に収録されていたことに免じて星4つ。
魔の罠の都―ソーサリー〈02〉 (Adventure Game Novel)
ある意味、ゲームブックの悲劇は、このソーサリー四部作が「元祖でありながら既に完成されてしまっていた」事に尽きる。生みの親であるスティーブ・ジャクソンにしてすら、この四部作以降、これを超える作品を作れなかったのだから、いかに完成度が高かったかが分かる。
ジョン・ブランシュにより描き込まれた挿絵も非常に独特で強烈な魅力があり、この人の挿絵が無ければ、いかに作り込まれた内容であろうとソーサリーの魅力は半減してしまっていただろう(残念ながらこの復刻版の表紙絵はオリジナルの雰囲気をまったく伝えていない)。この人の描く絵には「生活臭」がある。街の裏通りの危険な雰囲気、そこに建つ薄汚れた小屋と奇妙な住人、埃の被った棚に積まれた小物の数々、臭い立つ肥溜めなど、最近のゲームの定番となった小奇麗な「中世ファンタジー」とはまるで違う世界の猥雑さや息遣いを感じる。
ただ、ズル無しで真っ当にプレイすると非常に難度は高い。特にこの「カーレ」は難しい。「道を右に行くか左に行くか」などの単純な二択でもうクリア出来なくなる場合がよくあるのがゲームブックの欠点だが、取り返しの付かない所が現実でもあるので、そのシビアさにどっぷり漬かって遊ぶのも醍醐味と言える。
PS.復刻版についての不満。
この作品のタイトルは「城砦都市カーレ」であって、「カレー」ではない。原題は「Khale」なのだから発音も「カーレ」で良いはずだし、そもそも食べ物の「カレー」を想起するから「カーレ」と表記するのが普通の感覚だろう。誰が変更したのか知らないが、「カレー」だの「魔の罠の都」だの、センスのない無粋なタイトル変更は止めて欲しい。表紙絵の変更もやめて欲しかった。基本的に復刻はオリジナルに忠実であるべき!
資産フライトの罠 (宝島社新書)
新書は内容から2つに分けられます。ひとつは旬の話題、流行の内容を扱っている新鮮ものの新書と、もうひとつは普遍的なテーマを扱っている新書です。最近は前者の旬のテーマによる新書が目に付きます。雑誌で扱っていいテーマを新書化しているような出版が少なくありません。
本屋で見つけた『資産フライトの罠』(香港インベスメント取材班著・宝島新書)はまさしく今、旬のテーマを取り上げた一冊です。新書はいずれ図書館に入るので、そこで借りればいいのですが、この本が図書館の棚に並んだ頃は、もう新鮮さを失っていると思い、買ってきました。
本書は『資産フライト』(山田順著)の出版でクローズアップされた「資産フライト」の現状を取材に基づきまとめられた本です。資産フライト、とは海外口座をつくり、そこに資産を預け、運用していくことです。富裕層だけでなく、最近は中間階級層、例えばOLさんまでが行っています。また海外口座をつくるためのツアーもいくつもあるようです。
タイトルは『資産フライトの罠』となっていますが、資産フライトを批判しているわけではありません。最初の章で「香港発・資産フライト最新事情」では香港で現地取材された状況が報告されます。続く「国税庁の資産フライト対策」では資産フライトに対する国税庁の対応の動きが紹介されます。
そして「資産フライト8つの罠」で、資産フライトを行うときに陥りやすいトラブルが詳細に述べられます。ここが本書のいちばんの読みどころです。
そして「中間層にとって理想的な資産ファンドとは?」で資産運用の基本的考えが提示され、最後に「いま海外で投資したい金融商品」で具体的におすすめの金融商品が提示されています。
海外口座での運用について、本書では長期的な投資運用を推奨していて、短期的に結果を求める投資は避けるように提言。また、流行にのった安易な海外口座の開設も戒めています。正論だと思います。
ただ時事的な状況を前提に書かれている部分が少なくないので、その状況が変わると本書の価値も変動します。例えば外貨での預金は円高の状況であれば、一時的な価値を持ちます。この本でもそこを背景に書かれています。しかし、衆議院解散から自民党政権が見えてきた中で、円安へと振れていく兆候も見えます。おそらく本書を1年後に読んだら、本から得られるありがたさは目減りしているかもしれません。
まさに旬な一冊で、雑誌を読んでいる感じです。2時間もかからずに読んでしまいました。特に「いま海外で投資したい金融商品」はマネー情報誌あたりでしか見かけない内容で、個人投資家さんには役立ちそうです。ただ、多くは香港での資産フライトが紹介されていて、その他のオフショア地域についてはあまり触れられていません。「香港資産フライトの罠」とするのが正しいかもしれません。香港での海外フライトに興味のある方にはおすすめです。
L the proLogue to DEATH NOTE 螺旋の罠 NDS版 perfect escape guide KONAMI公式攻略本 (Vジャンプブックス)
推理や謎解きが苦手な私にとっては終始手放せませんでした。 アイテムや攻略法が細かく載っているのでデータブックとしてはすぐれものです。 ただし爆弾解除の解説等で所々抜けている部分があり、完璧に網羅しているとは言えません。 初心者にとっては少々読みづらい解説書でした。 持たずにプレイすることを考えれば十分買う価値はあります。 トゥルーエンドを迎えるには持っておきたい一冊です。