Kindle Paperwhite 3G
ディスプレイが素晴らしく、まるで本物の紙の本を見ているような、字の読みやすさです。
最初ご覧になった方は驚くのではないでしょうか。
米国版のFireをみる機会があったのですが、Paperwhiteと比較すると字の読みやすさが、格段に違います(Paperwhiteの方が数段上です)。
普通の液晶パネルのFireと、電子インクの特殊なディスプレーのPaperwhiteとの差がここまであるのかと、驚きます。
暗い場所でも、字が読みやすいのにも助かります。
使用感も紙の本に近く、それにも驚きました。
使用方法も分かりやすく、すぐ慣れました。
パソコンと端末との連携も簡単で、よかったです。
読書の進捗状況がわかる機能も便利です。
本、特に活字の本を読むことを主な目的にするなら、迷わずPaperwhiteがよいと思います。
Paperwhiteは、マンガを読みにくいとの噂がありましたが、それなりには読めました。
ただ、手塚治虫氏がマンガの文庫化に反対していたように、マンガは大きなサイズで読んだ方がいい、というのは動かしがたい事実だと思います。
ディスプレイの大きさは、文庫の1頁よりもさらに小さいですが、使ってみての印象としては、活字の本を読むには、大きくもなく小さくもなくという感じです。
バッテリーですが、いままで数時間使用したのですが、バッテリーの減りは気になりません。
重さは、私の印象では、それなりにズッシリした感じがしました。
家電量販店で購入しました。品薄ですが、家電量販店は穴場のようです。
あとは、この製品で読めるコンテンツの充実を待ちたいところです。
Paperwhiteは素晴らしい製品だと思いますが、コンテンツがなければ、「宝の持ち腐れ」になりかねないので、アマゾンさん、出版社さんに、ご尽力をお願いいたします。
文学と時代 4 夏目漱石 2枚組 個人向 [DVD]
百聞は一見に如かず、夏目漱石の生涯が映像で追体験できる資料の1つとして貴重と思われます。実家と養父母先の間を行き来していた幼少期から20歳台前半までの詳細は現在も議論のあるところですが、残された限られた事実・資料・自伝的小説に基づいて描写されています。一瞬ですが、漱石の兄弟姉妹の写真が見られる部分は結構貴重です。
国内の漱石ゆかりの建物や場所は、主として先の大戦の際にかなり焼失しているので映像として紹介するのは困難で、殆どは画像やイメージ映像で構成されていますが、視聴者は、それをヒントに原風景を想起できる場面も多いと思います。一方、留学先の英国では、当時の建物が殆どそのまま保存されて、あるいは、今でも、日常的に使われていて、より身近に感じられ、大変印象的です。
漱石の行動範囲は、当時としては、国内外を問わず、広範囲に及んでいます。逗留または居住した地には漱石に関わる希少なエピソードが数多く伝えられていますが、大部分は伝承で、残念ながら、時間と共に、記憶から遠退いて忘却の彼方に去っています。小説家として、文学者として、文明論者として、人生論者として、影響力の大きい人物なので、出来るだけ正確な漱石像を描くために、また、今後の漱石の生涯をより詳細に振り返る映像作品製作のために、残されたエピソードは記録として残しておくことが今こそ大切と感じられました。熊本時代の漱石については『元祖・漱石の犬』も参照してください。
それから [VHS]
夏目漱石がいかに現代の映画になる得るかがわかる良い見本。モリタらしいしゃれた感覚で描き出された明治が実に美しい。俳優もみな素晴らしい。松田優作、小林薫、藤谷美和子。特に 藤谷は この後プッツン女優として迷走するわけだが この映画を見る限り あの迷走は日本映画の大損失であったことがよくわかる。それにしても 森田も早熟だった。この後の作品が「そろばんづく」というトンネルズを起用したコメディーであったが 既につまらない作品であった。その後の森田も正直迷走しているといっても過言ではあるまい。いくら優秀な監督でも傑作と言われる作品はいくつも作れないわけである。早熟森田の その後の磨耗ぶりも 日本映画の損失である。
こころ
恋愛経験に乏しく友達思いの先生と恋愛感情を初めから超越しようとしたK、この不安定極まりない二つのこころが、年頃の美しい娘を持つ未亡人の下宿で受けた試練は過酷でした。一人の娘を絶対視してしまった二人の結末は絶望か、罪の意識による自殺しかありませんでした。金に纏わる醜さを象徴する叔父とその娘役が好演、先生役も、Kの事件以降、罪悪感に苛まれ続けていた雰囲気を良く出している。しずのあっけらかんとした様子が、余計に先生を苦しめた状況もうまく演出されています。