動脈列島 [DVD]
本作は、動脈列島とほぼ同時期に公開され、しかも最初海外(多分フランスだったと思う。)で話題となり、それがが逆輸入の形で、日本でもヒットしたような記憶がある。間違っていたらごめんなさい。
動脈列島は、公開時に見ていますが、本作は、今回が初見です。
本作は、配給会社、もしくは、監督の違いか判りませんが、動脈列島がスピードとアクションで見せるのに対し、公害と人間性に重点をおいたドラマになっています。しかし、アクションもあり、スリルとサスペンスもあり、充分楽しめます。近藤 正臣、好演です。関根 恵子、若い。梶 芽衣子、田宮 二郎、懐かしい。
とにかく、騙されたと思って、ぜひ見てください。
タワーリング・インフェルノ スペシャル・エディション [DVD]
先ず巻頭の航空撮影が圧巻だ。
我々は嘗て『サウンド・オブ・ミュージック』『ウエスト・サイド物語』の航空撮影にも驚いたものだが、今回は、移動カメラは地上に降りる事を潔しとしないだろう。
映画は『垂直』を描く事に関して、常に困難が付き纏う。
つまり、『高さ』の演出には物理的に膨大な予算がかかるからである。
今日では、CGで表現すればいいが、しかし、それではチープな映像にしかならない。
この作品は、その映画的な限界に挑んだ映画史上数少ない作品の一つであり、成功作である。
そして稀に見る力作であった。
映画的『高さ』を描く事に成功した作品は『イントレランス』『天地創造』と本作くらいであろう。
『イントレランス』ではバルーンを用いて巨費で再現された古代バビロンを驚異のカメラワークで描き『天地創造』では旧約聖書に登場するバベルの塔を大オープン・セットで創り上げ、我々を驚嘆させたものだ。
本作における高さの主題は徹底的に人がガラス窓を突き破ったりして、落下することの中に描かれる。暗闇の空間に向かって遠ざかる転落の映像はまさしく、映画が持ちえた、数少ない、高さの表現の裏返しに他ならない。
今日では炎や水もCGを駆使して、描かれるであろうスペクタクルシーンも当時は、実写で描かれている点にも、ぜひ注目していただきたい。
非常階段やロープ、ヘリコプターで脱出を図るシーンも実に丹念に描かれており、いかに当時この映画が超特作であったかがわかる。
そしてオール・スターキャストの豪華布陣である。
特にうれしいのは、名作『慕情』の主役で印象的な、ウイリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズの競演である。
今回は二人が恋愛関係という設定ではなかったが、懐かしさを通り越して感慨無量であった。
日本フィル・プレイズ・シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー Part2~風と共に去りぬ(感動とサスペンス篇)~
1980年代以降、映像音楽の録音といえば、ジョン・ウィリアムズの指揮するボストン・ポップス・オーケストラとエリック・カンゼルの指揮するシンシナティ・ポップス・オーケストラによるものが、質的に突出したものとして存在してきた。
しかし、前者に関しては、オリジナル・サウンドトラックの演奏と比較すると、しばしば、演奏に生気を欠くことが多く、また、後者に関しては、近年になり、編曲に劣悪なものが増え、指揮者も精彩を欠くようになり、徐々にこのジャンル自体が魅力を失うようになった。
しかし、今世紀にはいり、日本フィルハーモニー交響楽団によってたてつづけに録音された6枚のCDは、上記の両横綱の録音と比較しても遜色のない、高水準の内容を誇るものである。
沼尻 竜典と竹本 泰蔵という有能な指揮者の的確な演出のもと、20世紀の古典ともいえるハリウッドの代表的な作曲家の傑作の数々が実に見事に奏でられている。
これらの演奏の特徴は、あえていえば、オリジナルの魅力を過剰な演出をくわえることなくありのままに表現していることにあるといえるだろう。
いずれの作品も、世界中に配給される映像作品の付随音楽として作曲されているために、もともと高度の娯楽性と表現性をそなえた作品である。
ここに収録された演奏は、それらの作品が堅実な職人性のうえに自然体に演奏されるだけで、視聴者に無上の歓びをあたえてくれることを明確に示していると思う。
いずれにしても、20世紀後半、正当な評価をあたえられることなく、ハリウッドの片隅において高水準の管弦楽曲を創造しつづけた数々の現代作曲家の労作をこうしてまとめて鑑賞してみると、あらためてそれらが実に良質な作品であることに驚嘆させられる。
そこには、紛れもなく、最高の職人性と大衆性が見事な結合を果たしているのである。
日本フィルハーモニー交響楽団による6枚のCDには、そうした身近なところに存在していた現代芸術のひとつの奇跡が封じ込められている。
タワーリング・インフェルノ [DVD]
製作当時、FOXとワーナーがそれぞれ同じ企画を進めていたらしい。
そこで2社がそれぞれの原案をプラスして完成させた超大作。
「ザ・タワー」と「ガラスの地獄」=本作になりました。
アカデミー賞の撮影賞と歌曲賞を受賞しています。
スティーヴ・マックィーン、ポール・ニューマンのビッグ俳優だけではなく、
かなりの豪華演技陣が名前を連ねています。
監督、音楽も一流で素晴らしい大作に仕上がっています。
当時、名優として評価の高かったポール・ニューマンと着実に不動の評価を得てきた
スティーヴ・マックィーンの共演でも話題性が高かったのですが、
実は、どちらをメインとするか、順番でも揉めた経緯があります。
このパッケージやポスターを見られると、両者の名前や写真の位置が微妙に調整されているのが分かると思います。
CGという技法のない時代ですから、ミニチュアとか合成による撮影が行われていますが、
昨今の映画になんら負けていません。
消防隊長を演ずるスティーヴ・マックィーンが最後にポールニューマンに話すセリフは、
他よりも少しでも高いビルを建て続ける建築競争に対し警鐘として心に残る名セリフです。
一言、「俺にビルの建て方を....」と。