ハックルベリー=フィンの冒険(上) (講談社 青い鳥文庫)
小学生の息子とニューオーリンズの洪水のニュースをテレビ見ながら話をしていて、小学生時代、高校生時代、学生時代と異なる版で読み返したこの作品を思い出した。息子に読ませようと書棚をさがしたが、岩波文庫の版しかなかったのでこの版を購入した。週末に届いた本を息子にわたす前に自分で読んでしまった。いかだでミシシッピ川をくだるときの自然描写には何度読んでも引きこまれる。次に手に取るには何年後かわからないが、私にとっては何度読んでも楽しめる数少ない作品である。挿絵も楽しい。息子はオヤジに先をこされたと反発してしまい、まだ読み始めた形跡がない。
Avery's Diseases of the Newborn: Expert Consult - Online and Print, 9e
とても歴史のある新生児学の教科書の最新版です。ページ数がとても多く、内容もどんどん豊富になっていますが、比較的薄い用紙で厚みを工夫しています。自分には、若干薄すぎて雑にめくるとやぶけるかと心配しましたが、けっこう丈夫でほっとしています。円高で比較的購入しやすいので、そばにおいて、どんどん辞書代わりに活用出来る本としてぜひお勧めします。
ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 (岩波文庫)
それは、この物語が、「トム・ソーヤー」の様な冒険談のみに終わらない、人間の倫理の問題を根底に置いているからです。執筆当時奴隷制は既に廃止されていましたが、未だに残る人種差別問題は当然深刻なものとして当時もありました。主人公ハックルベリーは、白人の道徳としては奴隷の逃亡を当然主人に知らせるべきであるのに、人として全く善良なジムを奴隷に戻すことを肯んぜず、みずから「地獄へ行こう」と決意する。これは大江健三郎氏も繰り返し紹介する有名な劇的シーンです。そこには、矛盾に満ちた社会規範に抗しても自分の倫理を貫くという、人類の永遠の課題が突きつけられています。そしてそれ故に、一時は反社会的小説というレッテルも貼られました。(幼少の大江氏は、この本のために、人類を救うため自分を犠牲にすべく真の暗闇の宇宙へ唯一人ロケットに乗って飛び立つという夢にうなされてしまうという、ある意味で恐るべき子供に育ったのかもしれません。)今人類は、原発廃絶や核廃絶の問題を抱えており、それらは、やはり大江氏も指摘する様に、お金や権力のために人の命を犠牲にしても良いのかという、正しく倫理の問題であり、その意味で、この作品の根底と繋がっているのです。
ハックルベリー・フィンの冒険 下 (岩波文庫 赤 311-6)
ハックの冒険も、ジムの自由州への逃亡がテーマになってきます。
この時代奴隷を逃がすことは犯罪でした。
ハックが逃亡奴隷をつれて川を下っていくという状況に、ハックが悩むと同時に、著者のマーク・トウェインもこの状況をどう解決するかに悩んだそうです。
筆のもたついた感のある後半にやはり悩みが出ている気がします。
奴隷制度を是とするか否とするかどちらかの態度を決めない限り解決ができない状況の中、著者がどんな解決をしたのかは是非読んでみてください。
人によるでしょうが、私は…ありだと思います。
ハックルベリイ・フィンの冒険 (新潮文庫)
「ハックルベリーフィン」を読んだのは、もう30年以上前、大学生の時のことです。
それから数えきれないほどの本を読んだけれど、
今でも一番目か二番目に面白かった小説だったと思っています。
(ちなみに対抗馬は大江健三郎「同時代ゲーム」ガルシア・マルケス「百年の孤独」「族長の秋」)
この本は面白かっただけでなく、人との関係を築く、保つうえでの教科書にもなっています。
主人公のハックルベリーは、同じ作者の手になるトム・ソーヤとは違って、
行儀の悪い落ちこぼれだけど、実に友達がいのあるヤツで、映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーン・リバー」でも、
「My Huclevery Friend」という一節が使われているほど。
とくに、これから人生を広げていく人に読んでもらいたいですね。