第二次尖閣戦争(祥伝社新書301)
非常に読み易くスラスラと読めましたが、2人の説得力の差が前著以上に歴然としています。
青木氏はいつも通り、中国が好きだ、嫌いだという単純な感情は一切排除し、
淡々と、日・米・中・欧・朝などの国々の経済・軍事・政府の複合的な事実を列挙し、読者に訴える。
反対に西尾氏はリアリストを気取りながらも、全面に中国嫌いを匂わせ、
曖昧な伝聞や周知の過去の歴史事実を羅列し、延々と中国の醜悪さを述べ、
更にアメリカに憤慨し、挙句には我々日本人を三流民族と切り捨てる。
卓越した知識は尊敬するが、この本では、知識人にありがちな
俯瞰している自分の全能感に浸っている様が堪え難い。
途中から自ずと、西尾氏の部分は斜め読みし、青木氏の部分だけ熟読するようになっていました。
出版社と何らかの折り合いがあり、青木氏が自分の主張が半分掲載されるのならと妥協したのでは?
と余計な勘ぐりを入れたくなります。
次は、青木氏単独の著が読みたいですね。
GHQ焚書図書開封7 ~戦前の日本人が見抜いた中国の本質~
この本は、1911年から30年間、中国で暮らした支那通の長野朗が、支那人気質や支那事情を纏めた1930年の「支那の真相」、1941年の「民族戦」、1942年の「支那30年」(後者2書籍は戦後GHQにより焚書されている)について、原文を引用しつつ西尾氏が解説した本である。
支那人気質としては、興奮性、面子重視、残虐性、衛生感欠如性、嘘を並べ立てて相手を誤魔化す謡言性、どこの地にも民族侵略し、漢民族に同化させることで漢民族の領土とする領土意識などを挙げている。1924年第一次国共合作当時は、反共の英国に対して排英であったが、英国は蒋介石に接近し、国共分離し共産党を撃つことを仕向けた。これにより、1927年の蒋介石軍の外国人虐殺、略奪、強姦の南京漢口事件を経て、次第に排英、排日から排日1本へと移行する。ある支那要人は「支那人は生まれながらにして排日だ」と述べているとある。
満州は、元々満州人(女直人)の領土であって、漢民族の領土ではなかった。17世紀に満州人が漢民族を制服支配して清朝を打ち立てた。そのとき、多くの満州人は、漢民族に対する支配階級や軍隊として北京に移住し、満州は無人化した。清朝は、長期間、漢民族の満州への移住を禁止していた。1905年、日露戦争に勝利した日本はポーツマス条約により南満州鉄道の経営権を得て、満州を開発した。この時、満州の人口は六百万人、うち、満州人と漢人は、それぞれ、3百万人であった。その後、日本により治安が維持され、満鉄沿線が発展するに連れて、漢人は、戦火が絶えず、軍隊や匪賊による略奪、凌辱、苛斂誅求、不換紙幣の乱発による生活苦から逃れるために、全山東省から山海関を超えて、満州に移住した。1931年の満州事変前には住民は3千万人に達していた。この時、日本人は20万人であった。
こうして、満州における漢人が大多数となると、漢人は、満州人を同化し、蒙古人を放逐し、朝鮮人を圧迫し、日本人を排斥し、満州を独占化する民族戦を展開した。これが、満州での匪賊の跋扈、動乱、排日運動と共に、満州事変の原因となった。
満州漢人化の動機として、第1に、弱小民族の独立存在を認めず、少数民族を自己の中に溶解し(浸触同化作用)、その領土を自己の一部とする伝統的政策である漢民族膨張運動(中華思想)による民族侵略を挙げている。第2に、張作霖らの支那支配階級の搾取本能と、他国に散々金を遣わせ、骨を折らせ、出来上がったところでこれを頂戴する民族性を挙げている。満州に対しても日本の努力経営により、満州事変当時、満州が社会資本や治安などが立派になると、ご苦労様とも言わずに頂戴に出かけたのであるとしている。
また、支那人は、日本は支那がないと生きていけないと思うから、日本を苛むるには日貨排斥を行うことが第1となる。ボイコットをやってゆけば、日本は生存ができなくて支那の言う通りになると思っている。支那人が言うには、支那人に残された問題はただ一つ、日本といつか戦うことであると。
このような当時の事情を考えると、日本が、5族共和により満州国を建設して、治安を維持し、文化経済的に発展させたことは、到底、侵略とは言えない。また、満州は中華民国のものではあり得ず、まして、中華人民共和国のものでもない。満州の帰属は、日本が盗取したる満州を中華民国に返還すべきとする、チャーチル、ルーズベルト、蒋介石の単なる3者による談合に過ぎない一方的なカイロ宣言(条約による履行を盗取とし、この宣言には正義はない)によるに過ぎない。
満州事変を非難した国際連盟において、松岡全権が、被害者はむしろ日本であり、連盟は日本を十字架にかけようとしている。2000年前にキリストを十字架にかけたことを、現在後悔しているように、日本を十字架にかけたことを、いずれ近いうちに世界は後悔するであろう、という十字架演説は、真理であったように思える。
現在の尖閣を始めとする中国の態度は、昔のままであり、何ら変わるところがない。歴史の真実を知るには、当時の人が何を見て、何を考えたかを知ることが最も重要である。長野朗の書を始め、焚書された書籍を即刻復刻すべきである。これにより歴史の真実が見える。
本書は、歴史の真実を追究し、日本の自虐史観を改めるに必須の書籍である。是非とも読まれることを薦める。
決定版 国民の歴史〈上〉 (文春文庫)
初版は数年前に読んでいるが、今回改定との事で最読しました。
大きな変わりは有りませんが、付け足しや注釈なども有り、相変わらずの読み応えのある本です。
日本で日本人が知っておくべき内容を、日本人および世界標準としての視点でかかれており、一般的になぜか中国韓国などから指示されて作られている教科書に比べると筋が通っており理解もより深まりました。