一人の狩人と七人の狩人(紙ジャケット仕様)
傾向的には、「ホシアナ・マントラ」にドラムを加えてもう少しロックっぽいテイストにした作品だと言える。
原盤ではB面1曲のタイトル・チューンが聞きもの。牧歌的なメジャー・コード中心に、ギターのリフが重なってゆき、恍惚とした高揚感の中、ディヨン・ユンの幻想浮遊ボーカルが時折現れては消える。「音響」の扱い方は全く異なっているがCAN「Future Days」と聞き比べてみると面白い(ちなみにFuture Daysは73年だから、本作の直前に作られている)。
Letzte Tage Letzte Nachte (Dig)
神がかり的な初期に比べ、その神秘性は薄まりそのかわり力強くなりロックとして
聴きやすくなった感があります。
エレクトリックギターの比重が高く中期の彼らの代表作として名高い作品でもあります
ディヨン・ユンのヴォーカルにより他との差別化に成功しています。
Popol Vuh: The Definitive Edition Of The Mayan Book Of The Dawn Of Life And The Glories Of
この本は古代マヤ族の古事記ともいえるものである。スペイン征服以前のマヤ族の創世記を含む神々の時代の神話や、彼らの伝説の故郷からのくるしい旅から次第に勢力を広げて一大王国を建ててゆくさまをダイナミックに描く。
テドロック博士の翻訳はこの書を余りにもマヤシャーマンの聖書という観点から訳そうとしているのが、個人的にはこの書を日本の古事記のような王朝の書と考える私は好きにはなれない点。しかしテドロックの訳しかたは華麗なマヤの世界を良く再現している。一つの優れた翻訳としてお勧めできる物である。
なお、決定版とサブ・タイトルがついてはいるが、これをカーマック博士やブラザーストン博士などの北米のほかのマヤ学者にいうと苦笑いされるのが普通。これはテドロック博!士の訳は一つの良訳ではあっても他の訳し方も可能だからである。
Das Hohelied Salomons (Dig)
ポポル・ヴーの6th。1975作/邦題「雅歌」
聖書の一節をモチーフにした作品で、ジャケからしてすでに美しい。
インスト主体だった前作に比べて楽曲構造はややシンプルになり、
このアルバムが最後となる女性Vo、ディヨン・ユンの歌声がより前に出てきている。
サウンドにはブリティッシュのサイケロックに通じる普遍性が入り込み、
神秘的な薄暗さはなくなった。東洋的なフレーズなどに聴ける無国籍感と自然思想的な
おおらかさが全体をやわらかくしていて、ソフトなAMON DUUL'Uという雰囲気もある。