ポール・サイモン
S&G時代から、アルバム「グレイスランド」までのポール・サイモンの歩みを綴った書籍。「サウンド・オブ・サイレンス」が、彼らの知らないところでアメリカのチャートを上昇していくまでの経過や、NO1になった時の彼らの逸話がおもしろい。アルバム「明日に架ける橋」制作過程でのアーティとの対立、世界的な売り上げを果たし、グラミー賞を獲得した名盤の知られざるエピソードやポールの苦悩などは、大変興味深いものです。また、その後のポールの音楽活動での葛藤や、映画「スター・ウォーズ」のキャリー・フィッシャーとの離婚から、南アフリカのアパルトヘイト政策の最中に、アフリカの仲間たちとの音楽活動を通して、アルバム「グレイスランド」が作られていった経緯が、克明に記されています。苦悩を通して名曲が生まれ、人間性と音楽を通して、世界を影響し続けるポールの行き方に感銘です。
Live in New York + DVD
あの911から10年の節目、グラウンド・ゼロでのサウンド・オブ・サイレンスは心に沁みた。そして、'So beautiful, So what'を引っ提げての今回のライブアルバム。最近の彼のライブ音源の中では、ベストの出来栄え、DVDで観るポールも70歳を超えているとは思えぬほどに若々しい。S&Gの名曲、Old Friendで、’70歳になるってどんなに奇妙なんだろう’と歌ったその齢を超えても、まだ常に新しいことに挑戦し続け、歌い続ける。そういったポールの生き方にはいつも勇気づけられる。60年代から変わらぬ創作意欲とその歌声。そして、世界中のミュージシャンとのコラボが生み出す独自の世界。彼とはちょうど20年遅れだけれど、自分も彼のように生きていきたいといつも思う。そのようなアーチストは、ほかにはいない。One and Only. 必聴必見である。