ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
上巻では、ある繊維会社をめぐる買収の攻防が
描かれていますが、カネボウと花王のいきさつが
思い浮かびます。
下巻では、キャノンや三洋電機のことが描かれている
かなと感じました。
ファンド同士の戦いは、凄みがあって
終盤は一気に読ませます。
NHKドラマの原作ですが、内容は同じではありません。
ドラマを見てからでも十分に楽しめました。
レッドゾーン(上) (講談社文庫)
ハゲタカ、ハゲタカ2が非常におもしろく、
今回も期待大で読み始めました。
上記2作品より私が落ちると思う点は、
・ストーリーが複雑である。
・会話にテンポの良さとわかりやすさが無かった。
の2点です。
アカマ自動車内のストーリーはおもしろかったですが、
中国人女性弁護士の話や、アランと関係のある記憶喪失の女性の話などは、
それほど興味がもてず、
前2作ではそれぞれのストーリはそれなりの結論をむかえるのですが、
これらのストーリがうまくまとまらなかったと思います。
ここまで話のスケールが大きくなると、
次回作もなさそうですが、
これで完結だと何だか寂しいです。
ハゲタカ(下) (講談社文庫)
特定の主人公を置くわけではなく、アメリカのハゲタカファンドの日本人社長と、経営破綻したスーパーを再建するために友人に請われて邦銀からスピンアウトしたスーパーの社長と、これも経営に行き詰まっているホテルを建て直そうとしている女社長の三者の生き様をそれぞれ描く独特のスタイル。三者とも金融問題に直面している、そして日本に対する高い愛国心を持っているという共通点があり、同時並行でそれぞれのストーリーが進んでいく中で、相互に影響し合う。バブル前後の日本経済の状況を忠実に描写し、また、実在の企業をモデルにしているので、ノンフィクション性の高いフィクションであると言える。バブル期の金融機関の経営やコンプライアンスがどれほど緩んでいたのか、バブル後の金融機関の貸しはがし、貸し渋りでどれだけ地方の中小企業が影響を被ったのかなどといったことについて、アウトサイダーとしてはこれまで実感が湧かなかったのだが、本書を読むと、そのあたりがかなり生々しく描写されており、知的好奇心が刺激されてついつい引き込まれてしまう。かなりの長編小説であるが、中だるみもなく、興味深く読ませてもらった。
ハゲタカ2(下) (講談社文庫)
もともとの題がバイアウトだった長編経済小説の下巻
私に限らずハゲタカは皆,高い評価だったのにも関らず,続編である
このハゲタカ2は低い.
多分,上巻の伏線であった,軍事政商のやっつけかたや,あるサラリーマンの
最後,なによりメインの企業再生について,新しさが見られないためでは
ないかと思う.
また,殺人とも思われる重要な人物の死が下巻で解決している
訳ではなくさらに続編で解決されるような伏線が感じられるのは
不完全燃焼のくささを感じる.
とはいえ,ハゲタカ2で言いたかったと思われる,企業再生に
必要なのは,再生ファンドでもお金でもなく,意思の力というのは
ミカドホテル,シャイン,曙電機の全部で言いたかったことの
様な気がする.
今後の続編として,まだ主人公がまだ,トンネルから抜けきれて
居ないこと,現在の複雑な経済状況など題材は色々あるので
楽しみではある.
ハゲタカ DVD-BOX
未だ買収の標的にさらされている民放各局には手が出せない題材ですよね。
やっぱり大森南朋の演技が凄まじい(!)ですが、松田龍平演じる西野の存在
もこの短いドラマ全体にピリッとスパイスを効かせていたと思います。
劇中では、鷲津への憎しみと憧れを一緒に抱えながら、手段を選ばない徹底的な合
理主義で時代の寵児へとのし上がっていく過程はあえてカットされてましたが、西
野が裏社会にも手を染めてしまったことを暗示しているような想像をかきたてられ
て良かったです。西野主演のスピンオフ版とかあれば、面白いかもです。
ちなみにテレビドラマのDVDを買おうと思ったのは今回が初めてです(6月の再放送
を録画できるとしても、欲しいと思いました)。毎回エンディングテーマに流れて
いく時点でテレビ画面に向かって拍手をしてしまうくらい出来の良いドラマでした。