働きマン(3) (モーニングKC (1550))
営業的な事情があるからそろそろ発売されるかなあ、と思っていたらやっぱり発売されていた。
全体ストーリー的に盛り上がりがあるけれど、個人的に気に入ったのは、植木屋さんと政治屋さんのお話。植木屋さんは、依頼された仕事の中で、自分の趣味を織り込んでいく遊び心が良いと思うし、政治屋さんの話は、最後にうっちゃりをかます粘り腰がよい。はじめっから金儲けをしようと思って政治を志すやつなんて、いないはずだよ、きっと。
オチビサン2巻
オチビサンは版画なんです。
この作品はポショワール(仏pochoir)という手法により
製作されているのですね。
マチスもポショワール版画といえば分かりやすいでしょうか?
弥生美術館によれば、英米のステンシルや日本の合羽刷りに相応する技法だそうです。
どうりで浮世絵を彷彿させますね。
原画展行きたくなりました。
レトロな漫画つながりで「ひなちゃんの日常」をお好きなら、
「くるくるクルミちゃん」松本かつぢ氏作
もオススメ。
働きマン DVD-BOX
私が見たいと思った映画やドラマにしばしば菅野美穂が出ている。今回も働く女性の仕事や生き方に対する答えとは何か関心があったので見ました。働く女性だけでなく購入層に向けた記事作り、事件を見守る野次馬達など毎回とても興味深く見てました。在宅率の高い季節のドラマだったのにも関わらずあまり話題にならなかったのが残念でした。
くいいじ 上巻
当代随一の人気マンガ家、安野モヨコですが
実際エッセイストとしてのセンスも相当なものだなあと、
ファッションエッセイの「美人画報」時代から思っていた。
女性にも関わらず、時に自虐も辞さない冷静な観察力と、
それを読む人がイメージできるように言語化する力を持っている人。
とてもマンガ家のサイドワークのレベルではありません。
自分が描きたいものよりも読者が読みたいものは何か、を追求し、
題材からセリフひとつにも吟味を重ねるという
本人の職人気質によるところが大きいのでしょう。
本作で言えば、たとえば玄関前でムカデを発見し、そこから
かくかくした脚を持つ節足動物→エビに似ているような気がする・・・
と連想を広げるくだりなどは、絵描きらしくエビの美しさを
色・形・全体のバランスにわたって描写しながら
ムカデにすらちらっと食欲を感じる自分へのツッコミまで一気に読ませるし、
一方、夜の高速道路に浮かぶあの光を、端から順に
銀のピンでちゅんちゅんと刺して食べてみたい、
きっと冷たい、香気あふれる味だと思う、なんていう
少女マンガ家らしいロマンティックな描写もあったりする。
イメージ豊かで、食べ物を前にしたモヨコさんの
心の動きまでも伝わってくる文章の数々なのです。
もちろん、普通のものも食べています。たまに食べられなかったもの、
まだ食べていないものも出てくるのがほほえましい。
また、さらっとペン画で描かれた食材の絵がとてもおいしそう。
一生に食べられる食事の量には限りがあるのだから、
少しでもおいしいものを、毎回満足して食べたい!という
食いしん坊らしさ満載、気持ちのよいごはんエッセイです。
エッセイが初めての方にも、安心しておすすめできる上下巻だと思います。