たったひとつのたからもの [DVD]
子供をもつ親なら誰しも夢中になってご覧になった事と思います。自分がその状態になったとき、どうなるかは分かりませんが、本当に心の芯の強いご両親だと、改めて感じました。普段、主人と一緒にテレビを見る事が少ないのですが、この時ばかりは心をうたれ、じっと黙ったまま、テレビを見つめるだけでした。また、いつかテレビでも再々放送をやって欲しいと思っていたところ、映像が発売になると聞き、本当にうれしいです。今度は子供たちともじっくりと考えながら見たいと思います。
VOICE OF HEAVEN
赤い鳥のコンプリート・アルバムを所有していますので、渡辺俊幸氏の登場は知っていますし、さだまさしのファンでもありますので、70年代の一連のアルバムを手掛けた彼の美しいアレンジは脳裏に横たわっています。それほど渡辺俊幸という名前はJ−POPの歴史と一緒に刻まれたものでした。
このCDは、そんな渡辺俊幸氏が手掛けたテレビ番組のメインテーマを集めたような企画です。特に日本のサラ・ブライトマンのようなクロスオーバー・ソプラノの増田いずみさんの澄んだ声を4曲で聞くことができますし、オリガのソプラノもまた美しいものでした。
抒情性への強い指向は過去のアレンジや作品を聴くと如実に伝わってきます。決して声高に叫ぶことなく、美しい世界を楽器と声とで紡いでいき、聞くものを魅了するようなメロディとハーモニーを残してきたと思います。
テーマ音楽であり、ヒーリング・ミュージックのようでもあります。繊細でどこか懐かしく押しつけがましくない音楽というのも貴重です。日常に疲れた時、人は癒しを求めます。さりげなく、傍らに寄りそうに存在する音楽だからこそ、万人に愛される音楽としてテレビで取り上げられているのでしょう。
『ヴォイス・オブ・ヘブン』というアルバムタイトルがこのCDの内容や音楽性を浮き彫りにしているようです。天上の音楽とも言えるでしょうね。癒されました・・・・・・。
八日目 [DVD]
~「健常者」と「障害者」という区分けをすると、確かに希望の見えにくい映画です。それと、人が死ぬ=悪と決めつけて観ると、やはり希望のない映画です。
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母を亡くし、ダウン症という身体的な「制約」を持つが為に、頼った姉からは抜け出した施設に戻ってと泣かれてしまうジョルジュと、家庭がほぼ崩壊している状況でもなお、7:30の起床、歯磨き、鏡に向かっての営業スマイル、セールストーク心得の講演を繰り返し、精神的におかしくなりかかっている社会的な「制約」を持つアリーという二人。変に二つにカテゴライ~~ズせず、同じ括りで二人を見ると、共につらい状況を生きている事にかわりない事が分かるのではないでしょうか。
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ラスト前にジョルジュが死んでしまう事に批判も出ているようですが、アレルギーで死に至るかもしれないゆえに食べる事を禁じられている「大好きなチョコレート」を食べて、死んでしまう=「愛するママンの元に行く」事が、観る人とってではなく、ジョルジュにとって「悪」なのかを、もう一度考えて欲しいと思います。また、何度も突き放しながらも、やはりジ~~ョルジュは自分にとって必要だとようやく分かった途端に、ジョルジュに死なれてしまうアリーは、家庭を取り戻したとはいえ手放しに「幸福」とは言えません。ですが、どう生きるのかをジョルジュから教えられたアリーが、しんどいながらも地に足をつけて生きていく、未来への小さいながらも確かな希望をラストシーン(ゴミ清掃人と笑いあいながらハイタッチす~~るシーン)に感じさせます。
分かりやすい映画ではないかもしれませんが、素晴らしい映画です。~