陽のあたる坂道 (角川文庫)
青森と言ってもある作家とは
こうも、違うものかと云うほど
前向きな温かい作家ですよね。
明るくすこやかな 人の温かさや優しさ、
誰しも大小あるだろう劣等感への扱い方。
活き活きと描かれたものが少ない現代だからこそ
余計に心地良く感じます。
信次を倉本たか子が愛することも自然で
たか子と信次に語らせていることが
伝えたいことなんだろうなと思います。
こうした学生を描く雰囲気は、
曽野綾子女史の28才から35才当時の
いくつかの小説ともテイストが似ていて
お気に入りです。
青い山脈 (新潮文庫)
国民学校同窓会に何度か出席し別れる時何時も歌い出す青い山脈は二八の春の頃を思いだす歌でした。出席する旧友も減り寂しくなりましたが会えば皆昔の顔 声でした。歌を知った頃未だ厳しい戦後でしたが映画を見 セーラー服の杉葉子さんに憧れ原節子さんは夢の中の人。気が付くと身近にセーラー服の人がいましたね。先日同映画を見ましたがその時原作を読んでいないのに気が付き急ぎ探しましたら既に絶版。貴店から入手し表紙の少女の後姿、遠くの山脈の絵に歌の通り 見れば涙が滲む思いでした。新聞連載小説と聞きましたが記憶が無いのです。新聞も頁の少ない時代でしたね。懐かしさと一緒に大事に保存図書にしておきます。新装、再版されると良いですね。